Twitter→LINE
大人の恋愛小説です。
けしてエロくないです。
親友のススメで
最近、流行りのTwitter?
を始めました。
今いちやり方がわからないんだよね…
私は
石川真由。
21歳。
秀でてかわいいわけじゃない。
自慢できる特技も才能もない。
人前に出ると緊張して喋れなくなる。
それが私。
高校を卒業して、
やりたい事もやらなきゃいけない事も
見つからないまま、
近所のカラオケ店でバイトをしている。
問題の!?
彼氏なんだけど……いません。
今は、というか
今まで1度も[恋]をした事がないの。
モテなかった訳じゃないんだよ!
だけど
人を好きになったりした事がなかったから。
告白されたこともあったけど
いつも断ってた。
「お疲れさま~!!」
そう言いながら
バイト仲間で親友の
美有が私の肩をたたいた。
「あっ、美有お疲れ~」
佐々木美有。
21歳。
私と同時期にバイト先に入ってきた
同い年の女の子。
もう、3年ぐらいの
付き合いになるのかな。
同い年なのに、お姉さん的存在。
いつも頼ってばかりなんだ…
「今日も忙しかったね。もぉヘトヘト。
あっ!!あれチェックしなくちゃ」
???
あれ?
美有を見てみると
携帯を開いてニコニコしてる。
何してるのかな?
って、思ってると…
「そーいえば真由、全然呟いてなくない?
ってか、開いてすらないんじゃないの?」
美有の言ってる意味が
さっぱり理解できない。
「えっ?何を?」
「この前、教えたTwitterだよ!」
あぁ…
教えてもらったきり
何もしてないや。
……なんて言えない。
「私も見てみようかなっ」
何となく
後ろめたい気持ちを隠しながら
鞄から携帯を取り出して
Twitterに接続した。
『新着メッセージ4件』
「何これっ!?」
知らない人からの
ダイレクトメッセージだった。
私の叫ぶ声を聞いた美有が
携帯を覗いてきた。
「DM来てるじゃん!
ってかコレ送られてきたの、結構前だし。
登録してから1回も開いてないでしょ!」
ちょっと呆れた顔で言う美有。
アハハ……バレちゃった。
美有には笑ってごまかして
DMを確認してみる事にした。
……最悪。
1つ目の内容は
Hに興味ある?LINEしよう!
ってIDの載せられたメッセージだった。
キモすぎるでしょ……。
最悪の気分になった。
2つ目の内容は
どこかのサイトの勧誘。
よく分かんないけど無視っ!
3つ目の内容は
今までとは違う感じの
普通の文章だった。
そこには……
プロフ見て気になったからDMしてみた。
良かったら俺のプロフも見に来て!
なんでか分からないけど
素直に相手のプロフページに飛ぶ私。
ちぃちゃい丸の中の顔写真が
優しい感じがしたからかな?
どうやら名前は
悠。
年は27歳。
IT企業に勤めているらしい。
ツイートもみてみよ。
あれ?この人、割と近くに住んでる?
このカレー屋さんの名前
バイト先のカラオケ店の近くにあるけど。
チェーン店だっけ?
偶然?
プロフとツイートを見た限り、
変な人ではなさそうだけど……。
これって…返信すべきかなぁ?
うーん、どうしよう…
まぁ、いいや!送っちゃえ!
ノリだったのか勢いだったのか
分からないけど
とにかく返信する事にした。
―――――――――――
初めまして♪
DMありがとう
プロフみましたww
―――――――――――
こんな感じでいいかな?
~送信~
返信した後
最後の1通に目を通した。
英語の長文が書かれてて
ちんぷんかんぷん。
英語とかわかんないし!!
結局、私が返事を返したのは
1件だけだった。
悠からの返事は
意外と早かった。
~通知1件~
―――――――――――
返事ありがとね
何日も返信なかったから
もう来ないと思ってたw
最近、寒いから
風邪とか気をつけて!
ってオッサンくさいな…w
なんて呼べばいいかな?
俺の事は悠って呼んで
―――――――――――
この日から毎日
悠とDMでのやりとりを始めた。
やりとりを始めだして
何日かたったある日…
~通知1件~
―――――――――――
今日も疲れた
真由もお疲れ様
あのさぁ、Twitterにいちいち接続するの
めんどくさいから
よかったらLINE交換しない
―――――――――――
という内容のメッセージが届いた。
正直、悩む。
見知らぬ人にLINE教えるのって……
少し?…いや、
かなり抵抗があった。
それにLINEとDMなにも変わらないよ?
返事に困っていると
悠がまた文字を入力してるのがわかって
再びメッセージが届いた。
ん?画像付き?
