我が名はシャロン。りるの兄にして、リーダーにして。いわゆる犬である
我が名は、シャロンである。我が広大なテリトリーと、大事な群れを日夜陰日向なく守っているリーダー犬である。
「しゃろん、おすわり。」
「わん。(まってー、早くそのジャーキーちょうだい。ちょうだい。おすわり、したよ。したよ。はやく、ジャーキーちょうだい。)」
もぐもぐ
もぐもぐ
ふむ、言い直そう。我が名はシャロン。この美味なるジャーキーが好きな雑種犬である。ジャーキーを我に与えてたのは、りるである。りるはまだ幼く、我が保護しているのである。
毎日ブラッシングや、テリトリーの警備、我のご飯などをする僕…いや、妹である。我が、リーダーとして…
「りる、ただいまー」
「あっ、パパだ。おかえりなさいー」
「わん。わん。(ご主人さまー、おかえりなさい。あのね、あのね今日もりるを守ったよ。頑張って、りるの世話もしたんだっ)」
「シャロンもりるも元気だなー」
わん。
我が名は、シャロン。パパも大好きなのである。
我はステファンを母に持つ、リーダー犬なのである。母に言わせると我はまだひよっこ(犬なのにひよっことは、どういう事かととうたら、お腹をみせるはめになったのは苦い記憶である )らしいが、我は負けないのである。
日々リーダー犬としてふさわしくあるように、振舞ってるのである。見よ、この毛並みを!!この尻尾を。このき…
「あっ、だれだ。トイレットペーパーかじったのは!」
「シャーロン」
「シャロン、こっち来なさい!」
「クーン」
そんな昔のこと覚えてないのである…。でも、転がっていくのは面白かったなぁ。
ごめんなさい。
「ただいま。」
「わん。(今帰った。シャロンはまたイタズラしたのか!まったく。このわんぱく小僧め)」
「おかえりなさいー。ままー。」
「おかえり、ママ」
「わん」
「ステファンもおかえり」
「わん。」
「わおん。(帰ってきたのか、我が母よ。何今日も何事もなく我は群れを守ったぞ。ほめて、ほめて)」
いつの間にか尻尾がふりふりしてしまうのだが、仕方ないのである。だって、皆大好きだし。
「わん」
「クーン。」
「わふ。わん」
「あーなんか、ステファンとシャロンが何か話してる!」
「今日あったことを話してるんじゃないか?」
「むー。私も混ざる~。シャロン、ステファンー」
「にぎゃあ。くすぐったいよー」
「あれじゃあ、どっちが姉だか分からないわね」
「犬の成長は、人より早いかなあ。案外、シャロンはりるの兄だと思ってたりして」
「まだ、1歳にもなってないのに?」
「そう。人間でいえば、7歳だからな。」
「頼りになるお兄ちゃんのつもりなのかもしれないわね。」
「どうだかなー。お兄ちゃん通り越して、リーダーのつもりかも。」
「あら、大変。順位づけはしっかりしないとね」
「まあな。でも、みろよ。しばらくは大丈夫じゃないか?」
「ふふ。ステファンたら」
我は、シャロン。この群れのリーダー
ごめんなさいなのである。
まだまだ母ににはかなわないので、お腹を出すのである。
りるだめー。お腹もふもふだめー。気持ちいいよー。もっとー。
えっ、ご飯?
待て?はいなのである。
我はシャロン。いつかリーダー犬になって見たいなぁって夢をみたのである。
まぁでも、ママも頼りになるリーダーのパパもいるので、しばらくはリーダーにならなくてもいいのである。
え、お風呂。
いやーいやー助けて。パパー
そんな、そんな持ち上げないでー
「きゃーん。」
「わん。(シャロンもまだまだ子供ねー。)」
そんな我の毎日は、楽しいことがいっぱいなのである!!