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〜TUES DAY〜  作者: †姫kan†
12/19

新婚さん

大人の恋愛小説です。

けしてエロくないです。

目の前の見覚えのある白い車。

助手席の窓が開いて

大好きな人の顔が見える。


なんで悠が?

嬉しい反面、仕事中のはずの悠が

目の前にいる状況を上手く飲み込めない。



「早く乗って」



悠がいつもの笑顔で促すから

混乱してても、躊躇なく車に乗り込む。



「悠…なんで?」


「真由がご飯作って待っててくれるって

LINEくれたけど、うち、何もないし

1人で買い物とか大変だろ?

仕事も一段落してたから帰らせてもらったんだ。

食材以外にも必要な物とかあると思うし

ショッピングモールでも行こうか?」



こんな素敵なサプライズある!?

今まで知り合った全ての人の中で

悠が1番素敵!!

私の彼は世界一素敵な人なの!って叫びたい!


ちょっと前まで悩んでた事なんて

どうでも良くなってた。


車で15分くらい移動すると

ショッピングモールに到着した。


食材は最後にしようってなって

雑貨屋さんや100円ショップを見て回る。


雑貨屋さんで見つけたペアマグカップに

一目惚れして、これ一緒に使いたい!

って悠に言うと、はいはいって

頭を撫でながら箱に入ったマグカップを

レジに持って行って買ってくれた。


なんかね、顔が描いてあって

2つ並べると腕を組んでるみたいになるの。


可愛くない??


好きな人とペアの物を持つの憧れてたんだ。

だって、漫画やドラマ、映画だと

みーんな、やってるんだもん!


