冒険者が来ました
結局のところ、今日は誰も来ることはなかった。
まぁ俺は戦闘訓練はほとんどやってないし、魔法も使えるわけじゃないから、冒険者に来られても困るんだけどさ。
ともかく、玉座に座って暇を持て余しているうちに一日が終わった。
そして翌日。
今日からモンスターたちがやってきて、罠の取り付けも始まるんだな。
「ユーク様、侵入者が現れたとのことです。」
「え、早くない?まだ何も始まってないよ?」
「ええ。工事員はまだ来ていません。」
来てすらないのか。
「冒険者の実力にもよりますが、現在の警備体制ですと、一時間もあれば玉座の間まで来られると思われます。」
一時間もかかるのか。意外と何とかなるかも。いや、流石にそりゃあねぇか。
「プレナ!俺は自室で集中するから、近くなったら教えてくれ!」
「かしこまりました。」
ユークは座っていた玉座を押し、下敷きになっていた階段を下りて地下の自室に向かった。
ただ休みたいだけでは・・・。
プレナはいそいそと地下に向かうユークの様子を見てそう思ったが、特に口に出すようなまねはしなかった。
さて、現場を見に行ってみますか・・・。
移動魔法を使い、プレナは入り口まで移動した。
あれですか・・・。
現場に到着したプレナが見たものは、四人の若者と彼らを囲む低級モンスターの群れだった。
「くそっ!結構強いぞ!」
「いいや、俺たちなら必ず勝てるぞ!諦めるな!」
・・・弱いな。このパーティ。
冷ややかに様子をうかがうプレナに気が付くこともなく、パーティは必至に応戦している。
「もう逃げようぜ!やってらんねぇよ!」
「そうだ!誰だワンチャンあるって言った奴!」
どうやら、大して戦闘経験のない若者たちのようだ。
軽い気持ちで来た男友達同士といったところか。
「チクショー!こうなったら強行突破だ!走れぇ!」
誰かがそう叫び、パーティは一斉に奥の階段目指して駆けだした。
人間には神の加護というものがある。
異種族との戦闘で命を落としても、神に信仰を捧げていれば生きかえることができるのだ。
それがあるから無謀というか、物見遊山で魔王城まで来たのでしょうが・・・こういう類の侵入者が増えると面倒ですね。何か対応策を考えねば・・・。
やはり、魔王の力を示していただく必要があるようですね。
・・・ユーク様にできるのでしょうか。
プレナの気苦労は多い。