LINEのQRコードだ。
―――――――――――
もし嫌じゃなかったら
LINEちょうだい
―――――――――――
えーどうしよう…
困ったな。
うーん……
あっ!!
こういう時は
美有に相談してみよう。
早速、私は美有に電話をかけた。
~プルルルル~
無機質な電話の音が鳴り響く。
早くでてー!!
「もし~」
「美有!ちょっと相談が…」
「どうしたの?そんなに慌てて。何かあった?」
私は美有に悠との
今までのやりとりを説明した。
LINEを交換したいって言われて
LINEのQRコードが届いた事も…。
「なーに、そんな事で?
本当、真由ってピュアだよね!」
笑い声まじりに美有が言う。
「そんな事って!!笑いごとじゃないよ。
どうしたらいいか分からないから
美有に相談してるのにぃ」
「はいはい。
別に内容を聞く限りじゃ
危ない奴ではなさそうだし
LINEくらい交換しても平気だよ!」
まぁ、今までのやりとりは、ごく普通。
「うーん…そうなんだけどさ。
話、聞いてくれてありがとう!
もう少し考えてみるね。また報告する」
「了解!頑張れ真由!!じゃあ、またね」
「うん。ばいばい」
美有と電話を切ってからも
決心がつかず、また考えだした。
どうしようかな……
だって知らない人だよ!?
もしかしたら詐欺師で
高い壺とか買わされちゃうかもだよ!?
それとも個人情報を搾取されて
怖い思いすることになるかも!?
初めてのことに、
悪い方向にばかり考えてしまう。
平気かなぁ?
でも美有も、平気でしょ!
って言ってるし。。
悠とはもっと仲良くなれる気もするし…
平気……だよね?
美有との電話を切ってから
30分くらい心の格闘が続き、
ようやく決心がついた。
よし!!送ろう。
悠を信じて…
私は悠から教えてもらった
QRコードを読み込んだ。
Twitterと同じ画像が出てきて
間違ってないことを確信してから友だち追加。
もしなんかあったらブロック
すればいいよね。うん。
ドキドキしながらトークを開く。
―――――――――――
やっほー
真由だよ♪
友だち追加してね笑
これでもぉLINEで連絡できるね
―――――――――――
できた!
緊張するな。。
~送信~
送っちゃった…
いつも返信が早い方なのに、
悠からの返事は来る気配がない。
ってゆうか、
既読すらつかないんだけど。
どうしたんだろう?
カチッ、カチッ……
時計の音が妙に耳につく。
過ぎてく時間。
よく分からない緊張と恐怖で
その場から動けないまま
ただ、携帯を見つめていた。
1時間……2時間……
返信が無いまま
どんどんと時間だけが過ぎていく。
何度もLINEを開いては
既読がついてるか確認をしてみるけど
それすらない。
やっぱり悪徳なんちゃらだったの?
騙されてた!?
変な不安との葛藤が続く……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
緊急速報です。
○○市在住の石川真由さん21歳が
SNSのTwitterで知り合った男性から
現金およそ100万円を騙し取られたことが
発覚しました。
男性の手口は、TwitterのDMから
普通の人に見せかけて連絡を取り合い
相手の心を開かせてから
LINEを教えさせ、個人情報を抜き取り
恐喝するとのことです。
過去にも同様の手口と見られる被害届が
出されており、
警察は余罪も追及すると発表しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夕方のニュースの
見慣れた女性キャスターが
淡々と話す。
ダメだ……
妄想が膨らみすぎて
変なニュース映像が頭に流れてる。
もぉ!お願いだから既読して!
ううん、違う。返信して!!
♪~♪~♪
モヤモヤと闘い続けて
メンタル崩壊寸前のところで
LINEの受信音がなった。
悠かな?
待ってましたとばかりに
LINEを開く。
………………。
悠だ!!
LINE内容の冒頭部分が目に入るが、
返事が気になりすぎて
一目散に名前をタップした。
全容を確認すると。
―――――――――――
返信遅れてごめんな
LINE入ってたのは分かってたんだけど
仕事が忙しくて、なかなか返せなかった
LINEサンキュー
本当これでTwitterに
接続しないですむから気軽に連絡とれるな
真由は何してた
―――――――――――
なんて事ない内容に、なんだかホッとして
一気に肩の力が抜け、
さっきまでの不安は一瞬で消えていた。
やっぱり悠は、悪い人じゃない。
よね?
LINEひとつで、こんなに悠に
心を動かされてる自分が不思議。
それから何回
LINEのやりとりをしたのかな??
気が付いたら夜中になっていて、
お互い『おやすみ』の
言葉を交わして
今日は寝る事にした。
10年前にエブリスタのサイトで
完結した作品です。
表現などを修正してまた更新します。
色々な人に届きますように。