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紡ぎ合う世界の救世主  作者: 綿時 緋沙
ラビ王国編
100/256

第90話 ラビ王国入国


 ラビ王国王都サヴァンの港に到着したのは未明の事。

 安全性を確保するために人通りの無い時間を狙って入港した。

 用意されていた荷馬車に荷物を移し、両国の使節団が馬車へと乗り込むと王城へと移動を始める。


「こうしてみると、書店が多いのかな」

「学術国家だからな。王都は学術都市ユヴェルと学園都市アントレの中間に位置していることもあって、入門書から専門書まで様々な書籍が流通しているんだ」


 ラビ王国では、魔術修練学校で文字や算術の基礎学習を行う。

 学ぶことを覚えた者たちの多くは、更に学園都市アントレの学校に入学して勉学の基礎や探求心を身につける。

 また、卒業後あるいは在学中により専門的な知識を追って学術都市ユヴェルを訪れる。

 経済学や農学など実践的な見知を求める者は国内の各地に赴くことも珍しくなく、アントレやユヴェルと各地を行き来しては、己の知的好奇心を満たしている。


「そこまで教育に力を入れていると言うことは、就学支援も充実しているんじゃないか?」

「えぇ、もちろん。国民一人一人の学びこそラビ王国の国益ですから。ユヴェルやアントレで学ぶ為の学費は一切納付義務がありません」

「一切か。では、どうやって職員を雇い、国益に繋げているんだ?」

「納付義務はありませんが、投資は積極的に受け付けています」


 きちんと学んだ者を雇いたい者や研究結果を事業に取り入れようとする者が、学園都市やユヴェルで行われる研究に投資する。

 教育と研究の推進、事業の利益向上が上手く繋がり、結果国益になる。

 循環が上手く巡っているのは、王族が積極的に平民と肩を並べて学び、国政においては出自に関わらず優秀な者を採用することで国民の学習意欲の維持向上を図っていることも理由に挙げられる。


「凄いな。その基盤は、どこかの聖女が発端なのか?」

「はい。ラビ王国の建国はそもそも聖女ミナーヴァ・サヴァン・ラビによるものです。聖女亡き後、統治が一時揺らいだこともあるようですが、数千年に渡りラビ王国は学術国家としてこの世界に在り続けています」


