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初顔合わせ

「…学院長、彼…アイト・ナイアータを学院に入学させて良かったんですか?こう言っては何ですが彼はその…」


 薄暗がりの一室で、整った顔立ちの女性に対し、知的な雰囲気を纏う女性は異論を唱えていた。


「…果たしてアイト君が、学院の教育課程を受け終えた時も君は同じようなことを言えるかな?」


「学院長、何を…」


「彼はガレスの子供だ素質はあるだろう。それに彼は近い将来化ける…そんな気がしてならないんだ」


「『魔女』の1人である貴方にそこまで断言させるとは……。分かりました。私が彼を担当しても?」


「君なら心配はないだろう。それじゃあ、頼むよジェニス」


「はい」


 月明かりの中で少年の運命は動き出していた。





「おはようございます。私が貴方の授業を担当するジェニス・アリーナです」


 僕はミフォンさんの配慮により、個別授業を受けている。他の学院生と授業内容は変わらないらしく、さらに僕が望むなら【神聖魔法】についての授業も受けられるという。


 …何か裏が在りそうだが、興味があるので少し警戒しながら授業を受けることにした。


「おはようございます。初めましてアイト・ナイアータです」


「お互いに紹介も終わったから、授業を始めようと思うが良いかな?」


「はい。宜しくお願いします」


「始めは、魔法属性の種類と代表的な魔法についての復習からにしよう。魔法の属性は火、水、風、土、光、闇の六種類が現在確認されている。これを発見したのは…分かるかい?」


「『魔法研究会』です」


「よろしい、では実際にやってみようか」




 先生と訓練場に来ると早速魔法の練習に入る。訓練場は的や魔力を流すと動くパペットなどしかなく、想像通りほぼ殺風景だった。


「手本を見せるから参考にしてみてくれ。…《ファイア》」


 女性は手元に炎を出すと的に目掛けて放った。炎は的に命中し、的は炎上した後黒く焦げてしまっていた。


「君も《ファイア》なら使えるだろうし、的に数回程打ってみてくれ」


 普通の学院生ならマナを感じることさえ出来ない。学院長が気にかける潜在能力はどれ程なのだろうか?


「…さて、お手並み拝見といこうか」


 ー確か魔力は体の中に存在する。父さんは魔法を使う際に身体の内側に流れているマナと、外側を流れているマナを手に集める感覚で行使していると言っていた。イメージするんだ…父さんや先生がしていたように…

「…《ファイア》!」


 掌に炎が出てきたが、先生に比べると揺らめきが大きく安定はしていない為、これからも練習が必要だ。とりあえず魔法の行使は成功した…後は的に当てるだけなのだが―――。


「…中々当たらない、難しいなぁこれ。途中で曲げたり出来ないかな」


 軽い気持ちで魔法を放った後に人差し指を的の方向へと振った。すると…弧を描くように曲がり始め、やっと的に当てることができた。

 だがふと抱いた疑問を解消する為、行った実験で僕の努力は無駄だったのでは?と思ってしまった。


 僕が抱いた疑問は()()()()()()()()()()でも魔法を行使出来ないか。

 結果からいうと可能だが、狙った所から30センチ程度誤差が出た。これをもっと練習して狙った所に出せるようになれば僕も…戦えるようになるかもしれない!


 魔法の連続行使のせいだろうか、とても身体が疲れてきていた。先生に休みを貰えるか聞きに行くと昨日のミフォンさんのように固まっていて、数十分はそのままだった。

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