あとね、お箸とお茶碗も買ったよ。


和風なショップが気になってのぞいたら

うさぎの絵が描いてある赤と黒の2膳が

箱に入ってるオシャレな箸に一目惚れ。


そしたら、店員さんに新婚さん?って。

違うんだけど、嬉しくて悠を見たら目が合って

2人で笑って否定はしなかった。


営業の上手い店員さんで

そのまま夫婦茶碗を薦められて

箸とセットの柄で可愛いくって

つい、じゃあコレもって言っちゃうよね。


結局1時間くらい色んなショップを見たら

2人ともお腹空いてきちゃって

ご飯食べて帰ることにした。


有名なチェーン店のオムライス屋さんが

ショッピングモールに入ってたから

悠のリクエストで、そこに入った。


本当にオムライスが好きなんだね。


悠はビーフシチューのかかったオムライス。

私は3種のチーズソースのかかったオムライス

を注文した。


オムライスはチキンライスが

卵に包まれた昔ながらの形をしてた。

ソースが絶品で、空腹もあってか

私も悠も、あっという間にたいらげた。


お会計を済ませ、ショッピングモール内の

スーパーに移動する。


悠がカートを押してくれて

私は携帯のメモを開きながら

食材をカゴに入れていく。



「何を作ってくれる予定だったの?」


「唐揚げだよ。悠、唐揚げは好き?」


「唐揚げだったの!?めっちゃ好きだよ。

うわぁ…食べたかった…。

オムライスの次に唐揚げが好きなんだよ。」


「明日、作るから楽しみにしてて」



悠は凄く残念がってた。

そんな悠を見て、私は喜ぶ。


買い物が終わって荷物を車に積むと

後部座席が袋でいっぱいになった。


それを見て私は幸福感でいっぱいになる。


悠は車に乗り込むとすぐに

タバコに火をつけた。


あ……そっか……。


気が利かなかった自分が嫌になる。


いつも食後はすぐにタバコを吸う悠。

それなのに今日は吸ってなかった。

モール内に何ヶ所かある喫煙所。

その前を何度か通ったのに

私、全然気づいてなかった。

タバコ吸ってきてって言ってあげられなかった。


ごめんね、悠。

気遣ってくれてありがとう、悠。



家に着いてからが、なかなか大変だった。

モールではカートがあったから

なんてことなかったんだけど、

マンションの駐車場から部屋まで運ぶのが

大変だったの。


私も悠も両手いっぱいに荷物を持って、

エレベーターのボタン押すのも

家の鍵開けるのも一苦労。


私は軽いものばかりだったから

袋の数が多くて動きは制限されたけど

そんなには、しんどくなかった。


でも、悠は数も重さもあったから

家に着く頃には手が少し鬱血してて

痛々しく見えた。


帰ってすぐに悠はお風呂に入りたがった。

汗かいちゃったからって。


大荷物、大変だったよね。

お疲れ様でした。


悠がお風呂に入るのを見届けてから

私は買い物袋を開けて片付けを始めた。


初めて料理を作った時の残りの調味料と

飲み物しか入ってなかった生活感のない冷蔵庫に

たくさんの食材達が入り、一気に生活感がでた。


悠ん家は炊飯器とか電子レンジとか

料理家電はしっかりそろってるのに

ほとんど新品同様なの。


なんか、引っ越す時には自炊しようと

思ってたみたいなんだけど

結局、1回もしなかったって前にいってた。


食材を片付けたら、

今日買った食器類を流しに出していく。

お揃いの食器達をみて頬が緩む。


早く使いたいなー。

明日の食卓を想像しながら

洗い物をすぐに終わらせる。


全ての片付けが終わって一息ついたところで

悠がお風呂から出てきた。


冷蔵庫に一直線に、向かう悠。



「わぉっ、なんか家庭的!感動する!」



冷蔵庫を開けてビールを取り出しながら言う。

リビングに足を運びながらビールを開けて

歩きながら飲み始める。


悠のお風呂上がりの行動が昨日と一緒で

これはルーティンだなって思って

また悠を知れたと嬉しくなった。



「片付け、ありがとな」



ソファーに座る私の右隣に座って言うと

肩に腕を回すようなら形で頭を撫でた。


自然と悠の肩に頭をもたれ掛かる。

悠の顔が見たくなって視線を上げると

あごを右手で支えられてキスされた。


悠の舌が口の中に入ってくる。

ほのかにビールの苦味が伝わる。

全身に電気か走るような感覚がきて

体の力が抜けてしまう。


こ、これがディープキスってやつだよね。

初めてのディープキスはビールの味でほろ苦く

体がとろけるような体験だった。


悠の唇が離れ、

目を開けると急に恥ずかしさが襲う。



「お、お風呂入ってきます!」



逃げ出すようにお風呂に向かった。


全身を洗って湯船につかる。

ふぅっとため息を吐き、

さっきのキスを思い出す。


それと同時に美有の言葉も思い出した。


今夜、するのかな……


そんな私の心配をよそに

昨日と同じように悠の腕に包まれて眠った。


それから2日が経ち

悠は仕事から帰ると必ずすぐに

お風呂に入る人だってことが分かった。


少し潔癖症なのかな?

それ以外は潔癖症の感じないんだけどなぁ。



「疲れてるでしょ?

明日休みだし、ゆっくり寝ようか?」



帰ってきて、あくびばかりしてる悠に声をかける。



「ちょっと今日は土曜で疲れがどっと…

いつもよりきてる。

ごめんな。……眠すぎる。」



無理しなくていいのに…



「もう、気を使わないでいいのに。

今からそんなんだったら、疲れちゃうよ?

それじゃあ、今日は早めに寝よう!!」



頷いて“ありがとう”って言う悠。


テレビとか電気を消して寝室に行った。



「真由、おいで」



素直に隣に寝転んだ。


今日も腕枕をしてくれる。


なんか悠にこうされると、

今は自然と落ち着いていく自分がいた。


相当疲れていたのか

5分と経たない間に悠の寝息が聞こえ始める。


“寝ようか”って私から言ったのに…

全然、眠くならないよ。


ふと、美有に言われた事を考えてしまう。


疲れてたせいかもしれないけど

今日も悠は私を抱かなかった。


悠……私とするの嫌なのかな?

って思っちゃう。


本当に私の事、好きなのかな?

って不安になっちゃうよ…


一応下着はいつも可愛いのを選んで

つけてるのになぁ……

10年前にエブリスタのサイトで

完結した作品です。

表現などを修正してまた更新します。



色々な人に届きますように。

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