救世主の存在
アニエスが森の中を走ってるとき
冒険者達はウルフと戦闘していた。
4本足で黒い毛並み、全長は2Mぐらい。
魔物で凶暴化してあり、とても危険だ。
仲間は既に急戦を呼びに行かせて
残り、2人は剣を構えて、葛藤を試みる。
相手の方が素早く、避けるだけで
精一杯のとき、もう1匹のウルフにより
背後から喰われそうになっていた。
仲間の剣で致命傷は免れたが
鋭い爪で腕からの出血は多量。
もうダメだ、そう覚悟をした。
そのとき、一気に何者かによって
ウルフは炎に飲まれていった。
「アニエス様、あと1匹です」
「了解ッ、アンジェリクは生き残ってる
人達に治療を頼むわ」
「はい、お任せください」
スラリとした、少女と女性の姿が見える。
女性の方が俺等の方に行き、結界のような
薄い透明の壁を出現させた。
「このなかなら、安全です」
『少女は大丈夫なのか?』
「はい、アニエス様は強いですので。
一瞬の内に終えますよ」
それは正に事実のようで、光の槍を出したと
思えば、ズサッと容赦なく、心臓の部位に
1刺しで、ウルフが倒れていく。
何の躊躇いもなく、息を吐き出していた。
少女は俺等に向けば、姿が見えた。
白い髪に黒の瞳、吸い込まれそうな印象だ。
スラリと背が高く、痩せてるように見える。
「アニエス様、終えました?」
「えぇ、怪我の手当は終えたかしら?」
「治癒の結界を作りましたので」
「そう」
終えたのか、そう安心してしまったら
そのまま気を失ってしまいそうで。
『助かった、先ずは礼を言わせて欲しい』
「別に、感謝するようなことでもないわ。
貴方の仲間が切迫詰まって、知らせるから
放置するのは、罪悪感がね。
送っていくわ、歩けるかしら?」
どうやら仲間が彼女に助けを求めたらしい。
コクっと頷けば、満足気のようで。
さて、歩いて行こうと思えば
気を失ってしまった。