変わっていく...日常
控えめ扉を叩く音が聞こえる。
眼を覚ます為に背伸びをして、扉を開ける。
「おはようございます、アニエス」
『おはよう、アンジェリク』
どうやら、起こしに来てくれたらしい。
そのまま部屋に招いて
朝の身支度をしてもらった。
『この城で暮らすことになるかも。
養女として、離れで。
承諾するしかないように
説得されてしまって、術がなかったわ』
「そしたら、あの屋敷の荷物は」
『従者に頼んで、持ってきてもらうしか。
そのときは、アンジェリクは見張りとして
一緒に行ってほしいの』
「分かりました」
身支度をしてるうちに、昨日のことを
アンジェリクに伝えていく。
身支度が終えれば、リビングの方へ。
既に皆んなが、集まっていて、挨拶を交わす。
「よく眠れましたか?」
『はい、眠れました』
妃が優しい笑みを浮かべながら、聞いてきた。
国王にも、ペコリと挨拶をしておく。
「今日は執事に城の中の案内を頼む。
アンジェリクに案内をしてくれ」
「畏まりました」
「お父様ッ、僕達も案内をしても?
兄妹になるのですから、交流をしたいんです」
「ふむ、良かろう、行って来なさい」
兄妹の方は嬉しそうに頷いて
国王の方は忙しいのか、執務に戻って行った。
そして、オリアーヌに手を引かれていく。
かなり、活発な姫らしい。