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〜TUES DAY〜  作者: †姫kan†
14/19

初体験

大人の恋愛小説です。

けしてエロくないです。

「なぁ真由~!腹へんない?

ご飯食べに行こっか?」


「行く、行く!!いっぱい歩いたし

お腹ペコペコだった…」


「OK!じゃあ俺のオススメのお店に連れてくよ」



悠のお勧め、期待しちゃう。

悠は色んなお店を知ってるし、

何でも決めてくれてエスコートしてくれる。

私は優柔不断だから、いつも助かってるんだ。


高速道路に乗って地元の近くまで帰ってきた。



「もうすぐだぞー!!」


「わーい…」



言葉と同時にあくびがでちゃった。


私……最低っっ!

そう思った瞬間、

私につられたのか、悠もあくびをしていた。


お互いその姿を見て笑い合う。


そうこうしているうちに

小さな洋食屋さんに着いた。


外見はシルバニアファミリーのお家みたいな

可愛い感じ。


悠が扉を開くと、

チリンチリンと可愛いベルが店内に響いた。


背の高いモデルさんみたいに

綺麗な女の人が出迎えてくれて、

席へと案内してくれた。


数組のお客さんが

楽しそうに食事をしている。


個人でやっている小さなお店だからか、

なんだかアットホームな感じ。


凄く落ち着く。


とても笑顔が似合う綺麗な女性店員さんは

すっとメニューを差し出し立ち去った。


所々にさし絵が入った手書きのメニューだった。


字が少し丸みを帯びていて

凄く可愛らしい素敵なメニュー。


あの綺麗な人が書いたのかな…?


メニューを決めると悠が注文してくれた。



「カルボナーラ2つと、アボガドサラダに…

烏龍茶2つください。」


「かしこまりました。」



ニコっと笑みを見せキッチンの中へと消えた。


悠は灰皿を中央に寄せ、

ポケットからタバコを取り出して一服を始める。



「どう、ここ?結構よくない?」


「凄く気に入ったよ。

悠って色んな所知ってるよね!」


「そりゃーよかった。

当たり前だろ!だって俺だもん」


「悠、天才!さすがだよ」



ふざけて悠に合わせてみる。



「お待たせしました」



テーブルの上に綺麗に並ぶ料理たち。

それぞれの前にカルボナーラと烏龍茶が置かれ

テーブルの中央にアボガドのサラダ。



「ごゆっくりどうぞ」



そう言うと、またニコっと笑みを見せ

他の席の方へ歩いて行った。



「よし、食うか!」



フォークを持ちながら悠が話す。



「うん、食べよ!」



私もフォークを手にした。



『いただきまーす!』


「うーん!!美味しい!!」



カルボナーラを1口、口に運ぶと

ベーコンの香りとほのかなチーズの香りが

鼻から抜ける。

後からブラックペッパーが心地よく舌を刺激し

食欲をそそる味わいに酔いしれる。



「だろー!?」



あのー……。


作ったの悠じゃないよね?

まるで、自分が作ったみたいに

喜んでるけど。。


結局、悠は物足りなかったみたいで、

ガーリックトーストを追加して食べていた。


食後に注文したコーヒーを飲み終えた頃。



「そろそろ行くか?」


「うん、そーだねっ!」



私達はお店を後にした。


車に乗り込み、家に向かって走り出す。


お腹がいっぱいになったからか、

2人してあくびが止まらない。


…今日はいっぱいはしゃいで疲れたね。

運転、少し辛そう。


優しい悠は嫌な顔一つ見せないで

ひたすら車を走らせる。


駐車場に車を停め、手を繋いで家に帰る。



「ただいまー。悠、運転ありがとう!お疲れさま」



靴を脱ぎ、リビングに向かう。


ドサっっ。

2人して勢いよくソファーに座り込んだ。



『ふぅー。』



ため息が重なった。



「悠、先お風呂でしょ?

今日は早く寝れそうだね。」


「お、おう。じゃあ、先入っちゃうな。」



悠は、ゆっくりと腰を上げバスルームに行った。


その間、歩き疲れてパンパンになったふくらはぎを

マッサージしながら

携帯に入った今日の写真を見かえしてた。


お気に入りの悠の写真をホーム画面に設定した。


悠、かっこいい。

大好き。

写真を見てると、好きの気持ちが高まって

携帯を強く抱きしめる。


胸がギューっと苦しくなる。

幸せすぎて、これは夢なんじゃないか?

って不安にもなる。

軽く頬をつねると、痛みを感じて安堵した。


悠がお風呂を出ると、直ぐに私もお風呂に入る。



「あぁー、気持ちいい!」



シャワーを浴びながら今日の疲れを流した。


お風呂の中でも私はあくびが止まらなかったのに、

出る頃にはサッパリして少し目が覚めていた。


髪の毛をふきながらリビングに行くと

悠の姿がない。


テレビも消えていて、電気もキッチンしか

ついていなかった。


先に寝ちゃったのかな?

運転、疲れたよね…、


髪の毛を乾かしてからキッチンの電気を消して

寝室に行った。


ガチャ。

寝室の扉を開けると

ベッドに横になった悠が私の方に視線を向ける。


間接照明だけの薄暗い明かりの中で笑う悠に

何だか色っぽいって思った。



「真由、待ってたよ」


「もぉ、寝ちゃってると思った」


「真由、おいで」



布団を半分めくって招き入れる悠。

枕を背もたれにして座った悠に

抱きつくような形で布団に入った。


それと同時に……。

またHの事を考える。


また今日もないのかな??