 カンデの説明を聞いて、レスティオがラビ王国の建国史に興味を示せば、横からロデリオに止められた。

 数千年に及ぶ歴史を思えば、きちんと追うと長くなるのは当然。

 興味のあることは書籍を購入して帰れるように手配すると約束してもらって、今回の遠征中は諦める。


「ロデリオは留学中は王都の中を歩き回ったりもしたのか?」

「あぁ、休日はアルドラやカンデとよく出かけたものだ。エドウェルを連れずによく怒られた」

「俺には余計なことはしないように言っていたのに」

「ラビ王国にいる間は、あくまで留学生の一人だったからな。今回は、皇子として来ていることを自覚しているし、お前も聖騎士として気を引き締めろ」


 状況が違うのだと言われてレスティオは仕方なく飲み込む。

 隅に控えているエドウェルがセバンに絶対に目を離すなよと耳打ちしている声が聞こえてきて、実はロデリオは相当苦労を掛けたのではないかと疑った。






「この度は急な要請にも関わらず遠路お越し頂きまして、誠に有難う御座います。ラビ王国を代表し、感謝申し上げます」


 王城に到着すると、朝の鐘より前の時間にも関わらず、王族と国の要人たちが勢揃いで出迎えられた。

 レスティオは挨拶を交わすラウトとロデリオの後ろで微笑みを浮かべるだけ。

 挨拶を終えて城内に用意された部屋に案内されると、未明の移動だったこともあり、昼の鐘まで休むように勧められた。

 休んでいる間に部屋を整えるのだと理解して、レスティオは大人しく寝間着に着替えて寝台に入る。

 不要な負担はかけまいと仮眠をして過ごしていると、天蓋の外から声を掛けられた。


「御仕度の時間ですが、御目覚めですか?」

「うん。問題ない」


 ルカリオが天蓋を開けてエスコートの手を差し伸べる。

 普段はエスコートなど受けないが、ルカリオの側仕え教育の一環と聞かされているので、素直に手を取る。

 エスコートされながら寝台を降りると、そのまま浴室へ向かい、湯浴みを済ませて袖の広がっていない一般的な正装へと着替える。


「いつの間にか、随分洗練されたものだな」

「お褒めに預かり光栄です」


 はにかみながら差し出されたティーカップには、ルカリオのブレンドにラハトの香りのアレンジが加わった薬草茶が注がれている。

 側仕えたちが自分の為により良い物をと試行錯誤してくれていることが、一杯から伝わってきて温かい気分になる。


「レスティオ様、参りましょう」


 薬草茶を飲み終えて一息ついたところで、声を掛けられた。

 廊下に出ると、丁度ロデリオも部屋から出てきて、ラビ王国の城仕えの後に続いて昼食の部屋へと移動する。


「ゆっくり休めたか?」

「あぁ、襲撃の心配なく過ごせるというのはいいな」

「そうだな。警備に立っていたのは皆王族の護衛を務めている者たちだ。留学中には、ここまで手厚い警備を敷いてもらったことはないぞ」

 

 ロデリオが言えば、前を歩く城仕えが笑いをこらえたのが見えた。

 

「流石、王族の側近を把握しているんだな」

「まぁ、良く共に行動していたのがアルドラだからな。自然と顔見知りになったと言う感じだ」


 部屋に入ると、アルドラに迎えられた。

 カンデは側近の一人として後ろに下がっている。


「よく眠れたか?」

「お前の方が眠たそうだぞ」


 気の知れた仲の二人は公的な挨拶を無視して他愛ない話をしながら席に着く。

 レスティオもそれに倣い、用意された昼食を食べた。


「レスティオ様。この後、食事が終わり次第、厨房にご案内してよろしいですか?」

「えぇ、問題ありません」

「俺は遠征の打ち合わせがあるから、くれぐれも問題を起こさないようにな」


 ロデリオに釘を刺されて、レスティオは曖昧に頷いた。

 軽く睨まれたが、その様子を見たアルドラが笑いだしたので視線はそちらに移る。


「問題が起きないように気を付けるのはこちらの気がするぞ、ロデリオ。厨房の者には改めて言い聞かせておこう」


 アルドラの側近の一人が会釈して部屋を出ていく。

 聖オリヴィエール帝国の聖騎士が厨房で直接料理人たちへ料理を指導することは伝達済み。

 それも、国王の名の下に指示されていることもあり、無礼な態度よりも緊張して使い物にならない方が可能性としては高い。

 無礼な態度を取るとすれば、探求心が有り余って暴走を始めた時。

 ロデリオは、それが最も警戒すべきであり、レスティオが便乗して問題を起こさないか心配だと頭を抱えた。






 昼食後、お目付け役としてロデリオの護衛騎士のベイルート・プラハと秘書官のローマン・アッドワンがレスティオにつけられた。

 二人ともロデリオのラビ王国留学の際も同行しており、ラビ王国の探求心には耐性がある。

 ローマンはレスティオのレシピの記録係として気合十分だ。

 厨房に同行するセバンとシルヴァは、慣れない雰囲気に緊張した面持ちで続く。


「こちらが厨房になります」


 城内の案内役兼レシピの記録係として同行しているのは、クリフの補佐であり国王付きの女性秘書官であるルネ・ギード。

 溌溂とした笑顔で、新たな知識を今か今かと待ち望む姿は可愛らしく見えるが、ベイルートは彼女を一番警戒していた。

 曰く、立ち入り制限区域に忍び込むことも辞さない知識欲の塊で、知識欲を満たすための一手段として国王付きの秘書官に上り詰めた執念は警戒に値する。

 聖女召喚の儀式の成功率を挙げる方法を探し当てたのも彼女で、その功績が認められての国王付きへの登用であり、聖女召喚の儀式の中心人物でもあった。


「おい、毒の処理は?」

「いいんだよ、これはこれで!それよりエビの腸残ってるぞ、ちゃんと処理しろ」

「バターの在庫まだあるか?」

「自分で倉庫から取ってこいっ!」

 

