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紡ぎ合う世界の救世主  作者: 綿時 緋沙
聖騎士召喚編
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第65話 朝食と報告会


 料理人たちはまだ調理できる状態になく、側仕えたちもどこまで洗浄すべきか、茶葉はどうしたものかと戸惑い、まともに動けていなかった。

 そんな中、会議を終えた皇族用の天幕に温かい朝食が運び込まれる。


「マルク。ハイリは気分が悪いと伏せているからお前も同席するといい」

「恐縮です」


 レスティオが中に入ると、ちょうど席の準備が整ったところだった。

 笑顔で挨拶すれば、一瞬緊張した空気が和らぐ。


「レスティオ様、この度は、」

「小難しい話は後にしよう。腹が減ってはろくな考えも浮かばないだろう」


 早速不祥事の謝罪をしようとするユリウスを止めて、レスティオは席についた。


「今朝の件で、料理人が朝食を準備できる状態にないと聞いたので、フランドール隊に協力してもらい、こちらの朝食を作らせて頂きました。お口に合えばいいのですが」

「なっ、レスティオ様が調理場に立たれたのですか?そんな、朝からお手を煩わせてしまうなど、重ね重ね申し訳ございません」

「いや、いい気分転換になったから気にしないでくれ」


 頂戴しますと強ばった笑顔で告げたユリウスは、探るようにスープを口に運んだ。


「、これは。食事なのですよね?」


 目を瞬かせたユリウスにレスティオは大きく頷いた。

 他の面々もスープを口に運び、同じ様に目を瞬かせた。

 生まれた時から城の料理しか食べていないユリウスとレナルドには、味があること自体が新鮮だったようで、不思議そうにじっくり味を確かめながら口に運んでいく。


「レスティオ様の作るスープは酒や茶のように味がするのですね」

「ヴィベルもとても甘味があって、美味しいですが、不思議な気分です」


 驚いているが嫌々食べ進めている様子はない。


「まぁ、パンもまるでお菓子を食べているかのよう」

「この黄色い料理は色々な味がして、実に面白い」

「どれも実に美味しいですが、これは全てレスティオ様の世界の料理なのですか?」


 一通り味を確かめるとユリウスはレスティオを振り返った。

 目の輝きようから気に入られたのだとわかり、安堵して頷く。


「ヴィベルのスープと、パンはハニーミルクトースト、黄色い料理はオムレツ、その横に添えているのはポテトサラダといいます」

「この白い塊がサラダですか。茹でた野菜をサラダと呼ぶものですが、変わっていますね」

「そういう考え方でいえば、サラダという呼称はその料理に合っていますよ」


 笑顔で言えば、揃ってポテトサラダを見つめると、食材を探る様に一口だけ口に運んで唸った。


「なんでしょう。レスティオ様の世界で言うところのポテトにあたる食材なのですよね」

「だめだ、見当がつかん。しかし、これは美味いので是非ともうちの料理人にも作らせたい」


 レナルドが正解を求めて身を乗り出す。

 ユリウスとマルクもわからないと首を横に振った。


「ポテトとは芋のことです。この世界では馬の餌にされているものですね」

「馬の餌っ!?人間が食べていいのですか!?」

「ちゃんと処理をすれば全く問題ありません。実際、食べてみて美味しいと感じたのでしたら、その感覚を信じてください」


 信じられないと言う表情でポテトサラダを食べて、改めて美味しいと口にする。

 周りの側近達は訝しげな表情をしながらもお腹を押さえて空腹に耐える様に唇を結んでいた。


「では、この黄色いものは?」

「鳥の卵ですね」


 卵と言われただけではユリウスとレナルドにはぴんとこなかったようだが、マルクとヴィアベルは顔を顰めた。


「卵にも種類があって、調理して食べられるものもあるんです」

