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観察~♪ 観察~♪

 超巨大化して帰ってきたポプラ。

 俺はこの有り余る時間を有効的に活用するためにポプラを観察する事にした。

 せっかく異世界の生命体に出逢ったのだから、生態観察したくなるではないか。

 まぁ、他にやる事が一つもなかったからである。ははは。


 ポプラを観察していてわかった事はいくつかある。

 ポプラが超巨大化した原因は、餌だった。

 餌となるものを身体の表面に付着させて持ち運んでいるようなのだ。そして体内から分泌した謎の液体で餌を溶かし、それをまた体内に吸収して食事をしているという事がわかった。


 俺はミツバチの花粉団子を思い出した。

 ミツバチは餌となる花の花粉を集めては団子のように丸め、それを足首あたりに付着させて運んでいる姿を何度か見かけたことがある。その花粉団子は成虫が食べるのではなく、幼虫に食べさせるためらしいと何かのテレビで観たような気がする。違うかもだが。記憶とは曖昧なものだからな。


 液体については……よくわからんな。

 虫にそんなやついただろうか?

 うーん。

 植物になら、捕らえた虫を液体みたいので溶かし召し上がる多肉植物がいたような気もするが。


 ちょっと疑問に思ったのは、劇的なデカさに変化したのは付着した餌のせいだと理解したが、 でもなぜ声にまで変化がもたらされてしまったのだろうか。


 こればかりは異世界の生命体だし、やはり謎なんだよなぁ。

 まぁ、これから徐々にわかる事も増えていくのだろうとは思うけど。


 それに時間はたっぷりある。

 暇つぶしにもなるしちょうど良かった。

 この洞窟で一人寂しくぼっち生活を送って暇を持て余さなくて済んだのは、本当にありがたい。

 時間はやはり有効に活用しなくてはもったいないよな。


 しかしそれにしても、この視界の色なんだよ。

 何とかならねぇかなぁ。

 いくらサングラスだと自分に暗示をかけていても、こんな禍々しい色での生活にはうんざりしてきた。


 そういえば、地球の位置だか太陽の大きさだかが少しでも違っていたら、地球の植物や空は赤い色をしていたかもと聞いた事があるけど、あれは本当なのだろうか。

 あれは誰に聞いたんだっけ?

 あー。思い出せん。まぁいいや。

 ちょっと気になった程度で、俺も深くは追求しなかったんだよな。


 でも実際のポプラの色がわからないから、なんかモヤモヤするなぁ。

 あのまるふわボディーが赤色だとは思いたくない!

 どうせならば、純白とか白銀色であって欲しいと願ってしまう。虹色も悪くないな。

 いずれにしても、禍々しい赤色よりは段違いで可愛いはずだ。


 ただでさえ、ポプラがお食事なさる際が毎回ホラーなんだよ。

 体内から分泌される液体のせいなのはなんとなくわかるが、液体の滴り方がマジで血液にしか見えないんだよこれが。

 視覚が赤いから、まるで殺人現場に居合わせた気分に陥る。

 あるいは血みどろゾンビどーろどろってところかな。


 あちらさんは食欲を満たしているが、こちらは食欲を減退させられる絵面である。

 今のところ、俺はまだ食欲が湧いたことはないから問題ないが、これはさすがにお食事中の方々には見せられんな。

 あの鬼以来のモザイク映像お届けしますって感じ。


 とりあえず。

 一に観察、二に観察。

 三、四も観察で、五に観察だぃ!


 未知なる異世界の生命体、ポプラ様の観察するぜ!


 観察~♪ 観察~♪



 ………………



 …………



 ……



 異世界のまるふわボディーを観察する事に夢中になっていた俺は、忍び寄る怪しい影にまったく気づいていなかった。

 そして、それが俺たちの運命を大きく左右することになるとは、この時の俺──私たちには、知る由もなかった……。

 

 熱がまた上がってきたので次回の更新までまた少しお時間をいただくと思います。


 なぜAを患ってもBになるんだ……((ボソッ…

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