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フィアナ暴走


 今回、後半からイケナイ描写があるので苦手な方はブラウザバック推奨します。



 ──ガチャ。

「へぇ、結構いい部屋じゃん」

 開けてビックリ玉手箱、部屋の中は建物と比べかなり設備がいい。ちゃんとランプも付いてるし、ベッドも綺麗な上に風呂とトイレも完備。それに加えこじんまりとした本棚まであり、中には武器やモンスターの専門書を含めて多種多様な本が詰まっている。

 一泊3000エルでこの設備は安すぎるっ!!

「よし、早速シャワーを浴びてくる」

「いきなり脱ぐなっ!!」

 振り向いた先で黒ショーツ一枚になっていたフィアナを突っ込みを入れながら風呂場にぶちこみ、俺はベッドに腰掛けた。

 にしてもあれだな、元の世界と違ってテレビもなんも無いから暇が潰せん……。ま、スマホが使えるだけ有難いから文句は言わないでおこう。

 そんな事を思いつつ、本棚の適当な本を手に取ってみる。

《モンスター図鑑 低級編》

 これって読んどけば後々役に立つかもな。仮に旅路でモンスターに襲われても難なく対処ができて、結果的にフィアナを守れる訳だし。

 というわけでページを適当に開いてみる。



《アルキメ》


 ・植物系モンスターの代名詞。

 ・戦闘力は高くなく木の棒で数回叩けば倒せるが、大きく育った個体は一定時間状態異常(眠り効果や麻痺効果)をもつ胞子をばら蒔いてくることがあるため注意。

 ・頭の上に生えている草は傷薬となる薬草で、倒す事で入手可能。



《マロンボー》


 ・ヴァルシュエルにおけるモンスター内の食物連鎖の最下層に位置するモンスター。

 ・栗に足が生えたような姿をしており、体当たり攻撃しかしてこない上に移動スピードも遅いため子供でも倒せるが、大群で集まると厄介。

 ・肉は栗の味がして美味だという。



 ──あの、ちょっと突っ込んでいいですか?


 どう見たってナ○ノクサとク○ボーじゃねぇかっ!!


 いや、説明抜きでイラストが。いやぁ、それはもうゲー○リと任○堂の社長がドロップキックしてくるくらい。ここまでやると這いニ○ルを思い出すよ。どうでもいいがあれは、良いものだ──!

 しかも他のモンスターを見ても、あろうことかパロったような奴等ばかり。ヒト○ゲとかゲ○ョスとかベビーパ○サーとか。少しは自重しろ。

 ──ガチャ。

 と、俺が別の図鑑を取り出そうとした時、フィアナがバスローブを纏って出てきた。

 が、少し様子がおかしい。顔の上半分には何やら黒い影が掛かり、足もゾンビのように覚束無い。両手もだらりと垂れ下がっている。

「お、おい……フィアナ?」

 ──だっ。

「へ?」

 ──がし。

「な──」

 ──ぼすん。

「──おぅふ!?」

 脳が状況を処理できないうちに背中に感じるベッドの感触。

 やがて状況を処理し終えた俺の脳が認識したのは──


 ──俺の腰に馬乗りになるフィアナ。


「…………………………ソウマ」

「な、なんだ……?」

 俺が返すと、フィアナの口が少しずつ言葉を紡いでいく。

「我…………もう、我慢できない……」

「は……?」

 ゆっくりと上がる顔を、机のランプが明るく照らす。

 その顔は────女の顔だった。

「ソウマ、今すぐ我を抱けっ!!」

「えっと……ハグの方で?」

「夜の営みの方でだ!!」

 え、もしかしてこれ、ヒロインと一発やっちゃうパターン? 深夜アニメとかでしか描かれないそういうシチュエーションな訳ですか? 夕方5時のロボットアニメでそれっぽい演出したら怒られたあのシチュエーションですか?

 だとしたら────いろいろヤバい。

 確かに俺だって女の子とベッドでキャッキャウフフなことしたいよ! でもいざってなると、その、ほら、緊張するっていうか……。

 とにかく現時点でこの展開はマズい!! もしヤって孕ませちゃったらこの旅どうなんの!? 漫画にして精々10巻とかで終わっちゃうよ!?

 しかし、当の本人は俺の脳内なんか露知らず。

「我……ソウマを見て惚れてから……ずっと合体したかった……」

「いやいやいや!! その理屈はおかしい!!」

「ずっと……●●●とか×××とか▼▼▼▼とかしたりされたかった……」

「なんだその規制の嵐!? てか、今からデート行くんだろ、なら……」

「それは明日のお楽しみ……。契りを交わした後ならもっと楽しくなるんじゃない?」

「だからその理屈は──んぐっ!?」

 俺が言葉を言い切る前に、フィアナの唇がそれを阻止した。

 しかも舌を俺の口に入れてくるおまけ付き。

「んん……んん────ぷは。はぁ、やっぱりソウマとの口付け……最高」

「へ…………はっ!?」

 口付けから解放されて初めて、俺は更なる危険に気が付いた。


 服が下着もろとも全部脱がされていた。


「おま……っ! いつの間に服を……」

「魔王の魔法をもってすれば簡単なこと……。さ、早く抱いて……?」

 マズい。フィアナの誘惑に身体がどうかなっちまいそうだ。このままでは……ヤられる。

 何とか脱出しようにも、両手と腰を固定され成す術がない。言い負かそうにも、この頭の状態では到底状況を打開できない。

 あ、オワタ。

「さぁ……私の初めて……奪って……?」

「わ、分かった、落ち着けフィアナ。素っ裸でフィアナを抱くには、まだ時間が……」

「だーめ」

「あーーーーーーーーーーーーーーっ!?」


 速報


 本日夜8時頃、俺、霧風ソウマは童貞卒業しました。



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