「な、なるほど。確かに美味しいのですが、あの悍ましい形状を思い出すと、なんとも言えない気分になりますね」


 ヴィアベルはオムレツを食べ進めるのを躊躇して、ハニーミルクトーストを口に運んだ。


「ちなみに、そのハニーミルクトーストにも卵を使用しています」

「え?」

「牛乳や蜜だけではこの食感を出せないんですよ。この世界では忌避されているようですが、卵があるだけで料理の幅が広がるんです」


 栄養豊富でスープに入れても美味しいですよ、と加えるとヴィアベルは少し考えて口の中の物を飲み込んだ。


「レスティオ様。後でレシピを教えてくださいませ。どうしたら、あれがここまで美味しいものになるのか興味がありますわ」

「では、その代わりと言ってはなんですが、私の護衛騎士たちへの侮辱に対する謝罪を東部帝国軍の者達に要求してもよろしいですか?」


 笑顔で要求すると、一瞬の間の後、ヴィアベルは自分の側近を手招いて天幕の外へと向かわせた。

 昨晩、ネルヴィやユハニが完膚なきまでに叩きのめしたが、発言に対する謝罪は受けていない。

 皇族が認める聖騎士の護衛を侮辱したのだから、謝罪があって然るべきだ。


「レスティオ様、昨晩は私の監督が行き届いておらず、不愉快な思いをさせてしまって申し訳ございません」

「殿下の謝罪は必要ありませんよ。身の程も弁えず私の護衛に物言いをつけた彼らが、考え改めてくれたらそれでいいのです」

「寛大なお心に感謝致します。彼らは東部防衛に欠かせない人材ですから、必ず考え改めさせます」


 侮辱罪で生贄行きと言われては困ると苦笑したレナルドに、レスティオは、そうでしょうねと笑って答えた。






 すっかり和やかな雰囲気で食後のお茶まで終えると、テーブルには書類が並べられた。

 ディットとネルヴィを護衛に残し、他の側近たちは天幕を出て行く。


「一連の件について、ご報告させて頂きます」


 マルクは朝食で緩んだ表情を引き締めると、レスティオに報告書を差し出した。

 出発前日の毒殺未遂に関しては、犯行に使われたマリスギフトと呼ばれる毒の入手経路の一部が、帝都内の第一皇妃派が集まる住宅街であることが判明した。

 屋敷の侍女に伝手のある者が探りを入れたところ、ある屋敷のお抱え薬師が調合したものと突き止めることができた。

 偽装工作を重ねて城に持ち込まれた経路から、関与が濃厚な者を聴取したところ、頼まれるがままに毒を用意して受け渡していただけで、誰もが聖騎士を毒殺するつもりはなかったと口を揃えた。

 城に持ち込んだ時点で皇族毒殺の危険性もあったことから一部関係者は今回贄の刑に処すこととして決定し、他の者は拘留して、今後生贄とするか否か判決を下すことを想定している。


「毒を盛るように仕向けたのは城仕えとして厨房と側仕えの仲介役を担っている者で、聖女以外は認められないと主張し、自ら毒を飲んで自害しました」


 説明と共に自害した容疑者を含めた関係者リストが示される。

 関与した人数は三十人を超えており、それぞれの行いと証言内容などが列挙されているのを順番に確認していく。


「意図せず関与することになった者まで生贄というのはやりすぎな気はするな。もちろん処罰は必要だろうが」

「生贄から外しますか?彼らはまだ贄籠に入っておりませんので、今から除外することは可能です」


 視線を上げればユリウスとマルクが緊張した顔をしている様子が見えた。特にマルクは顔色が悪く見える。

 毒殺未遂の夜からレスティオが納得するだけの成果を出さなければと、気が気でない思いをしてきたことが、雰囲気から察することができた。


「誤解されているようだから言っておく。俺は、生贄が必要だからと言って、主犯格を定かにしないまま疑わしい者を考えなしに生贄にすることは、誠意に欠く行為だと考えている。今回の様に然るべき調査を行い、国の法に則り関係者を厳正に処罰することで不穏な動きを抑えるというなら、それは十分誠意として受け止める」


