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旅立ち

 魔法使いの優劣はどれだけ強力な魔法を使えるかによって決まる。


 例え、魔法の行使速度が速くても、知られていない魔法であっても、限られた者しか使えない希少な魔法でも、威力が無ければ認められはしない。


 そんな魔法火力重視の世界で僕は―――。


「そんな信じられない!」


「人類史上最低の結果だわ!!」


 教師達が声を荒げている。辺りは騒然となり、僕を侮辱する言葉が鳴り止まない。


「どうしてこの学院にいるんだ!?」


「お前はこの学院には相応しくない!」


 憧れていた学院生活とはかけ離れた場の雰囲気に僕は気圧されていた。

 どうしてこんなことになったのだろう?





 僕は今日、12歳の誕生日を迎えていた。人の少ない村で育った僕にとって、王都は憧れの場所だった。

 だけど、それももう終わり。僕は今年から『グリモワール魔法学院』に通える歳になったのだ。


「アイトが入学するのか。お前は天才だからな、【高等魔法】が使えるんじゃないか?」


 僕にそう話しかけて来るのは、魔法学院の5本の指に入った事もある実力者…ガレス・ナイアータだ。


「そんなことないよ、父さん」

 そして、僕の自慢の父親でもある。


 母さんは王都サルンネルで治療院を営んでいるらしい。らしい、というのも父さんから聞いた話で僕自身母さんの姿を未だに見たことがないのだ。


「それよりも馬車は来た?」


「そうだな…おっ!今来たみたいだな」


「それじゃあ、行って来るね父さん!」


 村の入口の方を見ると、父さんの知り合いの御者さんが馬車を停めている所だった。


「気を付けて行ってこい。これは俺からの餞別だ」


 父さんが僕の頭に手を置くと体が光り、緊張が少し解れた気がした。きっと《精神強化》の魔法を掛けてくれたのだろう。


 僕は父さんに感謝をすると馬車へと駆け出した。

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