表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/76

034 作戦会議

 南東にはオークダンジョンもあるので、ついでに1回ボスまで倒して食料を調達してからホットフット村に向かった。


 3日間歩き続けると海岸出た。海岸に沿って更に南に進むとホットフット村に着いたのだった。


「はー!やっと着いたー!海風で髪の毛がベトベトだよぉ」


 シャルはシャワーを浴びたいみたい。


 まずは冒険者ギルドへ行く。冒険者ギルドは寂れていた。イーストコースト村を思い出した。


「おお、冒険者様ですか!こんな辺境にようこそ」


 受付の老婆が対応してくれた。


「王都からクラーケンの討伐に来ました。詳しい情報を教えてもらえますか?」


「そうさなぁ、わしゃもう年寄りで物覚えが悪くてねぇ。港に居る漁師から直接聞いとくれ」


「そうですか。分かりました」


 とりあえず、村に唯一の古い宿屋に部屋を確保して、その後、港に向かう。港にはクラーケンとの戦いでボロボロになった船がいくつも停泊していた。ボロボロの船の横で座り込んでいる漁師に声をかける。


「クラーケンにやられたのですか?」


「誰だ?お前ら、馬鹿にしに来たのか?」


 漁師は何もかもが嫌になった風に聞き返す。


「いいえ、僕達は銀級冒険者です。クラーケンの討伐に来ました」


「クラーケンの討伐だと!?あんな怪物を倒せる訳がねぇ!俺たちは実物を見たから分かる。人間が倒せる相手じゃないんだよ!」


 漁師はクラーケンを思い出したのか頭を抱えて会話ができる状態ではなくなってしまった。


 他に話を出来る人は居ないか見回すと、こちらを見て手招きしている老婆が居た。


「お前さん達、こっちに来なされ。クラーケンの事について知りたいんだろう?」


 老婆に近づき、クラーケンについて尋ねる。


「クラーケンについて何か知っているんですか?」


「ああ、知っておるよ。私の夫もクラーケンに殺されたんじゃ」


「クラーケンはどこにいるの?」


 シャルが老婆に尋ねる。


「奴は遠洋でクジラを襲うんじゃよ。じゃが、たまに港の近くまで来て間違えて船を襲うんじゃ。人の味を覚えたクラーケンは人を襲い続けるんじゃ……今も港の近海に居るはずじゃよ」


「このまま放っておいたら被害が広がりそうだね。早くクラーケンを討伐しなきゃ!」


「船を借りられないかなぁ?」


「船で戦うのはやめたほうがいい。夫も船を沈められて死んでしもうたんじゃ」


「ありがとう、お婆さん。何か方法を考えて見るよ」


 お婆さんにお礼を言い、一旦宿屋に戻り作戦を考えることにした。



 宿屋の部屋に着くと作戦会議が始まった。


「どうしようか?」


 ロキが聞くと


「海岸から釣り上げるのはどうかな!?」


 シャルが提案した。


「それいいかもしれないね!」


「待て、餌はどうするのだ?クジラを食べるような奴だぞ」


 サラが当然の疑問をぶつける。


「そっか。釣りは難しそうだね。他に案はない?」


「マスター、ワタシに提案があります」


「何?どんな提案でも歓迎だよ」


「ワタシが船になります」


「「……え!?」」


 ロキとシャルは理解が追いつかず同時に声を上げた。


「アルエって船になれるの!?」


「はい、港にあった船の残骸から推定したクラーケンの攻撃に耐える確率は99パーセントです」


「なんだか分からないけど、大丈夫ってことだよね!その作戦で行こう!」


 その日は作戦の続きと明日の準備をして眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