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039 アンデッドダンジョン1

 次の日、しっかりと睡眠を取った後は、しっかりと食事も取ってアンデッドダンジョンに備える。グレイフライアーズ墓地を抜ければアンデッドダンジョンは目と鼻の先である。


 少し歩くと、直径30メートルはある巨大な魔法陣が地面に描かれているのを発見した。魔法陣の中央がアンデッドダンジョンの入り口だったはずだ。


「うわ!大きな魔法陣だね!」


 シャルが興味津々に魔法陣を眺めている。


「どんな意味があるんでしょうねぇ〜?死者をアンデッド化する魔法陣だったりして〜?」


 ほんわか笑顔で怖いことをおっしゃるロザリーさん。


「マスター、あそこを御覧ください」


 アルエが指差す魔法陣の中心には、地面から何かが飛び出していた。近づいてよく見るとドアノブだった。砂をかき分けると地面にドアが設置されていた。


「ドアだね」


「ドア!」


「ドアですねぇ〜」


「地下ということは我の出番だな?」


 ロキ達はサラの明かりを頼りにアンデッドダンジョンの地下1階に降りていった。


 螺旋階段を降りていき地下1階に到着すると、そこは狭く薄暗い迷路だった。


「嫌な感じの場所だね」


 シャルの直感センサーが何かを訴えているようだ。


「罠や挟み撃ちに注意して進もう」


 迷路は天井も低く、曲がり角も多い。圧迫感が凄い。


 少し進むと曲がり角からゾンビの群れが現れた。


「臭い……」


「たしかに臭いですねぇ」


「ワタシの鼻のセンサーが壊れそうです」


「!?」


 ゾンビ達はショックを受けて肩を落としている。しかし、突然怒り出し、こちらに掴みかかろうとしてきた。


「我に任せよ」


 サラがやる気だ。


「じゃあ、頼んだよ!」


 サラはランプから出ると、ロキの肩に登る。サラの体は燃えているように見えるが不思議と熱くない。


「聖油をくれ」


 聖油が入った瓶を近づけると、中の油が渦を巻きながらサラの口に吸い込まれる。


「【聖なる焔(ホーリーファイア)】」


 サラの口から白い火炎が放射され、ゾンビ達は一瞬で燃え上がり浄化された。


「うむ、なかなか良い油だったぞ」


「さすがサラ様!凄い炎だったね!」


「我にとっては容易い事だ」


 ドヤ顔のサラは悠々とランプに戻ろうとした。


「サラ、ちょっと待って!」


「まだまだ来るみたいだよ」


「何!?」


 ゾンビの群れが押し寄せる。


「ゾンビの群れはお願いするよ」


「うーむ、我に任せよなどと言わなければ良かった……」


 サラの【聖なる焔(ホーリーファイア)】で敵を消し炭にしながら進む。


「待って!嫌な予感がするよ!」


 シャルが突然皆を止めた。エルフの勘が働いたのだろうか?


「どうかした?」


「なんか凄く嫌な予感がしたんだけど、気のせいかな?」


 そう言ってシャルは一歩踏み出した。


 ガコンッ


「「あ……」」


 シャルの足元にあった地面が凹んでいる。例のスイッチかな?


 シャルとロキは一瞬見つめ合った後、地面が消えた。


「やっぱり罠だったああぁぁぁ……」


 全員落ちていった。

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