まぁ、疲れてるしね…。

でも…少し不安だよ。


悠は頭を撫でながら、



「どーした?何を考えこんでるんだ?」


「・・・・・」


「真由、なんか嫌なことあった?

俺、なんか嫌な思いさせちゃった?」



Hの事なんて言えるわけがない。

返す言葉が見つからなくて黙り込んでしまう。


精一杯の言葉が、



「そっ、そんなことないよ!」



自分が情けない……

本当私って、わかりやすいよね……

愚かすぎて落胆する。



「それならいいけど、なんかあったなら

ちゃんと言えよ…?」



そう言って優しく私を抱きしめる悠。

きっと、本当は納得してないんだろうけど

優しい悠は、それ以上追求しないでくれた。


少しして、抱きしめた腕をほどき

こちらを見つめる。


音ひとつない部屋で

私の心臓の音だけが響いてる。


悠の真剣な眼差しに私の体温が上昇する。



「愛してるよ」



ゆっくりと口を開き、

悠はそう言うと顔を近付けキスをした。


段々と激しいキスになっていく……


こんなに激しいキスは初めてで、

どう呼吸をしたらいいのか分からない。


く…苦しい…


息が苦しくて悠から離れようかと思いはじめた頃、

悠が唇を離し、そのままキスが首筋におりてきた。


コレって……もしかして……


悠がスウェットの上着に手をかけた時、思わず制止した。



「ま……待って!」



悠は戸惑ってる様な表情をみせる。


私は悠から少し離れ、

ベットの上で正座になった。



「ごめんなさい!!」



突然の謝罪に悠が困惑する。



「えっ?えーっと…?」



深く深呼吸をして決死の覚悟で

悠についてた嘘を打ち明ける。



「あの…実は…初めてなの…。

その…本当は、付き合うとかも悠が初めてで…」



悠の目が見れなくて、俯いたまま暴露する。


ついに言っちゃった…

悠に本当のことを。


絶対引かれたよね。

今、すっごく冷めた目で見られてる気がする。


こんな風になるまで言えなくてごめんなさい。

卑怯な私でごめんなさい。


悠に嫌われたくない一心で、

今までずっと嘘をついててごめんなさい…


フラレたらどうしよう…


嘘をついてたことへの罪悪感と

幸せだった日々が終わってしまう恐怖で

私の瞳から大粒の涙が零れ落ちる。


すると悠はゆっくり私に近付いて

そっと抱きしめてくれた。


どうして……?



「その話…本当?…本当に?」



低いトーンで聞く悠に、

首を縦に振ることしか出来なかった。



「やべぇ……。すげぇ、嬉しいんだけど」



え?えぇ?

悠の言葉が意外すぎて驚きが隠せず

涙でぐちゃぐちゃの顔を上げて、

悠の顔を見上げた。


照れたように笑う悠の顔があった。



「引いてないの?怒ってないの?

私、ずっと嘘ついてたんだよ?」



訳が分からなくて、疑問を全てぶつける。



「怒るわけないだろ。むしろ嬉しいよ。

俺が真由の初めての人になれて」


「本当の本当に怒ってないの?」


「怒ってないって。真由、愛してるよ」



悠は涙を拭ってくれて

ゆっくりと私の体を倒した。



「私も愛してるよ、悠」


「なぁ、真由……

真由の事、抱いていい?」



・・・・・。

恥ずかしくて無言で頷いた。


強く抱き締められキスをする。



「怖かったり、痛かったりしたらちゃんと言えよ?!」



コクンっと首を縦に振った。





━━━━私の初体験は終わった。


初体験の感想は…


痛かったけど、凄く満たされた。

悠とひとつになれた事に幸せを感じた。


Hをするって、口で言われるより

何倍も愛されてるって実感できるものだった。


悠は抱いてる間も

ずーっと優しくリードしてくれてた。


翌朝、悠より早く目が覚めて起き上がると

下腹部に痛みを感じた。

やっと悠と結ばれたんだ……

ってその痛みが改めて思わせる。


洗濯を回して、朝ご飯の支度をする。


悠を起こして、ご飯を食べて、

悠が家を出る時間。


玄関まで見送って、

憧れのいってらっしゃいのキスをした。


2人して照れちゃった。


悠を見送った後、私は嬉しくて鼻歌を歌いながら

ルンルン気分で家事を済ます。


顔は、きっとニヤけてると思う。


ベッドメイキングしようと寝室に入ると

昨日の夜を思い出し顔が熱くなった。


お昼くらいになったら美有に電話しよっ。


報告!

報告!!


あぁ、幸せすぎるよ私!


幸せすぎて、困っちゃう。


悠と絶対に離れたくないって思った。


誰かと幸せになるんじゃなくて、

私と一緒に幸せになってほしい。


お昼になっても今日はお腹が減らない。

幸せで胸がいっぱいだからかな?なんて。


お昼をすぎ、美有に電話をすると、すぐに出た。



「もしー。どした?」


「あっ、美有、美有ー!!報告があるの!」


「はいはい。で、どうしたの?」


「えっとー。そのー…」



昨日の夜の事…

私と悠が初めて愛し合った日。


悠についていた嘘を話した事も

Hしたことも、いつもみたいに全部報告をした。


美有は“よかったね!”って言ってくれた。

話してる途中、泣いてるような声がして

自分の事のように喜んでくれてて

すっごく嬉しかった。


私の事で嬉し泣きしてくれる

最高の親友に出会えて、本当に良かった。

悠と同様に一生一緒にいてね。

って心の中でお願いした。


10年前にエブリスタのサイトで

完結した作品です。

表現などを修正してまた更新します。



色々な人に届きますように。

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