 厨房に足を進めると、既に船の料理人が城の料理人と魚介の下処理を進めていた。

 ぐつぐつと煮込まれた魚介の香りが漂っている。

 ルネが声を掛けると、料理人たちの中から一人駆け寄ってくる。

 

「このような場所にご足労頂きまして、大変恐縮でございます。厨房長を務めております、アロージオ・ラッツァリと申します。本日はどうぞご指導のほどよろしくお願いいたします」


 前に出てきたアロージオの右手にはぬるぬると動く黒い生物らしきものが握られていた。

 

「聖オリヴィエール帝国のレスティオ・ホークマンです。ぁの、そちらは一体……」

「こちらですか?これは、イカという生き物です。聖騎士様は初めて見ますか?」

「あぁ……」


 アロージオが手を挙げると生物も蠢いた。

 その姿の不気味さにレスティオは一歩身を引きながら、表情を崩さないように笑顔を顔に張り付けた。


「それは残念です。ご存じでしたら、なにか新しい調理法をと思っていたのですが」

「お力になれず申し訳ございません。私が今日作るのは芋と卵の料理ですが、食材の準備は済んでいますか?」

 

 アロージオは空いている手で食材だけが置かれた調理台を示した。


「あちらの調理台をご使用下さい。助手にカッペル・マールソとホミッド・レドソンをお付けしますので、なにかあれば彼らにご指示ください」


 紹介された二人は、エビとカニの解体作業から離れて駆け寄ってくる。

 爛々と輝いていた瞳には、緊張と食材への不安が浮かぶ。

 レスティオは早速調理に入るべく、ジャケットを脱いだ。


「え」

「ん?」

「ぁ、いえ、……」


 ルネが顔を赤くさせ、周囲もぎょっとした顔をする中、ベイルートが咳払いした。


「部屋の中以外でジャケットを脱ぐことはありませんから、驚くのは無理もありません」


 ベイルートに視線で促されて、シルヴァがジャケットを預かり、袖を整えた。


「聖騎士様の世界では、人前でジャケットを脱ぐことも肌を見せることもあるのですね」


 ルネの熱く波打つ目元に、レスティオは初めて袖を捲ることに抵抗感を覚えた。

 しかし、これから調理をするのだと視線に気づかない振りをして食材を確認する。


「じゃあ、カッペル。ホミッド。まずは肉と野菜を刻んでもらおうか」

「肉を、刻む?普通に切るのではなく?」

「一切れ分、手本を見せよう」


 包丁とまな板を用意して、手本に肉と野菜を細かく刻んで見せると、二人とも顔をしかめてまな板の上を凝視した。

 呑み込めていない様子の二人に後を任せて、レスティオはパイ生地を作り始める。


「キッシュに肉は入っていなかったと思いますが、どのような料理を作るおつもりですか?」

「キッシュは野菜が中心だから、折角用意されていたし肉料理も作ろうと思って」


 ベイルートは近づくルネを牽制しながら、ローマンの立ち位置を確保する。

 その様子を横目に、レスティオはカッペルに刻んだ肉と野菜を炒めるよう指示を出す。

 この場では試食程度に作って、受け入れられたら料理人たちに量産してもらう。なので、一度に必要な食材は多くない。


「ホミッドは卵の割り方を覚えようか」

「は、はい……」


 青い表情で卵を手に取るホミッドに割り方を見せながら、力加減を確認する。

 初めの頃は器用なユハニでも苦戦していたのだから、すぐに出来るとは思っていない。

 殻の入ったボウルの中身を魔力結晶のザルで濾しつつ、安定して綺麗に割れるようになるまで続けさせる。

