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023 オークダンジョン2

 3階層は荒野だった。草原と同じく見通しは良い。遠くの方にオーク種の群れが見える。


「あれは何て名前のオーク?」


「遠くて良く見えんが、あれは多分オークファイターとオークアーチャーだ」


 サラが答える。


「剣と弓が武器かぁ。オークシャーマンの方が強そうだけど」


「弓矢の方が強いよ!詠唱なんて要らないし!」


 弓使いのシャルが主張する。


「たしかに、詠唱なしは脅威かも。油断せずに行こう!」


「「おー!」」


 ロキが群れに突っ込むとやはりオークファイターとオークアーチャーの攻撃はロキに集中した。


「【死盾(デス・シールド)】!」


 攻撃の当たる箇所を部分的に【死んだふり】することで攻撃を弾く。


 修行の結果、ロキは1対多であっても【死盾(デス・シールド)】で全ての攻撃を弾くことが可能になった。


 アルエが両手を剣に変化させてオークアーチャーを倒した。


 シャルの放った矢はオークファイターの眉間を正確に貫いた。


 ロキが先頭で敵を引きつける作戦で3階層も無傷で制覇した。



 4階層は砂漠だった。


「暑〜〜い〜〜〜!」


 シャルは暑いのが苦手なようだ。アルエは涼しい顔をしている。


「この程度で暑いとは、近頃の若いモンは……」


 サラは若者に物申したいようだ。


「あそこにいるオークは何て言うオーク?」


「若者にしては勉強熱心でよろしい。あれはオークジェネラルとオークウィザードだ。オークファイターやオークシャーマンより相当に強いぞ」


「そうみたいだね。これだけ離れているのにオークジェネラルはこちらに気づいているみたいだ」


 複数のオークジェネラルがこちらをじっと見ている。


「とりあえず、いつもの作戦で行ってみよう」


「はい!」


 ロキがオークジェネラルに向かって走り出すと、オークウィザードも接近に気づきファイアアローをいくつも撃ってくる。


 ロキは【死盾(デス・シールド)】でファイアアローを弾き返しながらゴブリンジェネラルに接近する。オークジェネラルの武器は両手剣である。その両手剣を大きく振り上げ、走るロキに振り下ろす。


 ロキは一瞬だけ体全体を【死盾(デス・シールド)】で覆った。オークジェネラルは両手剣を弾かれ、態勢を崩した。だが、オークジェネラルの攻撃力も相当高い為、ロキの体も反動で少し下がった。


 ロキはショートソードしか持っていない為、オークジェネラルの首には少し届かない。首を狙うのは早々に諦め、腿を斬りつけた。機動力を削ぐ為だ。動きが鈍くなったオークジェネラルはシャルにとっては簡単な的である。


 アルエは単独で動き回り、詠唱中のオークウィザードを倒している。合計6匹の群れだったが、全て倒すことが出来た。階層が進み敵も強くなってきた。今までのオークよりも格段に強いと感じた。


「ふぅ、お疲れ様〜。あれだけの威力と殺気があると少し緊張したかな」


「オークジェネラルの殺気は凄かったね」


「マスター、シャル、お疲れさまでした」


 少し休憩し、次の群れに挑むことにした。砂漠での戦いはさっさと終わらせたい。


 同じ作戦でどんどん倒す。


「暑い〜〜〜水〜〜〜!」


 シャルはもうすぐ限界のようだ。


「頑張って!あと群れ1つで次の階層に行けるはずだよ」


「もうムリ〜〜〜」


「じゃあ、今回は僕とアルエで戦おう」


「承知しました!」


 ロキとアルエは並んで走り出す。


「【死盾(デス・シールド)】!【死撃(デス・バレット)】!」


 敵の攻撃を弾いてカウンターでオークジェネラルを倒していく。


 一方、アルエは殺戮兵器と化してオーク達を切り裂いた。


 最後の群れを倒すと魔法陣が生まれたので急いで5階層に移動する。いつも通りなら次が最後の階層になる。


読んで頂きありがとうございます。


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