 マルクの視線が戸惑う様に泳ぐ。

 つまりはどういうことか理解が及んでいない様子だった。


「毒殺未遂事件における報告は了解した。関係者リストに名前が挙がった者について、贄とするのか、別の処罰を与えるのか、厳重注意で済ませるのか。それは、国の法に則り判断されるべきだ。俺は口を出さない」

「で、では、想定している通りの処罰でよろしいですか?」


 尚も確認してくるマルクを、ユリウスが手を挙げて制した。


「我が国では、罪を犯せば生贄と決まっています。しかし、全ての罪人を生贄にすることが、オリヴィエール帝国にとって最適かは、昨日のレスティオ様のお話を受けて考えを改めなければと思っております。参考までに、レスティオ様の世界における刑罰についてお聞かせ頂けますか?」


 真剣な眼差しを受けて、レスティオは頷いた。

 元いた世界における刑罰については大陸会議期間中に資料をまとめておくことを約束し、この場での毒殺未遂関係者の処分決定は見送ることとなった。


「そうだ、マルク。次の話に移る前に、二点だけ確認させてもらっていいか?」


 声をかけられて、マルクの表情が再び頼りなくなる。

 そんな無茶振りをするつもりはないんだが、と思いつつ、レスティオは咳払いしてから切り出した。


「まず一点。毒の入手経路について、よく調べたものだと思ったんだが、情報提供者がいるのか?」

「ぁ、あぁ、それでしたら、魔術師団のモルーナ・ジャスミー相談役にある筋から情報が寄せられたと聞いています」

「モルーナか。わかった、今度、個人的に話を聞くことにする」


 身構えを解かないマルクに申し訳なく思いつつ、二点目として挙げたのはルーフとリンジーの扱いについて。

 真相が明らかになった上で、今の二人の処遇がどうなっているのか確認しておきたかった。


「ルーフ・リムレスは、元々ロデリオ殿下の側仕えでしたので、そちらに処遇を委ねました。レスティオ様の側仕えとしての働きの至らなさを踏まえ、下位に降格させたと報告を受けています」


 融通の効かなさはロデリオの目にも留まってしまったので、致し方ないところもあるのだろうと思う。ひとまず、ロデリオの側仕えは続けられるのだから、そこまで考慮する必要はないかと次を促す。


「リンジー・マクネアーは、暫く療養が必要ということで、今は休ませているそうです。城仕えに戻るか、ロデリオ殿下の側仕えとなるか、選択肢を与えたとの報告を受けています」

「そうか。リンジーの選択肢に俺の屋敷の側仕えも加えてくれというのは遅いかな」

「いえ、それはリンジーも喜ぶことでしょう。しかし、お屋敷の方なのですか?」


 城内の正式な側仕えがルカリオしかいないことが気になる様子のマルクに向けてはっきりと頷いて返す。


「城の側仕えは、ヴィムに何人か推薦してもらうつもりだから、それを踏まえて、また相談させてくれ」

「かしこまりました。レスティオ様の屋敷に迎えるのはすぐですか?それでしたら、早馬を出しますが」

「戻ってからでいい。ヴィムやメノンと事前に打ち合わせしていないし、リンジーが既にどうするか決めていたら強要するつもりはない」


 護衛については後ほど相談すると言って、一旦側近の話を打ち切る。

 毒殺未遂に関わる話が終わったところで、話題は今朝の件へと移った。






 まずは、マルクが把握している範囲で事件の経緯を説明し始めた。


 昨晩の余興が終わり、就寝の準備が進められる中、灯台を管理していた城仕えの一人がダイナ隊のもとを訪れたことから始まる。

 城仕えは、お疲れの聖騎士様を労って安眠作用の強い香草を灯台に焚べると告げた。警備の際に支障がないよう、鼻と口を布で覆って注意するようにと言い、念のために眠気覚ましの薬を夜間の警備の人数分だけ置いていった。

