出会い 其の二
遅れてすみません。。。回線もなんとか繋げたので、投稿頻度を上げていきたいと思っています。。。
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3部分目の登場人物
エドワード・エルガー
(コンビニで働いている私立探偵)
ジョン・コネリー
(エドワードの唯一の親友)
ケイティ・ストーン
(エドワードとSNSを通じて出会った女性)
エドワード・エルガーがコンビニエンスストアのバイトが終わって帰ろうとしたとき、スマートフォンの通知音が鳴った。
彼はポケットからスマートフォンを手に取って確認したとき、不思議な微笑みの表情を見せた。
スマートフォンで時間を確認し「17:12」だと理解したエドワードは、素早く誰かに電話をかけ「すぐ戻る」と一言だけですぐに電話を切った。
アパートに着いたエドワードは「ジョン!留守番ありがとう!」という言葉をかけて、101と書かれたドアを12回ノックした。
数秒経ってもなかなか出てこないことを疑問に思い、ドアに耳をつけて音を聴こうとした瞬間にドアが開いた。
ジョン・コネリーというエドワードの友達はメガネをかけていて、もじゃもじゃのヒゲで、太っている、まさに典型的なオタクのような見た目をしていた。
エドワード・エルガーの住んでいる部屋はとても散らかっていて、床にはコミックブックやエナジードリンク、クリアできずに投げ捨てたゲームカセットなどがあった。
ジョン・コネリーは吐くしぐさでエドワードをバカにして言った
「これでもかなり片づけたほうだが、エナジードリンクの甘い匂いが充満している。俺はこのニオイが好きだが、他の人を連れてくるとなったらどうするんだ」
「んなバカな。お前以外に友人がいないこの俺が、他の人をこの部屋に連れてくると思うか」
「バカはそっちだよ」ジョン・コネリーはそういうと、エドワードのパソコンの画面を開いて、検索履歴を本人に見せた。
その検索履歴は、出会い系サイト、出会い系アプリ、モテる男を特徴などの検索履歴があった。
「アダルトサイトの履歴がないのは珍しいが、こんなに出会いを求めているのも珍しいと思った。エド、本気で運命の人を見つけるなら、しっかりとした仕事を見つけて、しっかりと整理整頓をしろ」
「ただ僕は暇つぶしでやってただけだ。それと、勝手にパソコンを開かないでくれよ。パスワードをかけていたはず・・・」
「EDWARDというワードがパスワードだと?こんなんじゃパスワードなんて呼べなくないか?」
エドワード・エルガーはオドオドしていたが、スマートフォンで現在の時刻を確認して「すまない、今日の夜は会うんだ。女性と」と、ジョンに伝えた。
ジョンが「コンビニはどうするんだ?ていうかそんなダサいオタクの服装で行くなよ」というと彼は「今日は休みだ。それと、こんな格好でも受け入れてくれる女性こそ運命の人だ」と言ってアパートから出た。
ジョン・コネリーは「全く」とつぶやいて、エドワードのパソコンを開き、再び彼の検索履歴を黙読していた。
検索履歴を黙読していると、ところどころ「出会い系 危険」「出会い系 危ない」「出会い系 事件」「出会い系 殺人」などと、段々とエドワードがいかに気を付けているかわかってきた。
特に彼は「出会い系 最近の事件」というワードでさまざまな事件を調べていたのを知ったジョン・コネリーは、自身も調べてみることにした。
エドワード・エルガーの見たニュースサイトを追っていてわかったのが、「男性の行方不明、殺人事件のニュース」ばかりを調べていることだった。
だいたいは女性と偽って暴力、殺人事件を起こしたものばかりで、一部では、ゲイによる強姦事件などもあった。
しかし、そのようなことすらわからない事件も数多く存在していた。
さまざまな事件を閲覧していたジョン・コネリーは飽きてきたのか、パソコンをシャットダウンして再び部屋の掃除を始めた。
