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指名手配犯の一日

作者: 相樫りわ

ぐーたら小説でございます。ハチャメチャなのでよかったら読んでみてくださいませ。

突然ですが、わたしは空が飛べます。

箒とかは使いません。ぎゅって地面を蹴って手でギュンって空気を押すと、空が飛べるんです。

平泳ぎに似てます。ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅって空気を押せば押すほど空高くまでいけるのです。


でもわたしは、この間うっかりと兵隊さんに飛ぶ姿を見られてしまいました。

すごーく空高くまで上がる際に見られていたようです。

そんな訳で今、わたしはとっても大変なことになってしまっているのです。




(時は中世)





見つかれば、魔女裁判にかけられる。そうすれば100分の99.99999以上の確率で釜茹でとか、火あぶりとか、打ち首の刑にかせられる。そんなの、絶対に嫌です。まだ16歳なのに、そんなことで死にたくありません。


そもそもわたしは生まれつき空が飛べていたのです。そのほかに特別凄いことができるかって言うとできません。ただ空を自由に飛べるだけなのですよ?


中世に空が飛べても平成に空が飛べても、いいことはありませんよ?中世ならさっきも言ったようにほら、見つかった途端に殺されちゃいますから。

平成では別に空気だって特別澄んでいるわけでもないし、まあ見つかればメディアのなかで大変なことになりますしね。ですからわたしは、願わくば普通に生まれてきたかったものですよ?

けれどこうなったからには仕方がないのです。逃げましょう。


まあいろいろとそんなわけでありまして、今わたしは国中の人々に首を1000万円ほどの値打ちで賭けられています。皆さん血眼でわたしを捜さないでくださいませ。怖いです。

わたしには仲間がおりまして、この人たちは唯一わたしを血眼で捜しません。ルーとメリとユイ様です。ちなみにわたしはメニーといいます。



最近ルーがですね、わたしとメリとユイを市民プールに誘ってくださいまして。

慎重さんなメリは反対いたしましたのですがユイとわたしが行きたがり結局行ったのですね。



「わー、ひろーい」

「いいねーなつってー」

「あついですよー」

「やっぱやばいってー」

えっと今、プールの受付におりまして、受付のお姉さまもすきあらば辺りを見回します、血眼で・・・怖い。わたし、狙われてますね。

「うけつけのおねえさんにんげんれーだーみたーい」

「しっ、るー!かんづかれるよ!」

メリさんは慎重です。こんなことで感づかれることなどはきっとありません。




まあ、悠々とプール内には入れたのですがねー。

ユイは「すりるすらいだーにのりたー」とおっしゃいまして。でもですね、わたしは正直乗り気じゃなかったのですよー。何故かって?だって、このスライダー、0から200までの番号がある紙をくじ式に引きまして、0を当てた人は無差別に容赦なく殺されるんです。


どこかの国の王様がこの国に来たときに偶然ここに立ち寄りまして、偶然0を引いて殺されたことがあるそうです。この制度はもう3世紀ほど前からありまして有名ですよ。

生きる願望の強いわたしはそんなものに乗りたくはないわけです!!!!生きましょうよ。



でもでもユイはどうしてもスリルスライダーに乗りたいと言い張り結局わたしだけはただの丸いプールにいて他の3人はやってきて、無事生還いたしました。ユイは1番でメリは43番でルーは95番だったそうですよー。ユイさん、危ないです!

「おもしろかったよー。のればよかったのにー」

「えんりょします。こんなことでしにたくありません」

ご丁寧に遠慮いたしましたとさ。




「ねえやっぱいっしょにのろう」

「いやですって」

またもやわたしは死の危険にさらされております。ですから死にたくないんですったら!

けれどわたしは、ユイに引き摺られるようにして乗りました。あぁぁ・・・

運命のくじ引き。血眼のお兄さんが持つ箱の中から祈りを込めて一枚引き出します。

さて、その番号は―――――?

ふるふる震えながら四つ折の紙を開きます。




           『0』




「っきゃ――――――――――!!」

悲鳴を上げて後ずさります。イヤイヤイヤ、殺さないでください―――っ!!

白いズボンに青いパーカー姿のキャップをかぶったお兄さんが一歩わたしが後ずさると一歩こちらに動きます。このままじゃ殺される――!!

た、たすけて・・・・そう思って三人の方をチラと見ます。三人は横を向いて口笛吹いてます。


「う、うらぎりもの―――――――っっ!!!!」

もう、どうにでもなってくださいっ!!あたしはついに回れ右して走りだしました。

だだだだだっ。後ろからはあの恐怖のお兄さんが4人ほど追いかけてきます。うふふ、とっても足が速いですね。小学校じゃいつもリレーの選手だったでしょう?ああ、もうあまり差がない・・・


仕方がありません。もう逃げ道はないようです。こうなったら本性をあらわしましょう。

わたしは地面をぎゅっと蹴り、ばたばた手をはためかせます。ああ、あの人たちがもう蟻のようです。多分私が飛んだことであの人たちは大騒ぎに、大乱闘になっていることでしょう。今のうちに逃げなければ。


わたしはわたしなりに急いで、いつもの2倍ほどのスピードで飛びました。分速20メートルくらい。え?遅い?でしょうね。なに、いいのです。どうせこんな高くには大砲だって届きませんから。

目指すは海の向こうです。どこだか知りませんがニッポンという小さな島国があると聞きます。そこのリュウキュウとやらにすみましょう。何しろ暖かいそうですからね。



時は、中世。わたしはこんな感じに月1くらいのめやすで魔女裁判から逃げております。





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― 新着の感想 ―
[一言] すごくユニークですね 自分の頭にもこれぐらいの柔軟さが欲しいです・・・。
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