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血に濡れた愛  作者: 時雨 悟はち
文化祭
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文化祭巡り

「おまたせ。待った?」

「ううん!じゃあ、ごめんね。私侑斗くんと行くから!」

「は〜い。気をつけて行ってね〜」


大きく手を振って伊豆奈は僕の方を向いて


「楽しみだね!」


と、きらびやかともいえる笑顔でそう言った。


「うん。最初はどうする?」

「え~っとねぇ…あ、外の屋台とか行ってみたい!」

「わかった。じゃあ外に行こっか」


僕らは二人くっつきながら外の屋台に向かった。



「うわぁ!いっぱいあるねぇ~!」

「まずどこに行きたい?」

「ん~…」


外の数々の屋台を見て伊豆奈が色々と悩む。

外にある屋台は文化部や有志によって建てられたもので、遊戯屋台から焼きそばなどを売っている屋台など様々な屋台があり、僕もまたどこに行くか迷っていた。


「…じゃあ、あのストラックアウトってやつやりたい!」

「うん。いいよ。じゃあ行こっか」


僕らはストラックアウトをやりに屋台へと足を運んだ。



「では、球数は5球!一列でも揃えば景品を選べます!では、スタート!」

「見ててよ!侑斗くん!」


彼女はそういうと、一球目を投じた。

投げたボールは見事ど真ん中を貫き、5と書かれたプレートを外してみせた。


「やった!ねぇねぇ!見た見た⁉︎」

「うん。上手だね、伊豆奈」


彼女はえへへ〜と言いながら二投目も投じた。今度は見事に横のプレートを外した。

その後伊豆奈が投げたボールは全て何かしらのプレートにあたり、二つのビンゴを作ってみせた。


「おめでとうございます!見事2ビンゴを達成したお客様はこちら、野球部特製ハンドタオルをおまけでプレゼントします!熱気あふれる文化祭の汗をこちらで拭ってください。はい、そちらの彼氏にも」

「ありがとうございます!じゃあ、景品は、その仮面セットで」

「あいよ!どうぞ。ありがとうございました!」


僕らはもらったタオルと仮面を手にその屋台から離れた。


「すごいね、全球当てるなんて」

「ふっふっふ〜すごいでしょ〜。褒めて褒めて!」

「うん、すごかったよ。伊豆奈」


伊豆奈が甘えてくるから、僕は伊豆奈の頭を撫でてやった。

とても幸せそうな顔をして、頭を差し出してくる。これだから、伊豆奈は可愛い。


「次、やっぱ文化祭といえば屋台の食べ物でしょ!」

「うん。何が食べたい?」


う〜んと悩んだのち、伊豆奈は跳ねながら指を指し


「焼きそば!」


といった。期待に胸を弾ませたような笑顔はめっちゃ可愛かった。


「焼きそば2つお願いします」

「は〜い!」


手際よくすでに完成されていた焼きそばをパックに詰めると、その上にどっからか取り出した唐揚げを二つ乗せた。


「サービスですよ。生徒の皆さんに対しての待遇です!」

「ありがとうございます!!!」

「いえいえ。それに、会長はなおさら、生徒会で頑張っていらっしゃいますし。当然ですよ」


伊豆奈が照れた顔をしながらお礼をいうと、そそくさとその場を離れて行ってしまった。僕も慌てて代金を支払い、伊豆奈を追った。代金を手渡した際


「彼女思いないい彼氏さんで、会長が羨ましいです」


と言ってきた。

僕はそれに軽く会釈して


「どうも」


とだけいい、伊豆奈の元へと走っていった。



「…やっぱ、忘れてるよね」


あの素っ気のない態度。何より彼女がいる。それだけで、覚えてないのはすぐにわかった。

私の手の中には、一つのペンダント。それは、私が昔王子様から貰った大切なもの。


「……なんて、思い出された笑われるんだろうけどさ…はぁ…」

「すみません、焼きそば2」

「あ、はい!今!」


想っていても仕方がない。私にはチャンスがなかった。それだけが事実だから、それを受け入れて自分のしなければいけないことに集中して忘れることにした。

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