解決策
なるほど。
どうりで精神病棟に来たわけだ。
「この通り、僕には両親を殺した記憶がハッキリとある。まだ、誰とも入れ替わっていない、本物なんだ。でも、耐えれなくなったらきっと。」
正夢になる。
正夢とは少し異なる形だが。
被害者は俺、ということか。
「学校に友達とかいないのか?加害者にはまわっていない知り合いとか。証拠持ってそうな同級生とか。」
「友達はしばらくいませんでした。あ、でも、いじめられる前に友達だった子はいます。」
「なるほど。じゃあ、あといじめられた時に取られたものとか破られたものとかあったりしないか?」
「あぁ、ありますよ。なんなら必要無くなるまで、破られた教科書で授業受けてましたもん。」
それはそれで学校の先生が気づかないふりをしているな。
でもこれでいける。
勝てる。
見上げた空には桜の花びらが待っていた。
きっと俺にも大神くんにも新しい春が来る。
「そんなに聞いてどうするんですか?」
「訴えるんだ、裁判所に。君の罪を軽くしてもらう。それと同時にいじめたやつを公開させてやる。とりあえず法的処置を取ってもらうんだ。」
「...それはありがたいのですが、先生。先生は気づいていますか?」