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028 クラン結成

「ありがとうございます。僕達はこれで失礼します」


 ロキとシャルは冒険者ギルドを出た。外で待っていたアルエと合流する。


「おまたせ。さぁ、帰ろっか」


「ロキ待って」


 シャルがロキを呼び止めた。


「ロキの家って、もう部屋ないよね?」


「あ……!」


 そうだった。今、ロキの部屋はシャルに占領されているのである。そして、今回アルエが追加された場合、部屋が足りない。


 今ロキはソファで寝ているが、アルエにソファを明け渡した場合、ロキは床で寝るしかないのだ。


「それは困るよ!どうしよう!?」


「あたしに良い考えがあるよっ!」


「良い考え?」


「クランを結成して拠点となる家を借りればいいんだよ」


「クランって何?」


「クランは冒険者同士の仲良し集団だって聞いたよ」


「なるほど、よく分からないけど、家を借りるしかないってことは分かったよ」


「マスター、ワタシも冒険者になってマスターの役に立ちたいです」


「じゃあ、もう一回冒険者ギルドに戻ってベリンダさんに相談してみよう」


 冒険者ギルドに入ってベリンダさんに相談した。


「それでしたら、まずはアルエさんを冒険者登録しますね。クランの登録には3人以上のメンバーが必要ですから」


 アルエの登録手続きをしてもらった。


「手続きが完了しました。次にクランの登録手続きをしますね。メンバーはロキ君とシャルさんとアルエさんでよろしいですか?」


「はい」


「クラン名はどうしますか?」


「(サラ、どうすればいいかな?)」


 こういう時はサラに聞けばいいと思うロキであった。


「(うーむ、【ロキヘイム】なんかどうだ?)」


「(どういう意味?)」


「(いずれ、わかるさ)」


「じゃあ、【ロキヘイム】でお願いします」


「承知しました。登録しますので、少々お待ち下さい」


 数分後、ベリンダさんの登録作業は終わったようだ。


「お待たせしました。クラン登録は完了です。拠点はどうしますか?良ければギルドのおすすめの物件を紹介しますよ?」


「じゃあ、お願いします!」


 ベリンダさんにいくつかの物件を紹介してもらった。


 しかし、どの物件も高かった。


「うーん、どれも高過ぎて払えないです」


「安い物件となりますと、金貨100枚の物件が1軒だけありますが……」


「それ見たいです!」


「でも、曰く付きというか、問題があるんです。その物件はいくら修理してもすぐにボロボロになってしまうらしいんです」


「そんなまさかぁ。とりあえず下見に行きたいです」


 ロキの最後の希望はそこしかなかったので下見をすることにした。


「これが鍵です。王都の南東の街外れにありますから下見が終わったら鍵は返却してくださいね」


「分かりました」


 こうして、拠点の下見に向かうことになった。

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