寿司
駕籠にはなぜか断られてしまい、馬車に乗って夜になった頃、メガセンターと呼ばれる町に到着した。
「さてと、飯にするか。」
「オススメがある。」
クオンによって連れられた先は寿司屋。
「何これ?」
初めて見る寿司にリアクションに困るユークとモルガナ。
「寿司。」
「違う。そうじゃない。」
「ご飯に魚の切り身を乗せた料理ですよ。」
プレナが代わりに説明。
「ふえぇ?生の魚?ありえないよぉ。」
そういう文化のない国出身にとっては、中々恐ろしい料理だ。
「大丈夫。美味しいから。」
「まぁ不味いってことはないか。・・・この緑の山は何だ?」
テーブルの隅に置いてある塊を不審に思うユーク。
「それはアイス。食べてみて。」
言われるがままにスプーンですくう。
「え?アイスなら溶けているんじゃ・・・。」
プレナが言い終わる前にユークは緑のソレを口に含んだ。
「ん・・・甘くない・・・むしろ辛・・・辛っ!何だこれ辛っ!!」
大量の山葵を食べてしまい、ユークは悶え苦しみ、クオンとモルガナはその様子を見て大笑いする。
「え、あ、お茶です!」
プレナが慌てて置いてあったお茶をユークの口に流し込む。
「ウヴォあつ!熱い!!アツゥイ!!!」
「すみません!えっと水を!」
店員に水を貰い、それを飲んでようやく収まった。
「あー酷い目にあった・・・罰としてクオン、美味しいスシを教えろ。」
「随分と可愛い罰ですね。」
「了解。とっておきを紹介する。」
それから、ユークとクオンはひたすらマグロを食べた。
「他のも食べては?」と言われてもマグロだけを食べ続けた。
山のように積み上げた皿が高くなった頃、食事は終了した。
「あー食った食った。大満足だ。」
「本当に満足したのですか?」
色々な寿司を食べたプレナとモルガナは、ユークの言葉に半信半疑だ。
「大丈夫だって。で、宿はどうする?」
「それは知らない。」
仕方ないので、一番コミュニケーションがとれるプレナが通行人に質問し、旅館を探しだすことに成功した。
「なんかぼろいな・・・。」
「お風呂と寝るだけですから、我慢してください。むしろ、この時間に受け入れてくださる方が珍しいのですよ。」
「そんなもんかい。」
温泉に行ってみるとそこには・・・
「混浴!?」
男湯、女湯の他に混浴の温泉もあるらしい。
いや、でも。誰も入るわけないよな。
ユークは普通に男湯に入る。誰も他にいないので、貸し切り状態だ。
「あれ?ユーク、混浴に来なかったの?」
和室に戻ると、クオンにそんなことを言われた。
「嘘ぉ!?お前、混浴にいたの!?」
「嘘だけど。」
期待させんな。
畳みに敷かれた布団に入るが、なんか背中が落ち着かない。
「明日はいよいよ調査です。頑張っていきましょう。」
灯篭の灯りが消され、和室は真っ暗になった。




