過去と向き合い
家族全員がプライベートルームに集まる。
アンジェリクも部屋に入って、隅へ。
「何故、あのメイドが居る?」
怪訝そうに、義兄は見て、メイドを
追い払おうとするが、アンジェリクは拒んだ。
「私はアニエス様を身近で見ておりました。
そして、アニエス様を1人で育てています。
この場にいる事をお赦しください」
「分かった、好きにしろ」
淡々とアンジェリクは臆することなく云う。
諦めたかのように、義兄は溜め息を吐く。
「私はこの身体の持ち主ではありません。
私は別の世界から、やってきて
この身体のなかに入りました」
「と云うことは、本来のアニエスは?」
『あの事故の時に死んだと思われます。
私は神様に新たな選択を与えてもらい
この世界に生まれ変わりました』
他の世界から来た、だなんて
荒唐無稽と思われそうだ。
義兄姉妹達と義母は訝しげな表情だ。
頭がおかしくなっていると、思われても。
「お父様は驚かないんですね?」
「私は知っていたからな。
神殿から神託があったと、神殿に
向かったときがあるだろう?」
「有りましたね」
「その時に知ってな」
国王が説明をして、義家族は納得する。
だから、あのときに国王が居たのかと
何処か、納得していた、私が居た。
「その時に、そこのメイド、いや
神の使いが、アニエス嬢に付いた」
「アンジェリクが、神の使い?」
「あぁ」
義家族は驚きを隠せないようだった。
それはそうか、常識的に考えて
神の使いなど、人の世に来ない。
まだ、話してないことがあるが
夜も遅いということで、国王が1度
解散を命じた。