 その時、各隊にも伝達が回っていると言われたので、ダイナ隊から他の隊へ情報を伝えることはなかった。

 やがて夜が更けていくと、甘い香りが漂い、周囲で眠っている者が目につくようになった。

 軽く揺すったが起きる気配はなく、夜の警備担当以外も眠ったまま起きなかったので仕方がなく、薬を使いながら少人数での警備を続けていた。そんな中、突如レスティオに襲われたというのがダイナ隊の証言だった。


「各隊はそのような伝達は受けておらず、不甲斐なく眠ってしまったと聞いています」

「ダイナ隊が鼻と口を覆って警備に立っていることを誰も気にかけなかったのか?」

「東部の者に聞いたところ、甘い香りがしていたから、それを嫌っているのかと思っていたとのことでした」


 ヴィアベルが、お恥ずかしいことです、と頬に手を当てながら肩をすくめた。

 東部帝国軍の警備担当は、甘い香りには気づいていたが、灯台に香草を焚べること自体は珍しくないため気にかけていなかった。

 居眠りを始めた者を見かけて注意しようとした者も結局眠ってしまい、余興に続き醜態を晒したと反省しているという。


「俺の馬車に乗り込んできた者がいたのだから、物音はしたと思うが、それについては?」

「当初のダイナ隊の警備範囲から、レスティオ様の馬車の周辺は確認できなかったようですね。警備が手薄になっていると気づいて、起きている者を展開させたとのことですが、それもあって気づけなかったのかと」

「夜とはいえ、警備や側近たちが仕事をしていたり、馬車を出入りすることは珍しくありません。ですから、警備が野営地内の物音を警戒することはありません」


 マルクの言葉にヴィアベルがすかさず付け加える。

 つまり、唯一活動していたが故に真っ先に関与が疑われた兵たちは、出来うる限り警備の任務を全うしようと努めていたということだ。

 その供述を踏まえて、ダイナ隊に関しては、今回は処罰の対象にはなり得ないだろうということで見解が一致した。レスティオは、後で謝りに行こうと心の中で申し訳なく思った。


「となると、灯台を管理していた城仕えは特定できているのか?」


 マルクに問いかけたが、ヴィアベルが挙手して回答を引き取った。


「東部の者とのことでしたので、私の方で捜索したところ、贄籠の中で見つかりました。一晩程度であれば休ませれば回復するので、今は東部の医師に預けています。贄籠の管理を任せている者たちは皆眠っていて覚えていないと語っており、鍵を一時的に奪われたのか、偽証か、引き続き調査中です」


 ヴィアベルが皇族の会議に参加していなかったのは、東部の関係者の調査と捜索に当たっていた為かと納得しつつ、皇弟妃殿下自ら行うことなのかという疑念がやはり生じる。

 これが、モルーナの言う研究熱心故の行動なのだろうかと考えている間に、マルクがディットの報告内容を説明し始めた。内容はレスティオが既に聞いている通りだった。


「コルレアン王室由来の魔法陣が使われた件についてですが、ハイリ皇妃陛下は伏せられており、事情を聞けておりません」

「伏せている?」

「なにかが起こると、気分が悪いとよく部屋に篭るんです」


 レスティオが目を細めて問えば、ユリウスは額を抑えてため息をついた。

 召喚の儀式の後や闘技場の一件の後、毒殺未遂の夜以降も暫く部屋に篭っていた。だから、今回もどうせ篭るのだろうと諦め半分で確認してみれば案の定だった。

 寝台用の馬車は、皇帝夫妻は別々、皇弟夫妻は一緒に使っており、レナルドとヴィアベルは起こされるまで一緒だったが、ユリウスはハイリの動向を把握していない。


「ハイリ皇妃陛下の側近は?」

「上位の者たちは馬車の中に入ったきりです。馬車の周りにいる者たちは、王室由来の魔法陣に関わる位ではないので知っているはずもなければ、眠っていたと答えるか、レスティオ様の水を被って起きたと答えるだけでした」