 その間に、レスティオは作ったパイ生地にカッペルが炒めた肉と野菜を盛り付け、さらにキッシュの準備も進めた。


「カッペル。竈を温めておいてもらえるか?」

「はいっ!」


 ホミッドが半泣きで卵を割れるようになったところで、大量の卵を前にレスティオは他になにを作ろうか考える。


「ベイルート。デザートと食事とどちらがいいかな」

「そうですね。聖騎士様の料理のメニューにデザートがないので、デザートがよろしいのではないでしょうか。エレオノール様はメレンゲクッキーが気に入られたようだと、クラディナ様も仰っておられましたよ」


 それならばと、レスティオは卵黄と卵白、混ざってしまった全卵の3つのボウルに分けて、卵白をセバンに渡した。

 屋敷でメノンの手伝いをしていたセバンは心得た様子で魔力結晶の泡だて器を即座に作り出して卵白を混ぜ始めた。

 手の空いたカッペルに果物を刻んでもらい、ホミッドには全卵をしっかりと混ぜ合わせてもらう。

 レスティオは卵黄を混ぜながら、それぞれのボウルに材料を追加していった。


「カッペル、果物を切り終えたら、鉄板にバターを熱して貰えるか?」

「はい。すぐに準備します」

「メレンゲクッキーを作るんじゃないんですか?」

「それはそれ、これはこれ。竈にはキッシュとミートパイが入ってるから焼き上がりも待たないといけないし」


 セバンの疑問に答えつつ、レスティオはカスタードクリームを完成させて、ホミッドからボウルを受け取る。

 セバンからメレンゲを半分分けてもらい、メレンゲとホミッドに混ぜさせていた生地をふわりと合わせて、溶けたバターの上に落とす。

 両面を焼き上げていくと甘い香りが漂い始める。


「いつも作るパンケーキともちょっと違いますね」

「あぁ、今日は特別ふんわりさせてみようと思って。その分、作って数分の間が食べ頃という贅沢な代物になってしまうんだけれども」

「作って数分だと毒見の暇がありませんね。そこは課題に思います」


 焼き上がったパンケーキにカスタードクリームや果物、ジャム、蜜をトッピングして完成させる。

 まずは一口レスティオが自身で試食し、セバンにも食べさせる。


「あぁ、ふわふわで美味しいですね。メレンゲを使ってもクッキーにした時とは全然違うんですね」

「溶ける感じは近いだろう?」

「はい」

「しばらくするとふわふわした生地が萎んでいくから、その前に食べたい」


 雑に切り分けて、他の者たちにも試食させる。


「こんな美味しいお菓子初めて食べましたっ!この卵で作っていた黄色いものも美味しいです」

「カスタードクリームな。卵もいいものだろう?」

「あぁ、美味い!美味いです!俺、感動しました。あのゲテ物がこんなに美味しくなるなんて」


 ひたすら卵を割り続けていたホミッドは涙目でパンケーキを味わっていた。

 可哀そうなことをしてしまった気がして、レスティオは焼き上がったミートパイとキッシュも試食用に切り分けた。

 一口食べて問題ないことを確認した後は、試食を任せ、メレンゲクッキーの生地を仕上げ竈へと入れる。


「味の確認が出来たら、アロージオ厨房長にも確認してもらおう。カッペル、ホミッド。パンケーキ焼いてみるか?」

「「はいっ!」」


 二人は意気込んで余っている生地でパンケーキを作り上げ、アロージオに声を掛けた。


「セバンは、こういう料理を食べ慣れているのか?」

「まぁ、屋敷の料理は基本レスティオ様のレシピだからな」


 レスティオはメレンゲクッキーの焼き上がりを待ちながら、聞こえてくるベイルートとセバンの会話に耳を澄ませた。

 

