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〜TUES DAY〜  作者: †姫kan†
8/19

大人の恋愛小説です。

けしてエロくないです。


「俺、実は彼女ができたんだ…

だからもう会わないし、電話もしない。

さようなら」



突然の悠からの告白…

私は頭が真っ白になった。


言葉も出なくて、

ただただ涙だけが出てきた。


そんなの嫌だよ。


やっと出来た恋なのに。

好きな人なのに。

何も始まらないまま、終わってしまうの?


悠、お願い、待って。

そぉ言いたいのに声が出ない。


悠は一方的に話をして

背中を向け、そのまま立ち去っていく。

私はその場にしゃがみこんで

泣くことしか出来ない。


こんな、さよなら嫌だよ……


悠の姿が見えなくなっても

立ち上がることができなくて

ずっと泣き続けた。





!!!!!



勢いよく目を覚ます。


顔を触ると涙で濡れていた。

………私、泣いてる。


今の夢……だったんだ。

よかった……

よかった……


本当によかった。


時計を見ると、まだ朝方の4時過ぎ。


寝る前に、あんなこと考えたから

夢で見ちゃったんだ。


もう少し寝よう。


夢で良かったと安心して

再び眠りについた。



携帯のアラームで目を覚ます。

時刻は10時。


カーテンを開けて

天気を確認した。


うわぁー、いい天気!

いい日になりそう!


ぽかぽかと暖かい春の日差しが

私の気持ちを高揚させる。


わくわくした気持ちから一変

ふと、昨日の夢を思い出してしまって

最悪な気分になる。


正夢になんて…ならないよね?

どうしよう…本当に嫌だ。


寝ながら号泣なんて初めてだよ。

少し目が腫れてるかな?

大丈夫だよね…!?


部屋を出て1階に降りると

誰も居なかった。


ママは買い物にでも出かけたのかな?

パパとお兄ちゃんが居ないのは

仕事だから、いつもの事だけど。

ママがこの時間に居ないのは珍しい。



少し早いきもするけど

簡単にパンとカップスープを用意して

ブランチをとり、悠にLINEをした。


いつもなら、直ぐに返事が来るのに

返事がないから、まだ寝てるんだろうな。


男の人はいいよね!!


あんまり支度に時間かからないし。

う~ん、ずるい…。


ゆっくり食後のコーヒーを飲み終えて

出かける支度を始めた。


いつも通り、着替えを持ってお風呂へ。

ルンルン気分でお風呂を上がり、

髪の毛を乾かした。


化粧をして髪の毛をセットする。


春になったから、

ナチュナルに薄めのメイク。


髪型は、ストレートにしよう。


これで、

化粧OK!!髪の毛OK!!


後は服装だけ…。


今日はどうしようかな。

スカートは決まってるけど

このスカートに合わせてトップスを選んで

クリーム色のトレンチコートをはおる事にした。


バックはこの前買った春物。


いつもみたいに、全身鏡でチェック。


大丈夫だよね?


お茶を飲みながら一息つく。

まだ時間あるな~。


悠が迎えに来る時間まで後1時間。


雑誌を読んだり、

美有と少しLINEしたりして

時間を潰してた。


♪~♪~♪


着信 ~悠~



「もしもし」


「あ、真由?もぉ支度できてたりしない?

少し早いけど…」


「もう出来てるよ!どうしたの?」


「本当!?ちょっと早く家出すぎちゃって…

もう着いちゃってんだよね。真由ん家」



30分早く悠が迎えに来た。

支度、できててよかった。



「あははっ。出来てるから、今出るね!」



悠が来てるため、急いで家を出た。


玄関を出ると少し離れた場所に

悠の白い車が止まっていた。


悠が私に気付いて車の中から手招きをする。


当たり前のように助手席のドアを開けて乗り込む私。

いつの間にか悠の車の助手席に乗るのも

当たり前になって、緊張しなくなってた。


ガチャ



「お待たせっ」


「いやいや、俺の方が

早く着いちゃってごめんだよ」


「全然!私も早く支度出来て暇してたし。

そぉいえば今日はどこ行くの?」


「行きたい所あるんだけど、今は内緒」



そぉ言って悠は車を発進させた。


行きたい所!?

どこだろう…

内緒って、なんか楽し……み……。


………………。


いつものように

右腕を窓にかけて

左手でハンドルを操作する悠。


突然、見たらいけないもの

見たくないものが視線に飛び込んできて……。


思考回路がショート寸前。


悠…


悠の左手の薬指に……指輪が……。


今までつけてなかったよね……?

なんで……??


いきなりなんで……?


昨日の夢は……

やっぱり正夢だったの……?


今日という日を

ずっと、ずっと楽しみにしてたのに。

どうして今日なの?


悠はいつもと同じように

優しく笑いながら私に話しかけるけど。


指輪に気付いた私は話の内容なんて入ってこない。


何で優しく笑いかけるの?

彼女、できたんじゃないの?


うつむいて、話をろくに聞けない私。

私の異変に気づいた悠は、



「どうしたの?」



って何回も聞いてきたけど、

私はなんでもないよって、

その場は頑張って笑顔を作った。


車が止まり目的地に着いたことを悟る。


着いた場所は……


桜が満開に咲き乱れる大きな公園。

地元では有名なお花見スポット。


平日なのに、意外と人がいる。


うわぁ……綺麗……。

桜が舞い散る光景が、あまりにも綺麗で

指輪の事が一瞬で消え去った。



「綺麗~!悠、桜を見せに来てくれたの?」



単純な私は車の中とは別人の様に

はしゃいで悠に話しかける。


大好きな悠と見に来た桜。


大好きな悠が

連れて来てくれた場所。


嬉しくて、嬉しくて仕方がなかった。



「本当に綺麗だな。

俺、桜好きでさぁ、まだ今年は

見に来てなかったから、真由と来たくて…」



悠、桜好きなんだね。

私も好きだよ、桜。


でも何で!?

