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契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第二章 怨みの形
9/33

6話 海と別荘

今回からアーティナの別荘篇です。

 今回は海の回です。

―――これは夏休み開始前日のこと。


何時もの様に彼らは、部屋で話していると。


「なあ、皆は夏休みの予定とか無いのか? 俺は無いぞ!」


「わ、私は無いわよ」


「そうなのですの!? アタシも無いですの」


「でしたら、何所かで話し合ったら如何ですか?」


ヒョウガが言うと、アミリ、アーティナも無いと言う。

手を挙げたカナミは、ミューフィの案に賛成らしく。


「じゃあさ、皆でヒョウガの家言って話すのは如何?」


とカナミが、皆に可否を問うと。


透かさず口を開きかけた彼を、サラの声が遮る。

サラとアミリは賛成らしく。

後の二人も賛成の様だ。


「ん‥‥‥!? え!? 俺ん家かよ」


「ウチは賛成!」


「わ、私も良いわよ」


―――俺の家でやろうと提案するなんて何か企んでるな。


とヒョウガは心の中で思い。


彼女は、こっちの目を覗き込んで、きょとんと首を傾げてから。


「それでさ、ヒョウガ。良いのかな?」


「ああ、良いぞ!」


と彼は返事を返す。


と言う事で次の日曜日に決まった。



       ♢ ♢ ♢ ♢ ♢



次の日曜日の午後。



「こ、ここがヒョウガ先輩の家よね」


「そうだよ。じゃあ、ピンポン押すね!」


午後一時頃。

アリマ家の前には、カナミ達五人が立っていて―――。

ピンポン、とチャイムが鳴ると。

は~いと、言って出て来たのは四十代くらいの女性。ヒョウガの母だ。


「入らっしゃい。ヒョウガからは聞いてるわよ。入って入って!」


「「お邪魔します」」


「お邪魔するですの」


「お、お邪魔するわよ」


ヒョウガの母が歓迎すると、皆礼儀正しく挨拶をして入って行く。

―――入った所で、ヒョウガの母が、


「ヒョウガならまだ寝てるから、起こしてこようか?」


「否、私達が行きますので、どちらですか?」


「そうなの!? 二階よ!」


ヒョウガの母が言い終えると、カナミ達は階段を上がって行く。


そして時間は、カナミが来る三十分前に遡る。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「グ~」


昨日の夜からヒョウガは、本をずっと読んでた為、今も寝ている。


 「ヒョウガ君。起きて下さい! 起きてくれないと悪戯しちゃうんだからね。本当にしちゃうんだからね!」


「・・・」


彼の隣で横になるシナモンが、彼のゼロ距離へ接近し、唇にキスをすると。


「ちゅ、ちゅ! ちゅう~つ‥‥‥」


「ん‥‥‥ちゅう‥‥…」


しかし起きる気配がない。

 

―――もうこうなったら、この世界で覚えた―――人肌でも、二肌でも脱ぐしかない。


と一肌脱ぐを、裸になるという意味と勘違いし。


———誰か入って来たって見えないから平気だもんね。


とヒョウガの隣で裸になって横になり。


———抱きついても気付かないんじゃ。そんな訳無いよね。


悪巧をしようとする天使に、突如それは訪れた。

―――ぺたんと、何かがシナモンの胸に触れる感触がして見てみると。

それは寝ているヒョウガのてだった。

そして、其の儘玩具のように弄ぶ。


どんな夢見てるんだろうと疑問になってしまい。


——屹度(きっと)凄い夢なんだろうな。


と、シナモンは思う。


それから―――シナモンも眠くなって来て其の儘寝た。


十四、五分が経ちシナモンが目を覚ますと、弄んでいた手が止まっていた。

―――が、まだ寝ている。

仕方ないから、着衣を急いで着て、起きるのを待つ。


「・・・・・・ん!? おお、おはよ…!?」


「やっと起きた!」


 「止めろ! 飛付いて来るな。汗苦しい。 何時もよりも格好が乱れてるぞ! まさか。シナモン、そこに座ってくれだぞ。正座」


「正座!?」


難解も言う彼が、正座を教えて説教を始めて。


そして今に至るという訳で。


階段を上がり終えると、カナミ達は扉を開けようとすが―――、

部屋の中から話し声。否、説教が聞こえた。

 

