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019 忘れ物

「よーし!オークダンジョンに出発!」


「おー!」


 オークダンジョンの場所は冒険者ギルドで既に聞いてある。王都から南東の方角に2日ほどまっすぐ進むとあるらしい。


 途中に荒野が広がっており、ロックゴーレムが大量に居るらしい。


「途中のロックゴーレム楽しみだなぁ」


 ロキはロックゴーレムを見てみたかった。生まれ育った田舎村では絶対に見ることが出来ない魔物だから。


 そして錬金術を未だにカッコいいと思っている。錬金術が進歩すればいつかゴーレムも作れると噂で聞いたこともあった。


「たしかに!あたしのエルフの里には居なかったから楽しみ!」


「お前達、目的はオークダンジョンだということを忘れるんじゃないぞ?」


 サラが脱線しそうな2人を本来の目的に戻した。


「「わかってるよー」」


 王都から南東に歩き始めて1時間ほどで、歩きやすい草原から人の背丈ほどの草が生い茂る場所になった。ロキはショートソードで、草を斬りながら進んだ。


「シャアアアアァァァ!」


 突然、草むらの中からポイズンクリスタルスネークが飛び出してきた。口を大きく開けて毒を吐きかけてくる。


「はっ!」


 ロキは毒を避けて、ショートソードでヘビの首を切り落とした。


「ふー、危なかった!」


 名前の通りヘビの額に紫色の宝石がついている。


「たしか、この宝石が高く売れるんだったよね」


 宝石を回収して先に進んだ。


 歩き始めて半日で林になった。木の下は日陰で草も生えていないので歩きやすい。そこで昼食を取った。


「ん〜!美味しいっ」


 昼食はロキの母親が作ったお弁当である。シャルは気に入ったようだ。いつ魔物が襲ってくるか分からないので早めに食べ終えて出発する。


 更に歩き続けて夕方になったのでテントを張って、寝る準備をする。食事は匂いを出さない為に干し肉で我慢した。そこで問題に気づいた。


「あーーーー!!」


「どうしたのシャル?」


「寝袋……忘れちゃった」


「えっ!それはまずいよ。昼は温かいけど、夜はかなり冷え込むよ」


「う~~ん、ロキの寝袋に入れて貰えばいっか!」


「ええ!それもまずい……と思わない?」


「ロキの体温が温かいから、むしろオッケー!」


 ロキの説得は失敗した。


 食事も終わり、寝る時間になってしまった。


「本当に僕と同じ寝袋で寝るの?」


「うん、寒くなってきたから早く寝ようよ」


 2人は1つの寝袋に入った。


 30分後、シャルは寝息を立てて眠っているが、ロキは全く眠れなかった。うーん、早く眠りたいのにすぐ横にシャルが居るせいで眠れない。ちなみに現在ロキはシャルの抱き枕として抱きつかれている。


「こうなったら最後の手段だ……【死んだふり】!」


 ロキは【死んだふり】をすることで危機を脱したのであった。

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