ワンダーフォーゲル
ワールドカップまであと少し!
楽しみだー!
「左腕は大丈夫なんですか?」
「ああ、ちょっと不便だが問題ない」
俺の左腕を見て、ジンガが心配そうに尋ねてきた。
まぁ、見た目は不自由そうだが切り傷だからな。
抜糸まで我慢すれば大丈夫だろう。
「その腕はもしかして依頼で?」
「ああ、でも達成したから支障はないよ」
「えっ?もう達成……したんですか?」
「したよ、何で?」
驚いた顔でこちらを見るジンガ。
別に変なことはしてないけど……。
「……すごいですね。確かカイトが受けた依頼ってM4レベルの依頼と聞きましたが……流石です。こんなに早く達成するとは」
「お前……俺より詳しいな」
「……負けてられませんね。因みに依頼内容は何だったんですか?」
「ギガントピテクスの退治」
「え……、ギガントピテクス!?」
ベーリング卿も言っていたが、ギガントピテクスは世界最大の猿らしい。
過去にギガントピテクスに殺されたギルド員も結構いたようなのでジンガが驚くのも無理はない。
その後も話を続けているとジンガが突然話題を変えた。
「そういえば……、【ワンダーフォーゲル】って知っていますか?」
「いや……知らない」
ワンダーフォーゲル……?
でも何か聞いたことあるような気がするな。
「……登山とかするやつか?」
「いえ、組織名ですね」
「なおさら分からない……」
「武力による王政打倒を掲げているようです」
「へぇ……」
王政打倒……。
革命組織みたいなもんか?
「実は……そのワンダーフォーゲルからこの間勧誘を受けたんですよ」
「……ほう」
「もちろん断りましたけど」
「何で?」
「王宮に入りたい者が王政打倒を掲げる組織には入れないでしょう」
なるほどな。
それにしても王政打倒かぁ……。
物騒なイメージだが、そういう組織も存在するんだな。
「近いうちにカイトのところにも来ると思いますよ」
「えっ?」
「上級武器ギルドの所属者は大抵一回は声をかけられるようですから」
「ふーん……」
ん?
ってことは……。
「じゃあ、その組織って元ギルド員ばかりなのか?」
「そういうわけではないようですが、元ギルド員もそれなりにいるそうですよ」
「……大丈夫なのか?そんな組織を野放しにしておいて」
「過去に王国軍と何度か小競り合いはあったみたいですけど、実態があまり知られていないようなので取り締まりも難しいみたいです」
「……」
そうなのか……。
ワンダーフォーゲル……まぁ、直接関わるまではどうしようもない。
そのうち来るならその時まで待ってるしかないな。
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