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005:敵か味方か?

ひさしぶりの投稿です、仕事が・・・ぐはっ!

焚き火で時間を潰していたユウヤはゆっくりと立ち上がる、片手に槍をもってテントを背にして森の方を見つめる。

後1時間くらいでここに向ってきている奴らが結界にあたる、結界に当たれば敵か味方かがわかる。

暇だったので朝ごはんのためのスープとソーセージを作っている、スープの上に網を置いてじっくりと蒸し焼きしている。

焼きもいいが朝から油っぽいのは少なくするのがいい、野菜は多くは入れないでじっくりと煮込む。

肉は塩が強い乾燥肉と鶏肉の残りを入れる、胡椒とショウガで臭み消して味を調える。

パンも黒パンそのままだと美味しくないので、軽く水をかけてから火の近くで蒸し焼きにする。


「おはようございます・・・」


森を見ているユウヤに声をかけたのはメイドのアンメイ、ユウヤが料理をそのままで森を見ているのが気になっている。


「おはよう、そろそろ全員を起こしておいてくれるか?」


「・・・それはなぜでしょう?」


「誰か来ているからな、敵にしろ味方にしろ準備した方がいい」


「!?・・・畏まりました、皆を起こしてまいります」


「食事はしておいてくれ、鍋にスープや腸詰めがあるからパンは黒ぱんだがな」


「いえ、食事の用意までしていただきありがとうございます」


アンメイはすぐに行動に出ると騎士たちを叩き起こし、お嬢様の着替えを手伝いにいった。

騎士たちも頭をはっきりさせた頃には着替えも終えて、すぐに朝食を始めていた。

数時間じっくりと煮込まれた野菜や肉は、顎に負担をかけずにするすると食べる事ができた。

朝の寒さを吹き飛ばすほど体が火照るのも、胡椒やショウガの効果で体の代謝を上げている。

上で蒸されたソーセージはしつこくなくぷりぷりと食べれ、蒸し焼きされた黒パンはやわらかくなって食べやすくなっている。

朝に食べるために作られたような料理に騎士やお嬢様は夢中で、配給していたメイドが慌てるほどだった。


「食事の後に運動になるから程々にな、あと数十分って所だし・・・・」


「それはどう言う事ですか?」


「近づいてくるやつらがいるな、場合によっては戦闘になるだろう」


「味方ではないのですか?」


ユウナからはお嬢様らしい答えがきた、ユウヤはそれでも疑う事をやめないのは前世で同じような事があったからだ。

最初から信用できる情報がない状況下では、来るものは敵とみなして行動するのが一番効率がいいからだ。


「仮に味方だとして数人だけで来たとする、護衛として人数が足らない」


「・・・来ている数がわかるのですか?」


「感知できる、今来てるのは3人だが?」


「それならたぶん、アイナ姉様たちですね?」


「・・・?」


ユウナが何か安心したような顔になりユウヤは何を言ってるのか理解できなかった、ガンダーンが横にきて小声で呟く。


「お嬢様の姉妹で真紅の薔薇騎士と言われるほど強いお方様だ、私と同じ力量の騎士を20人相手にしても勝ってしまうほどのな」


「この国は女性でも騎士になれるのか?」


「ウチの国は実力があれば仕官できるようになっている、もっともかなり難しい試験を受けないといけないがな」


どうやらこの国は貴族や王族だけではなく、市民でも騎士や役職が得られる可能性がある。

やる気がある国民は強い国になる、強みであり弱みにもなりうるからだ。

貴族がちゃんと義務を果たしていないから、王は市民に期待してしまうと思う事もできる。


「・・・貴族が黙ってないだろうな」


「それは・・・・」


「俺には関係ない話だ、それよりも目の前の現実だな」


「・・・・」


ユウナは押し黙ってユウヤを見つめる、実際助けたお嬢様で何か謝礼を貰うつもりもないと言い放っているのだから。

普通の庶民なら貴族になれるという事がどれだけ価値があるか、ユウヤにとっては金より低いと感じつつある。

ユウヤにとっては邪魔な称号なだけだという、何度もくり返す事で悟った事なのだから。


「さて・・・準備するか」


「もし敵ならどうします?」


「・・・敵って言うなら殲滅するだけだ、命狙われるなら禍根を残さないために」


「それは・・・」


ユウナみたいなお嬢様には解らない事だが、ユウヤにしてみれば死活問題にもなるからだ。

出したままの物を片付けはじめる、残しておいてもいいが変に発見されても面倒だと思うからだ。

使ってる道具も今の世界だと面倒が多い物ばかりで、再現されると面倒なものでもあるからだ。