―――あれ? ヒョウガ以外に誰かいるのかな。


と、扉の隙間からカナミは、様子を窺いながらも聞き耳を立て。


 「シナモン、何回言ったら飛付いてきたり、抱き付いて来たりするの止めてくれるんだ? 後、何でやるんだ?」


「え~~、止めないよ。楽し・・・・・・じゃ無くて契約したもん!」


 「否、そんな契約した覚えは無いと思うぞ。後、悪戯は駄目だぞ! 天使の癖に行動が唯の幼女みたいだぞ」


 シナモンの言い分を聞いて、ヒョウガは見覚えのない契約を、いつの間にか勝手にさせられてしまう。

更に天使の本音を素通りする。シナモンの行動を見て思ったことを伝えると。


「幼女言うな。天使だもん! それに楽しんだから良いじゃん」


「開き直ったか。仕様が無いから今日だけは許してやる」


「やったー」


――やっぱ此奴は唯の幼女だな。この反応は


と、ヒョウガは思ってると扉が開く。


「ねえ、ヒョウガ。何さっきから話してるの一人で?」


「な、何で天使とか幼女とか、後シナモンて誰の事? 後、契約って何よ!」


「何だ、もう来ていたのか。それはだな。今は言わないぞ! そのうちな」


 彼が振り向くと、カナミ達が来ていて。

―――そして、二人の会話を聞いてた様で、カナミとアミリが聞いて思ったことを言う。


シナモンは、首を横に振って言うなと言う。

納得してない様子の五人だったが、何とか言いくるめて、進めることになり。


「んじゃあ、夏休みの予定を決めるけど、夏休み何処行きたいんだ?」


とヒョウガは、何か言いたげなアーティナにさりげなく聞く。


「それでしたら、アタシの別荘とかどうですの? 丁度明後日から行くですの」


彼女は、自身の別荘はどうかと可否を問うと。


「それ良いね。ね、ヒョウガ」


「ん・・・ああ、楽しそうだな! 俺は賛成だぞ」


「じゃ、じゃあ私も賛成よ」


と全員の賛成もあった事なので、決定して。



「では、決まりですの。明後日明後日の朝、ヒョウガの家の前に集合ですの。迎えに来るので」


「後イベントは……」


「夏祭りがあるよー!」


「んじゃあ、夏祭りも行くか。俺は空いてるだろうし」


皆も賛成のようだ。


 「じゃあ、夏休みの予定はお終い。久し振りのヒョウガの部屋だけど、変わってないね。でも、何処かにあれがあるはず」


「やっぱりあるのね。男の人が好きなエッチな本」


と言いながら探し始め。


「ねえ、ヒョウガ君。皆が探してるのこの前読んだ奴? ヒソヒソ」


「勝手に読んだのか!? シナモンには未だ早いだろ。それより、見つからないぞ、絶対!」


三十分後


「やっぱり思い過ごしだった見たい」


「なーんだ。無いのか」


「な、無いわね」


皆が文字通り、隈なく家中を探し回るが、何処にも見つからない。


その後、皆が身支度を整えて帰る準備をした。


「んじゃあ、明後日な」


「「お邪魔しました」」


「お、お邪魔したわ」


「お邪魔したですの」


玄関で見送るヒョウガに、五人は礼儀良くお別れをして。

 皆が帰ったことを確かめると、本を隠した木の下に向うい、掘り出すと部屋へと箱ごと持って行く。


  そして出発前日の夜。


「良し、これで明日の準備は完了だ!」


「ねえねえ、ヒョウガ君。明日付いて行って良いんだよね」


「ん……!? 付いて来るつもりか? きちんと言う事を守れるなら良いぞ」


「うん。守れるよ」


まるで子供へ言い聞かせるように、彼は言うと。


 「先ず、皆の前で話し掛けて来ないこと。二つ目は、悪戯しないこと。三つ目、何かあったらすぐに知らせる事。絶対だ!」


「うん! 分かった」


「もし破ったらお仕置きだぞ」


(うして、シナモンもアーティナの別荘に行くことが決まった。


  ―――そして当日。


朝八時三十分頃。

