同棲
大人の恋愛小説です。
けしてエロくないです。
今日はいよいよプチ引越しの日。
結局、次にバイトが休みの日に
同棲をスタートすることにした。
それが今日なのっ。
悠が仕事終わりに
迎えに来てくれるんだ。
悠の迎えが待ちどうしくて
準備を終えてから家の中を
ずっと、ウロウロしてる。
ママに落ち着きなさい!
って何度も言われちゃった。
♪~♪~♪
着信 ~悠~
待ちに待った時間が訪れる。
「お待たせ。着いたよ」
「この前停めたとこに車停めて」
「了解!」
家の駐車場に悠を迎えに行く。
「ゆーう!!」
名前を叫び、手を振りながら呼ぶ。
小走りで悠の所へ駆け寄ると
優しく抱きしめてくれる。
「ごきげんだな。荷物は準備できた?」
優しく頭を撫でながら悠が聞く。
「うん!待ちに待った悠との生活だもん。
準備もバッチリだよ。
なんかママがご飯食べてからいきなさいって。
これから用意したら遅くなるでしょって」
悠との身長差で自然と上目遣いになり
見つめるように話しかける。
「この角度やばい!本っ当、可愛いな。
ってかまじで!?いいの?
真由のお母さん優しいな」
「もうっ!やめてよ~!!じゃあ、家行こう?」
悠の手を引いて家に入る。
リビングで晩酌しているパパに悠が挨拶をして
ダイニングテーブルの席に着く。
「いっぱい食べてねー!
お代わりもあるから」
そぉ言いながらカレーとサラダ。
福神漬やらっきょうがテーブルに並ぶ。
いただきますをして2人でカレーを頬張る。
「うっま!お義母さん、凄く美味しいです!」
「あら、そぉ?良かった。
本当いい子で、真由に悠くんは
もったいないわね」
もぉー!
わかってるもん。
私に悠が勿体ないってことくらい。
ママのばかばか…。
冗談交じりに言うママの言葉にムッとした。
でも、娘の私が言うのはなんだけど、
ママって本当に料理が上手で
すっごく美味しいの。
このカレーは隠し味にインスタントコーヒーが
入ってるんだって。
悠のためにカレーを作る時は
絶対、真似しよっ。
だって、悠の言った美味しいは
お世辞じゃないらしく
お代わりまでしてたから。
悠がお代わりを頼んだ時の
ママの満足気な顔が目に焼き付いてる。
お腹がいっぱいになったところで、
『ごちそうさまでした』
食べ終わった食器をさげて
悠と一緒に部屋から荷物を運び出した。
これから本当に悠と暮らすんだよね。
なんか夢みたいだなぁ。
ママとパパに声をかけて、
玄関まで見送ってもらう。
「もう行くのね……
悠くん、真由をお願いします。
いつでも遊び来てね。」
少し寂しげな顔でママが言った。
パパは何も言わなかった。
「今日はお邪魔しました。
カレー、本当に美味しかったです。
真由さんはお任せください!!」
「じゃあ、行くね!」
「失礼します。」
私と悠は2人に挨拶をして家を出た。
車に着いて悠が後部座席に荷物を入れ乗り込む。
車は静かに出発した。
これから悠の家に…
二人暮らしが始まる。
胸はドキドキとワクワクが重なりあってる。
これからずっと悠と一緒に居れると思うと嬉しくて、
この日はずっと、顔が緩みっぱなしだった。
悠も喜んでくれてるよね…!?
車に揺られること5分。
悠の家に到着!!
荷物は悠が持ってくれて、いざ悠の家へ…。
「はい、どうぞ!
今日から、ここが真由の家」
「お邪魔します。…じゃなくて、
ただいまにしとこう」
「なんだよそれ。荷物まとめたら、
シャワー浴びてくれば?疲れただろう。」
悠の笑った顔を見るだけで
私も笑顔になれる。
「うん、そうするね。ありがとう~。」
私は家から持ってきた荷物をあける。
シャワー浴びるから下着とパジャマと…。
「真由、これ家の鍵!なくすなよ」
いたずらに笑いながら
家の合鍵をくれた。
なんか嬉しいなぁ。
この家が自分の帰る家になった事を
どんどんと実感していく。
「悠、ありがとう」
鍵をもらった事にテンションが上がり
悠に勢いよく抱きついた。
悠を見上げると
何だか照れくさそうに。
「いいから、風呂に入りなさい」
そぉ言って私を引きはがす。
これから、こんな仕草を
沢山、見られるんだろうな。
「もうっ!今から入るもん」
着替えを持ってお風呂に向う。
悠の家のお風呂もお泊まりも
今日が初めて。
お泊まりじゃなくて
今日から一緒に住むんだよね。
私、かなり浮かれてる。
あ………
お風呂に入りながら
あの事をまた思い出す…。
悠についてる嘘を。
どうしよう。
一緒に住むってことは……
いつかはバレてしまう。
そうなる前に
正直に言わなきゃ……
でも、話すに話せないよ。
どうしたらいいんだろう…
こんなに悩んでたら
すぐに顔に出ちゃうから
悠に気付かれちゃうよね…
自然にしとかなくちゃな…
あ!!
とゆうか、これから一緒に
住むって事は……
スッピンも見られるって事だよね?
