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子爵令嬢は自由になりたい【連載版】  作者: と〜や
第八章 忘れ物と第一王女の侍女

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67.書簡:子爵令嬢から第一王女へ

本日二話同時更新しています

 親愛なるフェリスへ


 お手紙ありがとう。忙しそうね。

 デビューからまだ二月ほどだものね、今シーズンはあきらめておいた方がいいわ。

 今年も夏は避暑地に行くのでしょう?

 きっと今年の夏は、避暑地でもあちこちからお誘いがあるわよ。



 それから――ごめんなさい。

 セレシュのこと、連絡しようと思っていたのだけれど、あまりに忙しくて手紙を書く暇もなかったの。

 カレルと一緒にセレシュが戻ってきたのはお手紙を出して二日ほどしてからだったかしら。

 びっくりしたわよ、本当に。

 カレルが戻ってきたからと晩餐に降りてみれば、すっかり成長したセレシュが座ってるんだもの。

 初めて見た時は本当に誰だか分らなかったわ。

 銀髪と紫の瞳でようやく気が付いたぐらいよ。

 セレシュ、卒業試験で首席だったらしいわね。こちらでも、北の砦を訪れては、北方国境警備隊の面々と手合わせをしていたわ。

 手合わせの様子も見たけれど、すっかり男の顔をしていたわ。まだまだ子供だと思っていたのに、あっという間に育つのね……。

 カレルはセレシュの護衛騎士になれたのかしら。セレシュから、カレルを専属護衛騎士に任命すると聞いたのだけれど……。

 カレルはそちらでちゃんとやってるかしら? 迷惑をかけてない?


 そうそう、手紙と一緒に二人の卒業祝いを送ったの。

 あまりうまくない刺繍なんかうれしくないかもしれないけど……わたしが贈れるのはこのくらいしかないから。

 よかったら、フェリスから二人に渡してあげてくれる?



 収穫祭だけれど、わたしも今年はいろいろ父様のお手伝いをすることになったの。

 と言っても、記録と会計だけなんだけれど。

 当日はフェリスのエスコートのために空けておくから、来られるようになったらスケジュールを教えてね。

 仮装だけれど、特にこれといったルールはないのよ。

 獣耳としっぽをつけるのが昔ははやっていたけれど、今の流行は私も知らないの。

 少し調べてみるわね。私も準備しなくちゃ。



 変な男に付きまとわれているの?

 お酒は絶対受け取っちゃだめよ。とりわけよく知らない相手から渡されたものを口にするのは絶対だめ。

 ……って、王妃様から聞いているわよね。

 変な男対策だけれど、女性騎士を夜会でも連れて行くのはどうかしら。

 フェリスの護衛は女性騎士が担っているのでしょう?

 武器は持ち込めないでしょうけど、侍女よりはよほど頼りになると思うわよ。



 リリーは元気です。

 この間、ようやくお友達になれましたわ。


 いろいろ言いたいことがあります。でも、もう言っても仕方のないことよね。

 王太子殿下にはお礼状を送っておきました。



 ありがとう



 五月十四日


 ユーマより

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