表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/80

旅立ち ①

リューシャは、サミとアイシャとともにルジャの大森林を抜けた。

ここまで追ってきていないということは、父が魔獣を倒したか、魔獣がこちらへの関心を失ったかということだろう。


リューシャたちは、ひとまず安堵とともに息を落ち着ける。

一目散に逃げてきたため、3人とも息が上がっている。


「もう大丈夫かな。」

サミが聞く。

「分からない。早く、他のファミリー達にも伝えに行こう。」

リューシャの提案に、アイシャも同意する。

「そうですね、もしかしたら救出隊を編成してくれるかもしれません。怪我で動けなくなっているということもあり得ますし。」


3人は休憩もそこそこに、捜索隊の野営地に急行する。

野営地には、すでに多くのファミリーが集まっており、帰還の準備をしていた。

リューシャたちは、すぐに捜索隊の責任者を探しだし、事情を伝える。


「お願いです!救出隊を出して下さい!」

リューシャらは懇願する。

「いや、そんな危険な魔獣ならなおさら、もし生きていたら捜索隊まで全滅しかねないじゃないか。」


彼の言うことも一理あった。

彼は捜索隊全体の責任者であり、特定のファミリーに肩入れして被害を広げては責任問題である。


「こうなったらキャムの報告を待つしかないね。」

リューシャはそう呟き、大森林の方角の空に目をやる。

ちょうどその時、視線の先にこちらに向かって羽ばたくオウムの姿があった。

キャムである。

キャムはサミを見つけると、高度を下げそのままサミの腕にとまる。


キャムは両脚に1本ずつ、枝を掴んでいた。

「サミ、これはどういう意味だろう。キャムが間違えたのか?」

敵を倒したら1本だけ枝を持って帰る、そういう合図だったはずだ。

父は勝ったのだ、それを間違えて二本持ってきてしまったに互いない。

リューシャは気持ちが昂る。


「ううん、多分違うと思う。キャムは合図はきちんと守るから。…これは、相討ちのサイン。」

「そ、そんな…」

リューシャの気持ちの昂りは、一瞬にして消え失せる。

まさか、そんな…


相討ちの報告が入ったことで、責任者は救出隊の編成を許可してくれた。

もしかしたら、まだ息がある人がいるかもしれないからだ。


リューシャ、サミ、アイシャも、救出隊に加わることになった。

どうか、生きていて。3人は祈るような気持ちで、大森林の中救出隊を先導する。


やがて、一行はあの魔獣の出た崖にたどり着く。

「ひゃっ!」

サミが叫び、口を覆う。

リューシャは、あまりの惨劇に言葉を失った。


どうして…

リューシャの目からは、止めどなく涙が溢れ出る。

父も、デフネさんも、エブラさんも、ネヒルさんも、アズラさんも、皆リューシャ、サミ、アイシャを生かすため、その命を失った。

5人の命に値するほど、自分たちの命に価値はあるのだろうか。

父は最後に、リューシャに対して家族を託した。

その言葉の意味を、重みを、今は受け止めきれない。


今のリューシャは、弱く、脆く、幼過ぎたのだ。

今はただ、父親の死を嘆く子供でしかない。

今回も読んで下さりありがとうございます!


皆さんの応援が執筆の励みになりますので、少しでもいいな、続きが気になると思った方は是非ブックマーク、高評価お願いいたしますm(__)m


次話もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