テーブルをしまうとすぐに槍を出す、そしてすぐにSPを使って「威圧」を取っておく。


「そろそろかな?それにしても・・・・虫もいるみたいだしな」


「ユウヤ様?」


「なんでもない・・・・」


向ってきている以外にも増えた事に驚いている、今まで希薄だったのが輪郭を持って感じたからだ。

ユウヤも慌てる事はしないが、面倒が増えた事には変わりないからだ。


「来たな・・・」


ユウヤが呟くと同時に森から馬に乗った騎士が出てきた、一人はかなり派手で体形や胸を見てすぐに女性とわかる。

ほかの騎士は歴戦を感じさせる風格をもっている、馬を今まで全速で入っていたとは思えないほど息を切らしてないからだ。

行軍のための馬を使ったか、回復用のポーションか何かで回復させた可能性があるからだ。

ユウヤは全員の前に出てから槍の石突を大地に突き立てる、ユウヤから威圧を感じ馬が怯えたのか一斉にとまる。


「それ以上動くと敵対行動とみなす!」


「なっ!」


「問う!何用で馬で乗り込んで来たか?」


「・・・」


「非礼にたいして申し訳ない!我々は公務のため言えない!」


先頭の女性騎士ではなく横にいた歴戦騎士が答える、女騎士は柄に手を置いたままだ。


「言わないじゃなく言えないって事はやましいことがあるからじゃないか?」


「ない!ただそこもとの後ろにいるお嬢様を救出に来ただけだ!」


「・・・のわりにはそこの女騎士は殺気だってるけど」


「!!?」


「・・・それはすまない、彼女も気が立っていてな」


「それなら柄から手を外すことだ、敵対行動に見えるぞ」


一瞬にしてその場が緊張が走る、ユウヤは動かないが睨みつけるように


「!・・・収めてください」


「わかっている・・・」


女騎士が柄から手を離すのを確認して、その場にいた全員が安堵の息をはく。


「ユウヤ殿、あまり刺激しないでくれ」


「馬で乗り込んできて敵か味方かわからない状態だから、威嚇するのは普通ですよ」


「お姉さま!」


「ユウナ!心配したぞ!」


ユウナが近づくと女騎士は馬から下りる、ほかの騎士も降り出すが馬を落ち着かせるよういしている。

鎧の鉄仮面を取るとユウナそっくりで、すこし切れ目で気が強そうな女性がユウナを抱きしめてる。

二人の抱擁以外は騎士同士の情報を交わしている、ユウヤはほかに警戒するのを感じていた。


「ユウヤ・・・殿すまなかった、私も焦っていたのでな」


警戒しているユウヤの後ろから女騎士とユウナが近づいてくる、振り向くとさっきより穏やかになっている。


「気にしない、家族が大事なのは誰も一緒だ」


「ユウヤ殿・・・・」


「それより移動したほうがいいな、面倒が来ている・・・」


「面倒とは?」


「あんた達がどう強行軍してきたかは知らないが、たぶんつけられたな・・・」


「何を言っている?」


「簡単に言えば魔物が近づいてきている、しかも複数の違うタイプだな」


「たまにある事ではないのか?」


「弱い魔物だと考えられるが、魔力の感じからしてそこそこの力を持つ魔物だ・・・」


「なっ!!?」


その場にいた全員に緊張が走る、力を持つ魔物は縄張り意識が強いため同じ場所に現れる事はない。

ましてやひとつの獲物を狙う事はありえない、ダンジョン以外考えられないからだ。


「・・・いずれかの仕業か」


「それは知らないけど・・・逃げるにも難しいかもな」


「撃退か?しかしこの兵力では・・・」


騎士たちも疲れが残っているし、今きた女騎士たちも無理に戦う事が出来ないだろう。

数からしてユウヤ一人でも問題ないからだ、下手に手を出されても面倒とも思っていた。


「騎士は二人の守りに徹してください、俺が相手します」


「ユウヤ殿!?、一人では無茶です!!」


「問題ない、朝の運動くらいにはなるし」


「でも!?」


「ユウナ様、お下がりを」


アンメイに連れられて後ろに下がる、女騎士を中心に騎士は羽翼陣で防護する。

どうやら騎士も危機を感じているのだろう、戦うのではなく守る事が一番だと。


「さて、どんな魔物がくるかな・・・・」


続く

あとがきストーリー

月:最近・・・胃が・・・吐き気が・・・

リ:病気?

月:病気なんて風邪以外ならないからな・・・・

リ:不衛生?

月:家ではそんな事許してくれない人がいるし・・・

リ:・・・・なら・・なに?

月:それが解ればいんだけどな・・・

リ:次回「006:魔物と無双」

月:みんな見てね!

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