フィアナの変化
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「──あぁん……っ!!」
湯気が白く立ち込める浴室。その中で、少女の甘美な声が響き渡る。
「だ……大丈夫…………か?」
「うん……大丈夫……。続き、お願い……」
「了解……!」
フィアナの了承が降り、俺は再び行為を再開する。
「いっ……!!? ひぁ……ぁん…………んっ……あぁんっ!!」
俺の指が『そこ』をなぞる度、フィアナは艶めいた声を上げる。それが俺の下心を誘い、更に激しく攻め立てる。
「ソ、ソウマ……んっ…………気持ちいいから……もっと……して…………ひゃん……!!」
「仰せのままに」
ご要望にお答えして更に攻めると、フィアナの身体が何度も跳ねる。
その彼女は壁のタオル掛けにしがみついて壁にもたれ掛かっているが、力尽きて床に広がるのも時間の内だろう。
「……ぁん……ふ……んんっ……! ら、らめぇ……ソウマ……それ以上は……!」
「もっとしてほしいんだろ?」
「そ、それは…………そうだけ……どっ……! やっ……も…………もう……らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
一際艶めいた声を上げると、とうとうフィアナは浴室の床に崩れ落ちた。息は既に絶え絶えになり、尚且つ荒い。両目は蕩けるように潤み、口からは唾液が垂れていて適度にエロティック。
床の上で上下する背中を見つめながら、俺はふと思った。
──どうしてこうなった。
──ただ、「翼を洗っていただけ」なのに。
数分前、一通りシャワーを浴びた俺達はフィアナの提案で身体を洗いっこすることになった。
フィアナが俺を洗うのは問題なく終わったのだが、問題があったのはフィアナを洗う時だ。垢擦りは肌が傷付くから、と言って素手で洗うのを強要された上に、胸や尻まで直触り。嬉しいけど辛かったよ!! もう、理性抑えるの必死でさ!!
そんな訳で疲れている時にフィアナが腰の辺りから立派な翼を生やして、
──翼も頼む。
とか言うんだぜ!? そんで軽く頭にきて少し乱暴に洗ったら、
──はぁ……ん……っ! そこ……気持ちいいのぉ……!
って態度変えてなんかおねだりしてくるし……。疲れるのも当たり前だなこりゃ。
おまけに翼自体がでかいからフィアナの嬌声が奏でるフルハーモニーを長時間直聴きしていなければならなかったので更に地獄。
フィアナって見掛けにはサキュバス系の悪魔に見えるから、この程度で精根果てるのはどうかと思う。そんなもんじゃ男のやつは搾りつくせ──ゲフンゲフン、存在意義がない気がするぞ。
ってかそれよりフィアナの心配を。
「だ、大丈夫か……?」
「あへぇ…………だ……だいじょうびゅ……。このていろれ……へこたえう……わたしひゃ……ないのほぉ……」
マズい、全然大丈夫じゃない。終わっても尚呂律が回らないとなると、結構重症だ(多分)。
「よいしょ……っと」
「ふぇ……ソウマ?」
フィアナを人生初のお姫様だっこで抱えると、ゆっくりと一緒に湯槽に入る。少し熱いが、昨日からの疲れを取るには充分だろうか。
溢れた湯槽の水が流れ終えると、そっとフィアナを離す。
「ふぅ……。どうだ、フィアナ?」
「はふ…………気持ちいい……。お城の大浴場もいいけど、こういうのも新鮮……」
「……なんか口調が素に戻ってるぞ」
「あー、なんかソウマに攻められて素を出し続けてたらどうでもよくなっちゃった。これからはこれでいくよ」
「あぁ、俺もそっちの方が親しみやすいから頼むわ」
「えへへ……りょーかい!」