 話を聞くべき者たちは全員馬車の中に立て篭ってしまっている。それも皇妃に守られているので手出しがしにくい。


「なるほど。そこで詰んだか」

「はい。もちろん、引き続き調査を行って、レスティオ様が心穏やかに過ごせる様に努めたいとは思っております」


 意気込むマルクを、レスティオは落ち着けと宥めた。

 マルクが必死に誠意を見せようと尽くしてくれていることは既に理解した。皇族も敵意より歩み寄る姿勢を見せているので、レスティオから敵意を向けるつもりはない。


「流石に顔色の悪さが目立つ。大陸会議が本格的に始まる前にきちんと休養をとったほうがいい」

「しかし……」

「大陸会議は外交の場だろう。その顔色の悪さを見て、付け入る隙を探ってくる輩が出てくるかもしれない。召喚の儀式の影響で一時的に国が弱体化している今こそ、油断は許されないんじゃないか?」


 皇族達が揃って頷き、マルクに休むことを勧めた。

 口ぶりから今日に至るまで再三促してきたことが窺えて、それだけ負担をかけていたのだとレスティオは脅しすぎたことを反省した。


「今回の件の対応についてですが、贄籠に城仕えが入れられたように口封じに動く者が出ないとも限りません。各護衛部隊には、護衛対象や襲撃者だけではなく、城仕えや文官を含めて周囲の動向を見張る様に徹底させましょう」


 不審か否かを判断させるのは難しいだろうから、犯行の抑止と、事が起きた時に証言できる様に、警備や巡回中に見聞きしたことは出来る限り記録させることを推奨する。

 夜に警備に立つ者には眠気覚ましの薬を服用させることで、催眠対策をする。

 出発前に城仕えが贄籠に入れられたことを周知し、手段を選ばない襲撃犯が潜んでいると警戒を促せば、自然と部隊内での連携は強固になるだろうし、犯人も行動を起こしにくくなる。


「それから、ハイリ皇妃陛下周辺の者の体調については、随時側近や同行している医師に報告させるようにしてください」

「それは何故ですか?」


 手帳にペンを走らせていたマルクは怪訝そうに首を傾げた。

 レスティオは、自分の体が医術や薬で特別な処置を受けていることを大雑把に説明した。

 人並外れた能力を有する反面、子を作る行為にあたっては特別な処置を受けない限り、相手が死に至る可能性が高いことを告げる。


「そ、その処置、というのは、この世界では行えないことですか?」

「当然。俺の国でも研究中のことで、俺が後継者を作る頃には医術が進展していると期待するしかない状況だった」


 遺伝子の不適合が聖の魔術でどうとでも出来るならば万能だと思うが、負傷や病気とは次元が違うので不可能だろうと推測している。


「一応、予防策はあるんだが、今回は一方的に襲われているからな。対策無しで事に及んでいた時に実際にどうなるかは、俺も確かなことはいえない」


 だから、彼女達の体調は注視しておきたい。

 そして、今後寝台に忍び込んでくる者が現れないように、注意してもらいたい。


「承知致しました。最悪、ハイリが死に至れば、それは犯人であると疑わざるえませんね」

「その場合、既に死んでいる者を追及するつもりはありません。生きているうちに不貞を詫びてコルレアンで贄になるというなら、それも彼女達にとっては良い選択肢かもしれません」


 どうせ死ぬなら、と選択肢を提示すると、ユリウスはぎょっとした顔をしたが、やがて口元だけで笑みを浮かべた。


「そうですね。あえて、それを告げてやるのも良いかもしれません」




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