そこまで考えてなかった…
お風呂にある鏡の曇りをぬぐって
自分の顔をまじまじと見つめる。
一緒に住むって色々と難しいのね。
どうしよう。
は、恥ずかしい…
考え事しながらお風呂に入ってたら
長くなっちゃってのぼせそう。
もぉ、あがろう。
パジャマを着て、小さいタオルで顔を隠しながら、
リビングに行った。
「おかえり???」
ソファーに座りながら、
悠はテレビを見ていたみたい。
こちらの様子に気づいて疑問形になる悠。
顔を反らし、悠に近寄れず立ち尽くしていると。
「こっち、おいで。って何でタオルで顔隠してんの?」
手招きされて、悠の隣に座らされた。
「だって…スッピン……」
「ん?嫌なの?俺はみたいけど」
そぉ言われながら
スルっと、あっさりタオルを取られてしまった。
「やっやめ…」
「真由、気にしすぎ。充分、可愛いけど?」
そうゆう優しいとこ大好きだよ。
「だから気にすんな。いいな?
ってか俺も風呂入ってくるから。
適当に待ってて」
ポンポンっと頭を撫でながら立ち上がる。
「うん!!」
「冷蔵庫に、お茶とかあるから
勝手に飲んでいいからな。
今日からは、もう真由ん家でもあるんだし
気ぃ遣うなよな」
バスルームに向かいながら話し、
返事をする前に悠は見えなくなった。
不思議だよね…
世界には沢山の人が居て
沢山の人が暮らしているのに。
偶然出会った悠が大好きになって
自分の居場所を見つけたきがする。
悠と居ると、ドキドキしすぎちゃう。
私、本当に悠が愛しくて
大好きで仕方ないんだ…。
だから、私はずっと悠の側に居たいと思う。
大袈裟かもしれないけど
悠の側に居れるだけで幸せなの。
悠が大好き。
悠とずっと一緒に居たい。
もっともっと沢山、悠の事知りたい…
この想いは、絶対、誰にも負けないよ。
なんて、恥ずかしくて
誰にも言えないようなことを考えながら、
悠がシャワーを浴びている間、
お茶を飲んで喉を潤していた。
「ふー、あっち~!!喉、乾いた」
お風呂を上がった悠は、
そのままキッチンへと向かって
冷蔵庫から缶ビールを取り出して
リビングへと戻ってきた。
濡れている髪をかきあげる仕草が
たまらなくカッコイイ…。
ゴク、ゴク、ゴク。
よっぽど喉が渇いていたのか
歩きながらビールを飲み始める。
悠の飲みっぷりも
なんだかカッコイイ。
悠は何をやっても様になるなぁ…。
「あぁっ!喉が生き返った!」
大袈裟にCMみたいなセリフを吐きながら
当たり前の様に私の隣に座る。
悠の家での同棲。
毎日一緒に居られる、これからの時間。
沢山2人で思い出つくっていこうね。
時刻は23:15。
「そろそろ寝るか?明日も朝から仕事だしなぁ。」
テレビを消しながら悠がソファーを立つ。
「そうだね。私もバイトだ。。寝よっか!」
悠の後について行く。
どうやって寝るんだろう?
やっぱり……悠と一緒に!?
「こっちだぞ~」
肩に手をかけられ寝室に向かった。
寝室にはベットが一つだけあった。
白い壁紙に黒のベッドが際立っている。
私のベット2つ分くらいある大きさで
ダブルベッドなんだろうと予想する。
布団カバーは紺色でシワ1つなく
綺麗にベッドメイキングされていた。
「うわぁ…ホテルみたい」
驚きと感動で本音が漏れる。
「真由が来るの分かってたから、
そりゃ綺麗にしとくでしょ」
得意げに答える悠。
ベッドが1つってことは、
…やっぱり一緒に寝るんだよね。
ドキドキするよ。
掛け布団を捲って、先に悠がベッドに寝転んだ。
「真由も早くおいで」
優しく言うもんだから、
つい、私も素直に悠の隣に入った。
「悠、狭くない?
悠っていつも、こんなに大きなベッドで
一人で寝てたの?」
ちっ、近いー…!!
っていうかすぐ横に悠の顔が!!
緊張して寝れないよ…。
「ん?全然大丈夫~。そうだよ。
俺、もっとくっついて寝たい。」
スルっと頭の下に悠の腕が入れられる。
これって、腕枕ってやつ??
私、腕枕も初めてだよ…
何もかも悠が初めて。
突然、悠が目を閉じる。
「ん!」
ん?
ん?って…え?
「悠?」
悠は目を閉じたまま自分の唇を指差す。
えぇぇぇぇっ!?
き…キスしてっこと???
私から!?
催促するように悠がまた。
「ん!」
ど、どうしよう。
精一杯の勇気を振り絞って
触れるか触れないかくらいのキスをした。
恥ずかしくて、穴があったら入りたいって
この事かって思う。
でも、悠は満足したのか目を開けて。
「おやすみ」
そぉ言って、
今度は悠から少し長いキスをしてきた。
腕枕のまま、向かい合うようにして
悠に包まれる。
「お、おやすみ。」
悠……。
私を寝かせたくないの?
これじゃ、全然寝れないよー。
助けて…。
でも緊張とは別に安らぎも感じる。
「悠……?」
少しして呼んでみたけど反応なし。
悠はもう既に寝ちゃってた。
今この時間が私は凄く幸せ。
悠と住めて悠と一緒に寝れて
ドキドキして緊張もしてるけど
すっごく幸せ!
それにしても、悠の寝顔、可愛い。
いつの間にか私も
悠の腕枕で眠りについていた。
10年前にエブリスタのサイトで
完結した作品です。
表現などを修正してまた更新します。
色々な人に届きますように。