19:30ごろ、ファミリーレストランで待ち合わせしていたエドワード・エルガーは、出会い系アプリを通じて会うことになった女性のことを待っていた。
その女性はシャロン・ストーンという名で、プロフィール写真はロングのブロンドヘアーで、青い瞳をした女性だった。
ちなみにエドワード・エルガーのプロフィール写真は、部屋の壁で適当に撮った写真だ。
「あなたがエドワードね!」と声をかけた女性のほうを振り返ると、そこには写真と全く違う女がいた。
田舎育ちのような服で、茶色の瞳をした女性だったが、写真よりも美しく、エドワードは驚いた。
「君がシャロンだね。そんなに美しいのに何故違う写真を使うんだい」
「だって恥ずかしいし、知り合いに出会い系を使っていることを知られたくないもの。シャロン・ストーンは偽名よ。本名はケイティ・ストーン」
二人は握手を交わし、テーブル席でエドワードはチキンステーキ、シャロンという偽名と偽物の写真を使ったケイティはナポリタンを注文した。
エドワードはどのように会話を弾ませればいいかわからず、ケイティに「ちょっとトイレに行ってくる」と言ってトイレへと向かった。
彼女はうなづいていたが、「わかった」という一言もなくただうなづいていたことにエドワードは心配という名の疑問を思い浮かべ、トイレの中でジョン・コネリーにメッセージを送った。
『ジョンよ、あの女はなんだか怪しい。』
エドワードの住んでいるアパートで、彼のパソコンでいろいろ調べていたジョン・コネリーは秒で返信した。
『パソコンのほうで連絡を取り合ってみたいだから覗いているけど、この女は確かに怪しい。ワシントンに住んでいるのに、何故わざわざこんな田舎町で出会いを探しているのか疑問だ。』
『それも嘘じゃないのか?あの女は田舎育ちみたいな服装だ。ワシントンの女だとは思えない。』
『いいかエドワード。いくら自称探偵だとしても女の心はわかりにくい。とりあえず怪しまずに接してみろ』
しばらくして、エドワードがテーブル席に戻ったときには注文した料理がきていたが、ケイティは気を使って一口も食べていないだけではなく、水すら一口も飲んでいなかった。
エドワードが「遅れてごめん」と言って注文したチキンステーキをナイフとフォークで不器用に切ったとき、ケイティが表情を変えて話した。
「エドワード。プロフィールに書いてある通り、あなたは探偵なの?」
「まぁ趣味でだけどね。別にお金持ちではないよ」
「お金を持っているだとか持ってないとかは関係ないの。ただたんに私がここまで来たのには理由があって・・・」
「その理由って?」
ケイティ・ストーンは一瞬黙り込み、水を飲んだあとに口を開いた。
「この町で話題になっている“影男”の正体について調べてほしいの」
影男という話題が出たとき、エドワード・エルガーの自称探偵の癖が出てきた。
ケイティはエドワードのその真剣な表情を見て不安になっていたが、何という答えが返ってくるのかという期待もあった。
「君はワシントン住みじゃないな。影男という話題が盛り上がっているのは、そいつに怯えている悪い奴らだけだ。そうか、君も悪い奴だったんだな」
「さすが探偵さんね。悪い奴らの間でしか話題になっていないその影男を既に知っている。SNSですら一切話題になっていないことを知っているなんて」
エドワードは気味が悪くなり、「すまないがもう帰る」と身勝手なことを言ってテーブルに払うのに十分な金を置いて帰ってしまった。
22時ごろ、エドワード・エルガーが帰ってきたときジョン・コネリーはいまだにパソコンで調べものをしていた。
「エドワードうそだろ。プロフィールに『趣味で探偵もやってます』なんか書いたのかバカ」
「コンビニだけじゃ女が寄り付かない。俺は嘘をつきたくないんだ。それと、あの女に影男のことについて聞かれたから急いで帰って来たよ」
ジョン・コネリーは青ざめて彼に質問をした。
「影男のことを知っているだなんて、あの女何者だよ・・・」
「もういい。とりあえず今日は帰ってもらっても構わない」