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審査前夜

八重の桜にはまってます。

会津の立場からの視点で幕末を見るの新鮮で面白いです。



 銃ギルド審査前夜。カイトは狩猟を午前中で切り上げ、休養をとるため自宅に篭っていた。その手には、先日本屋で購入したこの国の歴史書がある。



地動歴元年、フルミネンセ王による建国宣言。


地動歴2年、アンブレラ研究機関発足。


地動歴5年、アンブレラ研究機関のトンク博士によるトンク理論発表。


地動歴7年、アンブレラカード開発・販売開始。


地動歴12年、サーベルトンク開発着手。


地動歴20年、サーベルトンク開発成功。サーベルギルド誕生。


地動歴29年、シールドトンク・ランサートンク開発成功。ランサーギルド誕生。


地動歴33年、アーチャートンク開発成功。アーチャーギルド誕生。



 建国開始から30年ちょっとで、この国では目を見張る程の技術進歩があった。そして、その技術は現在も活かされており、先人は偉大だったとしか言いようがない。


 この後にも、ジャベリントンク、アックストンク、フレイルトンクなど多くのトンクが次々と開発されてゆく。

 カイトは黙読を続ける。



地動歴114年、5代目国王ベロニケによる東方遠征。異民族を掃討し、領土拡大に成功。


地動歴131年、ベロニケ王による西方遠征。亜人コミュニティを併合、領土拡大に成功。


地動歴137年、亜人蜂起による【ケールの乱】が起こる。翌年鎮圧。首謀者ケールが処刑される。




地動歴285年、探検家ブライアンによって【古の遺跡】が発見される。


地動歴286年、アンブレラ研究機関14代所長マイヤー、古の遺跡調査に乗り出す。


地動歴292年、古の遺跡から【古のトンク】発掘に成功。スカイウォークトンク開発着手。


地動歴294年、スカイウォークトンク開発成功。


地動歴296年、ガンナートンク開発成功。ガンナーギルド(銃ギルド)誕生。


地動歴299年、フレイムシャワートンク開発成功。フレイムシャワーギルド誕生。


地動歴307年、王国によるサーベル、ランサー、ジャベリンなどのギルド解散命令。

ガンナー、フレイムシャワーなど上級武器ギルドのみギルド継続となる。


(……なんで、この時ギルドを解散したんだろう)


 集団による蜂起を王国が恐れたからだろうか。ちなみに歴史とは勝者によって記されるものであり、その勝者に都合の悪いことは闇に葬られる。


 それに、亜人についての記述があったが、亜人は現在この国にはいないとされている。亜人蜂起の後、次々と数を減らしてゆき100年以上前から確認されていないためだ。もっとも亜人とはどんな人なのか、目にしたことがないカイトに分かるはずはない。


――その後も歴史は刻まれていき、現在の地動歴682年となる。



 カイトは歴史書を閉じ、今度はハンネルから貰った医学書を開く。建国から一度も止んだことがない雨によって引き起こされたと言われる光無症。そのメカニズムは詳しく分かっていない。


 初症例は、35代国王メーヘレンと言われている。国民への演説中に突然倒れ、数日後に崩御されたとのことだ。


 光無症の特徴として、呼吸があるのに全身の血流が止まることが挙げられる。そのため、徐々に肌色が変わったのち死に至ると言われている。また、光無症という症名は、一度かかると助かる見込みがないこと、すなわち希望の光が持てないことから命名された。


 しかし、何故かカイトが知っていた脈や瞳孔という新たな概念の登場によって、まだまだ医学には可能性があるとも言える。その中から光無症のメカニズムに迫るものも出てくるかも知れない。アンブレラカードやトンクのように、今後の技術進歩に期待することで人々は不安を隠している。


 ふと、時計を見るとすでに23時をまわっていた。机に並んだ書本を片付け、明日の審査に受かることをイメージしながらベッドに入る。



(――明日、俺の秘密が分かるだろうか)


答えはまだ、分からない。



読んでいただきありがとうございました!

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