西の街を目指せ ①
3人は馬に跨り、草原を西に向かって走り続ける。
「ねお兄ちゃん、西の街まではどうやって行くのさ?」
「うーん、正直方角しかよくわからないんだよね。これまでも何度か近くまで来たことはあったけど…」
「そうだよね、街との交易は交易担当のファミリーでやるし…」
エースファミリーであるリューシャは街のことに関してはあまり詳しくなかった。
他のファミリーが交易している間は、街から離れたところで家畜の世話をしていた。
「とにかく大体の方向で検討をつけて、手がかりを探すしかないな。町の近くまで行けば周辺には誰かいるかもしれないし。」
「オッケー、ノープランね!」
「うるせい!」
「まぁまぁ、二人とも。街に着きさえすれば、うちの父と母がきっと色々案内してくれるはず!それまで頑張ろう!」
あぁ、サミは人間が出来ているなあ。リューシャはそんなことを考えながら、馬をさらに走らせる。
西の街まで、出発地点から直線距離で行けば、一週間ほどでつけるかなという目論見ではあった。しかし、実際どのぐらいかかるかリューシャたちには全く未知であった。
季節は初冬であり、本格的な冬が訪れるまでには街にたどり着かなければ、草原の冬の寒さは厳しい。
3人は記憶をたよりに、方角を確認しながら進んでいく。
マルカリスは本格的な戦闘の経験がないため、リューシャが父から習ったように、戦闘の基礎を教えることも必要だった。
幸い、これまでのところ強い魔獣は現れず、3人の力でなんとか対応できた。
リューシャは父との訓練や、大森林捜索の過程で父の戦いぶりを見て、戦いのやり方を学んでいた。
その経験が今活きていると感じる。
正直なところ、マルカリスの魔法はかなり有効でり、頼りになるものだった。
リューシャは父のように後方から全体を見回して戦局を作り、支援魔法放つというよりも、サミと肩を並べて剣で相手に攻撃を仕掛ける方が性に合っている。
後ろをマルカリスに預け、魔力を2人に供給しながら、自分も剣で戦うそのスタイルがだんだんと定着していった。
旅立ちから4日目、初めて大型の魔獣に出くわした。
草原を走っていると、突如藪から巨大な大蛇が姿を現す。
大蛇の魔獣は、人を丸呑みに出来るほどに大きく顎を開き、攻撃をしかけてきた。
「おぉ〜、これはでかい!蛇の肉って結構おいしいんだよね。これで干物にしたらだいぶ持つんじゃない?」
マルカリスは、いつものように緊張感がない。
「マルカ、気を抜くなよ。これまでの弱い魔獣とは違う。」
「なんかお兄ちゃん、どんどんお父さんみたいになってきてない?」
「今は俺がリーダーなんだから当たり前だろ!お前の命にも責任を持ってるんだ。ファミリーのみんなを守ってかなきゃ行けないんだからな。」
マルカリスに構っている間に、魔獣が距離を詰めてきた。
「サミ!いつもどおり、敵の攻撃を二人で引きつけよう!」
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