確に嬉しいけど。


悠…彼女できたなら彼女と来るべきだよ…。


最後の優しさとかなら、いらない……。

私が気が付いてないとか思ってるの?


泣きそうになる自分を必死に抑えた。



「悠と見に来れて嬉しい。ありがとう。」



精一杯の強がり。

だけど……

悠はとても満足そうな顔をして、



「そんなに喜んでもらえて、

俺もすげぇ嬉しいよ!!

そこのベンチにでも座らない?」



そぉ言って、お花見をしている広場を抜け

人通りの少ない遊歩道にあるベンチに

悠の誘導で腰掛けた。


しばらくたわいもない会話をしていた。


二人の目の前には綺麗な桜。

隣には大好きな悠。


凄く完璧なシチュエーションなのに、

悠の左手の薬指には指輪がはまってる。



彼女ができた。

だからもう会わないし、電話もしない。



昨日の夢がフラッシュバックして、

そう、いつ言われるのかと

ずっとドキドキしていた。


ねぇ…悠………

嘘でもいいから、そんな事言わないで。

お願いだから………


そんな思いは届かず、

唐突に悠は真剣な眼差しをこちらに向け

口を開く。



「なぁ、真由……」



…ついに、この時が来ちゃった。

聞きたくない言葉を聞かなくちゃいけない。

この場から逃げたい。

聞きたくない。


やっとできた恋。


人を好きになるのが、どんな事なのか、

教えてくれたのは悠だった。


なのにもう、私の片想いは…

終わってしまうの?


恋って素敵だけど、

叶わないとわかると

こんなにも苦しいものなんだね。


せっかくこんなに、仲良くなれたのに……


嫌だよ、こんなの。

辛すぎて、耐えられる自信ないよ。


私は悠の方をずっと見られずにいた。


聞きたくない。

聞きたくないよ…。


ただ下だけを見て、悠の話を聞く。



「あ、あのさ…」



悠も言いにくいのかな?

なかなか話さない。


もうわかってるよ。

わかってるから、それ以上言わないで。


そう思うと同時に目から涙が溢れた。



「え!?真由?どうした?」



突然の事にビックリした様子の悠。


首を横に振る事しかできない。

必死に涙をこらえても、

1度溢れ出した涙は止まらない。


私が顔をあげて悠を見ると。



ギュッ。。



悠が私を抱き締めてきた。


どうしてこんな事するの……?

優しくしないで…。

最後だからなの?


けど、最後なら優しくされた方が

辛いよ……。



「泣かせたの、俺のせい!?」



そうだよ。ばか……



「こんな状態でこんな事言うのも変だけど……」



私を抱きしめたまま話を続ける悠。

やめて……言わないで……。



「俺……その……真由が好きなんだ。

だから…付き合って(ほし…)「そんなの嫌だ!!」」


「えっ!?」



えっ!?


今、悠……なんて?


付き合ってほしいって言った!?

え?まさか…そんなはず、ないよね?


私……

なんか、タイミング悪くなかった?


えっ!?!?



「俺と付き合うの、そんなに嫌?」



不安そうな顔で私の顔を覗きこむ悠。


やっぱり…


付き合ってほしいって…言ってくれてたんだ…。


え…?でも……。



「悠…彼女できたんじゃないの?だって指輪…。」



あははははぁ~。


こっちは泣きながら真剣に話してるのに、

悠はお腹を抱えながら大笑いし始めた。



?????

もぉ、訳が分からなすぎて

ちょっとムッとする。



「もしかして、それで『嫌』って言ったの?」



少し間を置いて小さく頷く。


わけもわからないまま、

何だか恥ずかしくなってきて…。


私の顔はゆでダコのように真っ赤になった。



「これ、お揃いなんだ。」



悠はそう言うと、

ポケットから小さな箱を取り出し、

開けて見せた。



「誕生日、おめでとう!!」



えっ?誕生日?


あ…


そういえば私、今日、誕生日だ。

だから朝からママも居なかったんだ。

きっとケーキとか買いに……。


今日は私にとって、

悠と初・昼間デートの日だって事で頭がいっぱいで、誕生日のことなんて、すっかり忘れてた……。



「俺と付き合ってください。」



改めて悠が告白してくれた。

もちろん、私の返事は決まってる。



「…………はい」



そう言うと、

さっき取り出した箱の中で光る指輪を

私の左手の薬指にはめてくれた。


今度は嬉しすぎて

涙がとまらなくなっちゃったよ。



「おいおい!泣くなって、真由は泣き虫だな!」



そう言いながら涙を拭ってくれた。



「そういう所が可愛いんだけどな」



そっと抱きしめて、

ポンポンっと頭を撫でてくれた。


悠のそんな優しい仕草も大好き!



「もう!からかわないでよ~……

ってゆうか、だいたい、

指輪をはめとく悠が悪いんだからね!」


「はいはい!ごめんな。

一緒に沢山思い出作って、幸せになろうな。」



ニコッと笑うと私の手をギュッと握った。

指を絡め合う初めての恋人繋ぎ。


縦に首を振りながら私も手を握り返した。


桜も見れて悠からの以外な告白。

そして、私と悠はカップルになりました。


悠の彼女に…なれたんだ…。


嬉しくて、嬉しすぎて言葉にできない。

10年前にエブリスタのサイトで

完結した作品です。

表現などを修正してまた更新します。



色々な人に届きますように。

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