ヒョウガの家の前で皆が集まってると、そこへ一台の大きな魔法車が停まり―――。

後部座席のドアが開く。


「さあ、皆乗ってですの!」


「あ・・・ああ、じゃあ乗るぞ」


「他の子達も乗っちゃって乗っちゃって、そんな緊張しなくていいからさ」


アーティナの父は、乗るのを躊躇ためらう子達の背中を押す。

何とか皆が乗った所で―――アーティナの父が運転する魔法車が出発した。



         ―――魔法車での会話―――



「どれ位掛かるんだ。別荘まで?」


「大体後、一時間から一時間半で着くですの」


 今車内には俺、アミリ、カナミ、俺の正面に、アーティナ、サラ、ミューフィが座っている。運転席は、アーティナのお父さん、助手席にはアーティナのお母さんの計八人が乗っている。


と彼は、が心の中で人数を数えて。


「皆、水着持って来たですの?」


「え? 海の方なの?? てっきり登山かなと思ったけど」


「どんな所にある別荘だと思ったんですの? アタシの所の別荘は、海の直ぐ傍ですの!」


「俺はそうだろうと思ったけどな」


ヒョウガ以外、皆が登山だと思ってあ様だ。


「でも大丈夫よアタシの仕事そういうのしてるから。だから、アタシが作った水着が沢山あるから」


「でも、サイズが……」


「大丈夫ですの。お母さんは、フリーサイズの水着を作ってるですもの」


娘と友達の会話を聞いてたアーティナの母が、振り返って会話にしれっと入り込む。


実はアーティナの母は、ランジェリーデザイナーで―――更に水着のデザイナーもしているのだ。


「それならお言葉に甘えて」


「そ、それなら良いわよ。着てあげる」


「有難うございます」


「有難う!」


「どう致しまして。着て貰えないと水着が可哀想だから嬉しい」


四人共着ることが決まり、アーティナの母はとても嬉しそうだ。


「遊び道具は向こうにあるから大丈夫ですの」


「そら心配ないぞ」


「そ、そうね!」


―――こ、これなら心配なく遊べるわね。泳げないのが発覚ない。


と、アミリが心の中で安心していた。


「皆、勿論宿題を持って来たですの?」


「ウチは聞かないで……」


「俺は持って来たぞ! 張とな」


「も、勿論持って来てるんだか・・・・・・ら!?」


―――あ、あれ、入れたわよね、確か。あっ! あの時机の上に置きっぱなしだったわ。


と、アミリは原因を究明して。


サラとアミリ以外、全員持って来ていて。


「ま、まあ宿題なら何とかなるわよ!」


「そうですのよ。別荘に着いたら、執事さん達やお手伝いさん達が歓迎してくれるんですの」


「凄い!」


アーティナの言葉を聞いて、つい、カナミが口から一言零してしまう。


その後も、他愛無たわいない話をしていると、漸く目的地に辿り着く。



「想像以上に大きいぞ!」


魔法車から降りたヒョウガが、そう呟く。


「そうだろう。妻が海の近くが良いって言っててさ! さあ、もう直ぐだからね」


「お・・・おう!」


アーティナの父を先頭として、皆がドアの近くまで行くと、五人の執事が立って居て。


 「皆様、お待ちして居りました。では、お客様のお荷物をお持ちしますのでどうぞお入りください」


「あ? はい!」


 五人の執事の一人―――恐らく五、六十歳位の縁眼鏡をして白髪だらけの執事が歓迎の言葉を言うと。

 他の五人も歓迎の言葉を言って、ヒョウガ達の荷物をそれぞれ分けて受け取ると、白髪だらけの執事が先導してくれて。


 「アーティナお嬢様、それと、ルームメイトでお友達の方々ようこそお越しになってくれました。私はここでお手伝いをしてるルエルと申します。こちらは、私の仲間です。分らないことが有りましたら何時でもお答えしますよ。では、カレロさん、他の執事さんも皆様のお部屋の案内して下さいね」


