3対3
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リスクをとると軽く言い放ったレイナが、木の枝を飛び越え一瞬でカイトとの間合いを詰めてきた。
ガッ
「くっ……」
レイナの攻撃をカイトは左腕でなんとかガードした。重たい蹴りだな……。受けた左腕に鈍い痛みが走る。
「こっちや!」
声のした方を見ると、ちょうどグレミオが黒フードに飛びかかっているところだった。もう、割り当ても何もあったもんじゃない。
「サイード!」
「右だ!」
サイードと呼ばれた男が、黒フードにグレミオの位置を叫ぶ。と、同時にジンガに声をかけられる。
「カイト!下!」
「おっ……わ!」
「遅い!」
バシュッとサイードのスカイウォークトンクが飛び出すのとタイミングを合わせ、レイナの回し蹴りがカイトに迫る。
必死で体をのけ反らしながら、両方の攻撃をギリギリでかわし、下に向かって木から飛び降りた。
(……いってぇ)
素早く立ち上がり、カイトは状況を確認する。上に四人、下にカイトとサイードがいる。レイナと対峙しているジンガを信じ、正面のサイードに集中することにした。ヤツは今素手のはずだが、油断はできない……。
サイードが両拳を頭より上に上げて構えた。
「シッ!」
ぶんっと蹴りの風圧を頬で感じた。
……キックボクシングのようだな。
「キックボクシング……」
「ああ?」
カイトの呟きにサイードが反応する。
(……ん?キックボクシングって……?)
またあの感覚だ。
知らないのに知っている。
「格闘術を知らないのか」
サイードが訪ねてきた。
「格闘術……」
カイトは相手の言葉を反芻する。
知ってるよ。知ってるけど、たぶんやったことねえ!
「シッ!」
「シッ!」
「くっ……」
サイードがガンガン攻めてくる。カイトは攻撃をなんとか受けるので精一杯だ。とはいえ、なんとかしないと……
(ここは一旦引くか……?)
脳裏に宿る選択肢。
いや、ジンガを残すわけにはいかない。待て、その前にジンガは大丈夫なのか?
「ジンガ!」
……反応はない。
ジンガの相手はレイナだ。もうやられたということはないよな、流石に。ジンガなら時間を稼げるだろうし、審査員の気配もない。それ以上カイトに考える時間を与えずサイードが蹴りを繰り出す。
「シッ!」
うがっ。カイトは左足にサイードのローキックを受けた。このやろう、しつこいな……。
「おい」
「……なんだ?もう観念するか?」
くっくっとサイードが笑う。その表情は、はっきりとは分からない。
「んなわけないだろ。おら!」
右パンチを繰り出すが軽くかわされた。それと、同時にカイトは左手でアンブレラカードを開く。
バスッ
「うおっ」
サイードが後ろに引いた。
カードが開いた瞬間、素早くスカイウォークトンクをセットする。
「お前……、あんま調子に乗るなよ」
そう口にして、カイトは手に持ったスカイウォークトンクを見つめる。
(バカスカ蹴りやがって。今、俺の武器はこれしかないが……)
反撃開始だ!
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