スーラの森へ
TOEIC IPテストを今日受けました。
難しかったー
審査会場で、カイトは一人突っ立っていた。自分の秘密を知る前に、自分の置かれているとんでもない状況を知ってしまったせいだ。
ここにいる志望者は、上級武器である銃を希望するくらいなんだから、当然一般市民よりも情報収集力は高いはずだ。
ハンネルの論文だけでなく、いろんな種類の論文を読んでいるのだろう。
まあ、分かってしまえばあとは気にしなければいだけだ。視線は無視して周りを見渡す。
石造りの会場は大きなホールになっていて、入口とは反対側の壁沿いに壇が設けられている。結構な歴史を感じさせる建物だ。
天井にはかなり古くなったフラスコ画が描かれている。
「静粛に!」
審査員の一人が壇上に立って叫ぶ。
大きく響きわたった声が会場の空気を引き締めた。
「ただ今より!第386回ガンナーギルド審査を開始する!」
審査員の声は喉を張り裂かんばかりだ。
「まずは一次審査から行い、通過者は次の二次審査に移ってもらう!なお、体力的、精神的に限界とこちらで判断した者はその時点で審査終了とする!」
カイトも後々知ることになるが、毎年この審査では必ず何人か命を落とす者がでてくる。それだけ大変な審査であって、情けは一切ない。
「それでは、一次審査に移る!移動するので全員スカイウォークトンクを装備するように!」
いよいよ審査の幕が開く。カイトは、一次審査は狩猟だと事前に調べていた。条件はこれから説明されるのだろうが、1000人を絞る為の条件だ。決して簡単なものではないだろう。
志望者が次々と会場から飛び出していく。流れに乗って外に出ると、先に外に出た者達が列を作っていた。列の先頭になったものは審査員に目的地を告げられ、指示された場所へ飛び立っていく。
(あれ、なんかバラバラな方向に飛んでないか?何ヵ所かに分けるのか?)
そう思っているうちにカイトの順番がきた。
審査員が口を開く。
「番号を」
「611です」
受付で渡されたプレートに書いてある番号を審査員に伝える。審査員の表情は変わらない。
「D班だな、スーラの森西方の広場へ」
「分かりました」
スカイウォークトンクをアンブレラカードにセットし飛び立つ。スーラの森はここから飛行して15分くらいの場所だ。何度か狩猟で行ったことがあるから問題ない。
雨が激しい。ゴーグルを弾く水滴も心なしか大粒な気がする。地上を見下ろすと、緑が多いことがよく分かる。この国は自然が豊かだ。
(……!?)
カイトは突然の気配を感じ、振り返りながら構える。
「どうしたの?」
「……」
さっきの女だった。
なんで、そんな馴れ馴れしいかなあ。
「お前もD班なのか?」
「そうよ。よろしくね」
「……今は良いが今後は勝手に後ろにまわらないでくれ」
「へっ?なんで?」
(こいつ……。天然か?)
「いや、いい。あとお前の名前は?」
「ああ、ごめん。言ってなかったね。レイナ・クルージュよ」
「審査は初めてか?」
「ううん。二回目なの。で、今年こそって思ってたらカイトくんがいるしびっくりしたよ」
それは俺のセリフだ、と思わず口に出したくなる。まぁ、悪いやつじゃなさそうだが、他人との距離の置き方が狭いだけだろう、極端に。
スーラの森西方の広場に到着するまで、レイナの話は終わることはなかった。
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