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037 次のダンジョン

 次の日からロキとシャルは地獄の特訓。アルエは冒険者ランク上げ、ロザリーはその手伝いをする事となった。


 地獄の特訓が始まってから1ヶ月が経過した。身体が出来上がってきたのか、特訓にも慣れてきた。


「そろそろ頃合いだな。次のダンジョン攻略を命じる。次はアンデッドダンジョンだ」


 突然、師匠から命令が下された。


「アンデッドダンジョンですか?それってスケルトンやゴーストが……?」


「勿論たくさん居るぞ!」


「ひいい!」


「その程度の魔物を怖がってどうする?お前が目指すのはもっと上だろう」


 そうだった。冒険者の頂点を目指すのならば、避けては通れない道なのだ。


「分かりました。恐怖と向き合ってみます」


「うむ、アンデッドダンジョンはここから南西にある。対アンデッドの準備を十分にしておけよ」


「はい!」


 次はアンデッドダンジョンに決まった。


 まずはその事を報告する為、クラン【ロキヘイム】の皆に拠点に集まって貰った。


「今日、みんなに集まってもらったのは次のダンジョンが決まったからなんだ。その前に、アルエの級位はどれくらいになった?」


「ワタシは金級になりました」


「おめでとう!これで全員金級になったね。ロザリーさんもありがとうございました」


「いいのよぉ〜アルエちゃんは全然怪我をしないからビックリしちゃったけどね〜」


「アルエちゃん良かったね!」


「それじゃあ、次のダンジョンを発表するよ。次のダンジョンはアンデッドダンジョンです!」


「「おぉー」」


 シャルとロザリーさんは反応してくれたようだ。


「今日はアンデッドダンジョン攻略の為の準備をしようと思うんだけど、いいかなぁ?」


 みんなが頷いてくれたので、全員で協力し合って準備をすることにした。


 シャルは食料の買出し、アルエは道具類のメンテナンス、ロザリーは対アンデッド用のアイテム買出しをお願いした。


 ちなみに僕は、サラの強い要望により聖水ならぬ聖油を買いに教会に行った。


「こんにちは〜」


「教会へようこそ。懺悔ですか?祈りですか?それとも、寄・付?」


「全部違います!聖油を買いに来たんです!」


「そうだったんですか。それならそうと早く言ってくれればいいのに」


「神父さん……」


「ゴホン、聖油でしたよね。持ってきます」


 しばらく待つと神父さんが壺を持ってきた。


「これが聖油です。1つ50金貨になります」


「高っ!そんなにするんですか?」


 思わず言葉が出てしまった。


「あ、間違えました。1つ5金貨ですね」


「ロキよ、この神父は信じない方が良さそうだ」


「あなたは本当に神父ですか?」


 少し後ずさり、神父から距離を取る。


「ハッハッハ!なかなか鋭いじゃないか!見破った褒美に俺達の目的を教えて……やるわけがないだろ!」


 豹変した神父が壺を地面に叩きつけると爆発した。煙で何も見えない。


 煙が収まると、神父は消えていた。


「ムムーー!!」


 教会の奥の扉から変な声が聞こえたので、慎重に扉を開けると縛られた別の神父が転がっていた。


「助かりました。……来客の対応をしていたらいつの間にか眠らされて転がっていたのです」


「僕は偽の神父に襲われましたよ」


「多分、私達を襲った人物は同一犯でしょう。後で私から被害の報告を出しておきます」


「そうですか……あ、ところで聖油を売ってくれませんか?」


 サラがそろそろ不機嫌そうなので聖油を買って帰りたいのだ。神父は壺ではなく透明な瓶を持ってきた。


「はいはい、これ一瓶で5銀貨になります」


「安いですね!10個ください!」


 色々あったけど無事に聖油をゲット出来た。これできっと明日は出発出来るはず。

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