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全て幻
大神がいなくなって何日か経った
俺の生活は日常へと戻る
周りも普通に接してくれるようになった
「朝日野先生、最近は大丈夫ですか?」
「何が?」
「今までずっと様子がおかしかったじゃないですか」
そんな時期あったっけ?
そう思い聞いてみると、
どうやら俺は誰もいない病室に何日も通っていたらしい
毎日誰かに話しかけて、毎日診察して、カルテも増えていって...
周りは病気だと思って誰も話しかけなかったのだと言っていた
きっと成仏されなかった霊だったのだ
ずっと、何もかもが恵まれなくて
「最近は大丈夫そうで良かったです。」
そう看護師の女性は微笑む。
俺を想ってくれた彼女の笑顔は輝いて見えた。