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子爵令嬢は自由になりたい【連載版】  作者: と〜や
第六章 子爵令嬢の兄は王都に戻る

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37.書簡:子爵令嬢から第一王女へ

本日二話同時更新しています

 親愛なるフェリスへ


 お手紙ありがとう。

 ふふ、収穫祭のこと、そんなに喜んでもらえるとは思わなかったわ。

 例年なら十月に行っています。

 雪が降り始めたら帰れなくなり……なるので、その前に開くの。

 王都から父上が戻る際に街道を閉鎖する話はしたかしら?

 収穫祭の時には父上がいないのが常だったんだけど、今年は父上はこのまま自領にこもるらしいわ。

 父上のいる収穫祭は初めてよ。わたしも六年ぶりの祭りだし、楽しみにしているの。

 ぜひいらしてね。


 ふう、敬語を使わないで書こうとしたけれど、やはり難しいわね。

 ブローチの件だけれど、宝石箱に入れて大事に大事にしまっておくわ。ありがとう。


 そうそう、もうじき弟が騎士学校から戻ってきます。

 十日ほどこちらにいて、それから王都に向かうと手紙には書いてありましたから、この手紙が届く頃にはもう戻ってきているはずね。

 兄ともども王宮勤めになるとは思ってもいなかったわ。ご迷惑をかけなければいいのだけれど。

 セレシュ様ももうお戻りよね。

 もしカレルがご迷惑をおかけするようなら、わたしが鍛え直しますからとお伝え下さる?


 そういえばフェリス、授業をサボっているんですって?

 レオ様からの手紙にありましたわ。

 そんなことでは収穫祭には呼べなくてよ?


 夜会のはしごはきついわね。わたしも茶会と夜会のダブルブッキングは経験したことがあるけれど、同日に三件の夜会と茶会はさすがにないわね。

 大事なのは主催しているホスト家との顔つなぎだから、それ以外はある程度手を抜いてもかまわないと思うわよ。

 それと、独身男性にはくれぐれも注意してね。

 無理やり結婚を迫るために、年若い女性を惑わせて不埒なふるまいを働く者もいると聞きますから。

 困ったらエスコート役に頼りなさいね。

 

 四月四日


 ユーマより

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