表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/117

申請書

今年はあまり寒くないので楽ですね。

インフルさんには気をつけましょう。


 だいぶ陽が傾いてきたな……。カイトはスカイウォークでハンネルの診療所を目指す。雨粒が入らないよう目を細めながら、さっきまでの会話を思い出していた。


 キールの自宅は、ハンネルの診療所からかなり離れたところにあった。カイトの話す内容に彼女は耳を傾け、話し終わると彼女は一言こう言った。


「……そのおかげで、カイトに会えた」


 そりゃそうだ。いや、そうなのか?

ただ、キールがカイトの話を信じてくれたことは間違いない。第三者から見てもやっぱり、カイトは他の世界から来たと考える方が自然なんだろうな。それほどカイトの知識と経験はこの世界では異質らしい。


 まぁ、いずれ分かる時もくるさ。

……そう思ってないとやってられないし。


 キールは安静にした方が良さそうなので、とりあえずあとで食料を届けることを約束して一旦別れた。スカイウォークを使えばそんなに時間かからない。


 そういえば、とカイトは思い返す。キールはとっくに痛みが起こっていてもおかしくないのに、そんな素振りさえ彼女は見せなかった。もしかしたら痛みをずっと耐えて話を聞いてくれていたんだろうか。……逆に気を遣わせてしまった。


「敵わないな……」


 カイトは自然と笑っていた。

やっぱりすごい人だ。


 やがて診療所が眼下に見えてきた。

カイトは傘をカードに戻し中に入る。


「む……、もう戻ったのか」

「戻ったよ。てかハンネルさん何で申請書さっき渡したのさ」


 おかげで申請書はずぶ濡れだ。


「なんじゃい。さっきの姉ちゃんのところで書けるように渡してやったのに」

「……はぁ?」

「鈍いやつじゃの」

「……もう良いよ。新しいの頂戴」

「む、ちょっと待っとれ」


 そう言ってハンネルは奥の部屋へと消えていった。なんか疲れてきた……。暫くすると新たな申請書を手にしてハンネルが戻ってくる。


「ほれ、ここにサインと住所を書くんじゃ」

「分かった」


 カイトは申請書に必要事項を書き込む。サインと住所の他に、年齢や職業などを書くところもあった。


「む、これで全部じゃな。あとはあの論文を添付して申請すれば大丈夫じゃろ」

「結果はいつ分かるんだ?」

「そうじゃのう。早ければ一週間くらいかの」

「……遅かったら?」

「一ヶ月くらいかかるかもしれん」


 長いな……。まぁ、何にせよあとは待つだけだな。

そろそろ、キールに食料を届けに行かなければいけない。


「ありがとう、また分かったら教えて」

「うむ。そうじゃ、カイト」

「ん?」

「さっきのアイシングじゃが、あれも論文にするからもっと詳しく教えてくれ」

「……今日は悪いけどカンベンしてくれ」

「む……仕方がないのう」

「また来るよ」


 ハンネルには悪いが、アイシングについてはもっとしっかり分かっていないといけない気がした。脈や瞳孔みたいに分かりやすいことじゃないからな……。楽天家のカイトも流石に慎重になる。


 診療所をでて、ジャベリンに向かう。もう少しで暗くなってしまうな。あまり遅くにキールのところに行くわけにもいかないし、ちょっと急ぐか。カイトは歩くスピードを上げた。



お読みいただきありがとうございました。

感想ありましたらお気軽に下さいませ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング ←ランキング投票です。良かったらクリックをお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