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血に濡れた愛  作者: 時雨 悟はち
○○の秋
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スポーツの秋

「いや〜紅葉が綺麗だねぇ」


僕らが登校していると、唐突に伊豆奈がそう呟いた。

季節は10月半ばの秋。そろそろ煮込み料理等もおいしくなってき始める時期の木には鮮やかな赤や黄色に色付いた紅葉が僕たちに秋の到来を知らせてくれた。


「秋といえば、食欲だったり、読書だったり、スポーツ勉強…うわぁ!色々やりたいなぁ!」

「せっかくの秋に勉強か。真面目で偉いね」


そう言いながらはしゃぐ伊豆奈を撫でてやる。猫のようにすりすりと頭を擦り付ける姿は言わずもがな可愛かった。


「あのさ〜。土日のどっかで、ボーリングにでも行かない?」

「いいよ。いつ行く?僕は基本的に暇だけど」

「ん〜じゃあ土曜日の午前から!」

「わかった。楽しみにしてるよ」


「私も!!」と言いワクワクする彼女の背中を追いかけ、僕らは学校に登校した。



「ボーリング久々に来た〜」

「普段友達と来たりしないの?」


体を伸ばし、そうはずんだ声で言う伊豆奈にそう聞いてみる。


「うん。友達とはいつも体は動かさないからね〜。基本的に友達とはファミレスかカフェだからね〜」


伊豆奈は体を左右に捻り「絶対勝つぞー!」といって笑っていた。その顔が妙にかっこよく見えた。



第一ラウンド


両者ともに、ストライクから始まった。

僕ら二人とも、ストライクを取り、ハイタッチを交わした。

小さく跳ねながら手を合わせる伊豆奈はどのアイドルよりも数百倍可愛かった。


「よし…こっからが勝負だ」

「頑張れ!侑斗くん!」


伊豆奈の心強い追い風を受け、のびのびと一投を投じた。

意気揚々と投じた一投はまっすぐとど真ん中をとらえた。そのまま勢いを落とさずど真ん中をそのまま貫いた。

上にあるスコアボードにはでかでかと「Strike」の文字が。


「やった!」


小さめの声で呟くように握りこぶしを握った。


「ナイス!侑斗くん!!!」


それからも、僕らがまるで似た者同士だというように取っては取り返し、取っては取り返しを繰り返した。


「ラスト一投…集中しなきゃな…」


後ろでは伊豆奈がチアリーダーの真似をして僕の応援をしてくれている。

何とも言えない安心感を感じ、僕は大きく腕を後ろに回した。


まっすぐに進むボウリング球は奥のピンを思いっきりはじいた。


しかし、運が悪かったか、一つのみ残ってしまい結局スペアと8ピンでフィニッシュした。


「くっそ~…」

「ふっふっふ~。ここで私がストライクとったら私の勝ちだよ~」


小悪魔に笑う可愛い伊豆奈を応援する。

ふと、ボールを持って動きが止まった。


「…ねぇ」

「何?」

「もしこれでストライクを取ったら…」


振り返って、さっきのような小悪魔な笑みを浮かべながら


「今日一日。私のどんな言うことも聞いてもらうね」

「…え」


伊豆奈は僕の言葉には目もくれず、最後の一投を放った。

放った一投はまっすぐど真ん中を捉え、そして弾いたピンは___



「いや~~~~~楽しかったぁ~」

「久々にやったけど、やっぱ楽しかったね」


僕らはあの後、5ゲームやって終わった。ボウリングを終えた僕らはお昼を食べるところを探しながら散歩しているところだった。


「いや~でも、結局ストライク取れなくて、7ピンしか倒せなくて負けちゃったや」

「惜しかったね。でも、伊豆奈は一体どんなことを聞いてもらうつもりだったの?」


僕が聞くと、顔を真っ赤にして口を開きかけた。


「ん?どうしたの?」

「…なんでもな~い」


さっきと同じような小悪魔な笑み。だけどその笑みの裏。恥ずかしさも含んでいるような気がした。

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