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愛人は息子の推し  作者: 御通由人
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謙介23

 謙介は正月は1人で過ごした。

 テンカラの行事が目白押しなので、大翔は帰って来るはずがないと分かっていた。

 スーパーで買って来たおせちのセットとインスタントの雑煮を一人で食べ、酒をちびちび飲みながら、運営やメンバーやバイヤーのブログやツイッターを見て過ごした。羨ましくて仕方なかった。

 初詣イベントとかとても楽しそうで、大翔も真維との2ショットをツイッターに載せていたが、まるでデートをしているようである。


 自分と彼女との関係を知ったら、大翔は激怒し、親子の縁を切られるかもしれない。ガロとかいう過激なファンなどには殴られるかもしれない。

 真維を抱くというのはそれだけ価値のある特別なことをしているのだと理解はしている。

 しかし、数ヶ月に一度会う自分より、毎週会ってデートのようなことをして過ごしている大翔の方が心が満たされ、幸せではないかと思いさえする。

 彼女の恋人にはなるのは無理だとしても、愛、それが無理なら好意でもいい。彼女の身体より、数倍気持ちが欲しかった。

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