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血に濡れた愛  作者: 時雨 悟はち
生徒会会長選挙
32/58

事前準備

「………え〜というわけで、私からの話は以上となります」

「全員起立。これで、始業式を終了します各学年……」


およそ30分にわたって行われた始業式は、ついに終わった。ずっと地面に座っていたせいで尻が尋常じゃなく痛いが、それは仕方がないのでとりあえず気にしないことにした。


「くっそ…あの校長どんだけ喋るつもりだよ…」

「今回は、自分の飼ってる犬自慢だったね」

「始業式で自慢話とか1番いらねぇ」


そんな談笑をしながら教室に向かっていると、後ろから付いてきていた先生に注意されたので大人しく従うことにした。


「さて、わかっていると思うが明日はいきなり後期の生徒会選挙だ。八百長なんてせずに、自分が任せられる人に入れるように」


そうか、明日は伊豆奈も出るって言ってた生徒会の選挙か。

手元にあった立候補者のリストを確認する。今回も伊豆奈は生徒会長に立候補していた。

対抗は、同じ2年の男。玉砕覚悟なのか、はたまた何か策があるのか。どっちかは知れないが、とりあえず当選するように尽力をしよう。



「いよいよ明日だ〜」


始業式が終わりすぐ下校だった僕らが2人並んで帰っていると、伊豆奈が不意にそういった。


「僕は、当然伊豆奈に入れるよ」

「八百長はだめだよ?」

「僕は普段から伊豆奈を見てて、信頼できるから任せたいんだよ」


微笑んでいうと、安心したような顔をした。

とはいえ。万が一、という言葉があるように、伊豆奈のなる確率こそ高いものの、やはり不安はある。


「大丈夫。伊豆奈なら、きっとなれるよ」


きっと。そんな不確定な言い方しかできないのが悔しいが、とりあえず、そう行っておくことにした。

勝負は明日、下校を促されてから10分だ。



次の日。昨日からまた始まったばかりだというのに、早くも後期の代表を決めなくては行けなくなった。


「ああ…緊張するなぁ…」

「大丈夫。ほら、1番見えやすい位置に僕がいるから、大丈夫」

「うん、元気頂戴ね!」


当たり前。その言葉を飲み込んで、代わりにもちろんだと言っておいた。

やがて僕はクラスで体育館に集まり、伊豆奈は僕のクラスが入ってきた時にはすでに凛とした佇まいで椅子に腰をかけていた。


「やっぱ、会長はあいつだろ」

「ああ。もうオーラからちげぇ」


そう漏らすのも、仕方がないほどに、美しい佇まいだった。それでも、伊豆奈は緊張していると言っていたから。目があった時に小さく「がんばれ」の意を込めて拳を握ってみせた。伊豆奈の雰囲気が少し柔らかくなったような気がした。

と、そこにもう1人の会長立候補である男が壇上に上がり、椅子に腰をかけた。

オーラこそあったが、やはりなることはないだろうと思っていた。


「では、これより後期生徒会役員選挙の演説を行います」


そして、大波乱のスピーチが、その男をスタートとして始まってしまった。

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