冬の夕暮れ
吹き抜ける風は冷たく
それはまるで肌を突き抜けるよう
露出している手は冷たくなり、耳が感覚を失い
行き交う人はみな速足で
衣服を固く締め家路を急ぐ
恵みの陽もその日は役目を終え
空には残光の朱色があたりを染める
流れる雲も、重く冷たく灰色に染まる
冷え切った外壁から漏れるは光の筋は
冷え切った街を暖かに照らす
わずかに漏れるは
幼子の笑い声
笑い声の先には、鮮やかな電飾が
いくつも列をなして輝き
人々の夢を映し出す
そんな光景にふと立ち止まり
心癒される