厄災前の静けさ
今日は温室に来ている。
ハーブの花を育てており、その水やりで。
花を愛でるのは、雄一の癒しだ。
「こんなところに居たんですね」
『リアムさん、どうしたんですか?』
「いえ、アンジェリクさんが。
休憩をして欲しいから、呼びに頼まれまして。
この花は、アニエスさんが?
どんな種類があるのか、聞いても?」
コクっと頷いて、水撒きをしながら
リアムの問いに答えていく。
『ラベンダー、ハイビスカス、レモングラス。
カモミール、シナモン、レモンバーム。
バレリアン、リンデン、ペパーミント。
ジンジャー、と色んな種類を』
「なるほど、効果はどんなので?」
『精神面を休ませるもの、鬱や、胃の改善。
自律神経を整えるものが多いですね』
「今日はレモンバウムと紅茶のクッキーだと
アンジェリクさんが言ってましたね。
心配するので、行きましょうか」
趣味の話を聞き終えると、リアムは促し
居間の方へ向かう。
アンジェリクが湯を淹れていたところで
カップに蓋をしていた。
待ってるとき、本を読もうとすれば
玄関の方から、ノックの音がする。
「誰か、居ませんかっ」
切羽詰まってるような、大声で叫ばれる。
急いで、私の方が出向けば、重装備をしつつ
大怪我をしており、急いでリアムを呼ぶ。
『リアムっ、支えながら、リビングへ。
応急処置だけ、軽くするから。
アンジェリク、怪我の分析を頼むわ』
「お任せください」
救急箱を自室から持っていき
薬草を加工して、液状や、すり潰した
湿布の効果のある、薬草瓶を持っていく。