「そうか。私は味があるというだけで、まだ慣れない。この中に毒が潜んでいたらどう判断すべきなのか、判断に迷う」

「舌がしびれるとか、食べられないくらい酸っぱいとか辛いとか感じたら止めればいいってレスティオ様は言ってた。まぁ、レスティオ様の護衛だけの話かもしれないけれど」

「味の感じ方ひとつ、となると難しそうだな」

「そうだな。ロゼアンは甘い物を結構食べるんだけど、俺はそこまで食べられないし、好みが出て来ると特に難しいだろうな」


 卵や芋に苦手意識があるベイルートには特に悩ましいだろうなとレスティオは頷く。

 その会話に、ローマンとルネも思案するように唸った。

 

「そうか、料理に味があると単純に味の有無で毒見が出来ないからな」

「確かに課題ですね。しかし、毒見に関する研究は、それはそれで面白そうですね」

「下手したら死ぬぞ」

「命懸けの実験だなんて心惹かれません?」


 ベイルートとローマンがはっきりと「惹かれない」と言い返す。

 ルネは確かに警戒対象なのかもしれないと会話を聞きながら納得した。


「おぉ、これは美味いっ!おい、担当長も来い!」


 不意に大きな声が聞こえて振り返ると、アロージオが一品ずつ丁寧に試食していた。

 呼ばれた各料理の担当長が調理台に集まり、試食に手を伸ばした。

 レスティオは焼き上がったメレンゲクッキーを皿に移して、粗熱を風を使いながら冷ましていく。

 

「なんだこれは。こんな複雑な味の料理、食べたことがない」

「口の中に残る後味が、酒席の料理と比べて上品で心地いい」

「初めて食べる料理だが、いくらでも食べられる気がするな。芋や卵はどこに使われているんだ?」


 カッペルとホミッドが調理過程を説明している間にも試食用の料理は消えていく。

 レスティオは出来立てのメレンゲクッキーをセバンに食べさせて側近たちに配った。


「おぉっ!溶けたっ!さっきのパンケーキ以上に溶けましたよ、これ」


 ルネが満面の笑みを浮かべて飛び跳ねる。

 

「アロージオ。これで、料理は最後だ」

「頂戴します」


 待ちきれない様子で次々とメレンゲクッキーに手が伸びてあっという間に作った分が無くなった。


「さて、私の料理はいかがかな?」

「是非、歓迎の宴に出させてくださいっ!総力を挙げて、聖騎士様のレシピを再現して見せましょうっ!」


 歓迎の宴まで練習する時間はあまり残っていない。

 それでも、料理人たちの目は輝いていた。


「では、パンケーキを出すなら、焼き上がった後はしぼんでしまうまでが食べ頃になる。給仕までの時間を計測して、よりよい状態でお出しできるように心がけてくれ。卵の扱いは、基本的にはホミッドに任せて、余裕があるなら各自綺麗に割れるように練習するように。お出しする料理には、決して、卵の殻を料理に入れないように注意してくれ」


 役目を終えたので、最後にアドバイスだけして去ろうと決める。

 しかし、そこでルネが大きく挙手した。


「卵の殻を入れないようにするにはどうしたらよいのでしょう!」

「平面に卵を打ち付けることかな。殻が入ってしまったら取るか、濾して使うこと。ちなみに、殻は畑の肥料に使えるから、細かく砕いて撒いて使ってもらうといいよ」

「畏まりました。ラビ王国の宮廷料理人の名に懸けて、決して殻が入らないように厳戒態勢で臨みましょう」


 そこまでの心構えは要らない。

 レスティオは言おうと思ったが、やる気になっている料理人たちを見て言葉を飲み込んだ。

 

 

 


 

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