「ええ、そうさせて頂きます。ルエルさん。お客様のお部屋はこちらです」


  中に入ると―――ルエルと名乗る、オレンジ色の髪に、紫色の目を持つ、恐らく三十過ぎの女性や、同じくエプロンを着たお手伝いさんが歓迎し。

疑問に答えてくれるらしく。


白髪だらけの執事、カレロに付いていった先は、


「ヒョウガ様ですかな?」


「ん……俺か、ああそうだがどうして分かった?」


 「アーティナお嬢様がよく、お話ししてくれるからですな。話を戻して、ヒョウガ様のお部屋はこちらです」


―――何とも一人で過ごすには広すぎるほどの大きさで。


「お荷物です。中に入れて措きますよ」


「あ‥…ああどうも」


と言ってヒョウガは、部屋に入って荷物の整理をし始めて。


「次は、カナミ様とアミリ様はこちらになります」


案内されて部屋に入ると、海の景色が見える所で、アミリと、カナミは口から一言零す。


「き、綺麗ね」


「本当だ‼ 良い景気」


二人とも気に入った様子だ。


「最後は、ミューフィ様とサラ様のお部屋はこちらになります」


―――部屋は、アミリ達の部屋より少し歩いた所にあり。


「あそこ登って見たいたー。獣居るかな?」


「駄目ですよ。危ないですから」


あそことサラが指さしたのは、窓から見えた登山の出来る深山で。


「ミューフィちゃんもサラちゃんもこっち追いで、他の子達も待ってるよ」


深山の方を見ていた、ミューフィとサラにアーティナの母が呼び掛け。


 そして四人が連れてこられたのは、沢山の服が仕舞いっぱなしになっている、言わば衣類室見たいな所だ。


「こっちよ! 皆好きなの選んでね」


「これ全部作ったんですね」


「そうよ! アタシが作った奴」


「す、凄いわね」


アーティナの母に言われるまま進むと、色んな種類の水着もが並んでおり。


 ど、どれにしようかしら、胸が気になるからラインが分からない奴にしたいわね。まあ、見られたことあるんだしバレてるだろうけど。


と、アミリが考えながら探してると。


「これなんてどう? アミリちゃん。胸のラインは難無くカバー出来て誤魔化せるわよ」


 「べ、別にもう胸のラインは見られてるからバレてるわよ。だから気にしてないわよ。それに、似合うかしら?」


 「見られたんだって、気持ちが大事だよ。それに、彼なら屹度似合うって言ってくれるって。彼のハートも一頃よ」


「な、ならこれにしてあげるわよ」


——ミュ、ミューフィ達は、何にしたのかしら。


そう思ったアミリは、ミューフィ達の方へ行く。


「な、何にしたのよ。ミューフィとサラは?」


「ワタシは、キャンディーのデザインが可愛かったので此れにしました」


そう言って見せて来たのは、キャンディーがデザインされた、紫色のビキニで。


「サ、サラは何にしたの?」


「スポーツ水着だよー」


「カ、カナミさんは?」


「このシンプルな白色のビキニ」


―――た、確かにシンプルが似合う二人は良いわね。私は身長も胸も無いから。


と、アミリは自分の掛けてる所を指摘し。


「それじゃあ、皆決まったみたいだし行くよ!」


アーティナの母がそう言って、四人共水着をもって更衣室に向かう。


更衣室が付いてるなんて凄い。


と、カナミは思った。


「アミリ、一寸胸大きくなったんじゃないか?」


「そ、そんな訳無いわよ」


「0.5ミリ大きくなったんだぜ」


「あ、余り変わって無いわね」


アミリは少しながら嬉しそうで。

そして皆が水着に着替えると、更衣室を出て外に出ると、ヒョウガとアーティナが待っていて。


「ねえねえ、ヒョウガ。アミリちゃんの水着どう思う?」


「どうって、小さいけど可愛いぞ。水着にあってるじゃねえか」


「ホ、褒めてるのよね。それ! そ、その有難う」


「ん……!? 最後の方聞こえなかったぞ!」


ヒョウガに褒められて嬉しそうだが、照れ臭いアミリは、ヒョウガに聞こえない声でお礼を言う。


「それでは早速泳ごうですの!」


アーティナの両手や両腕には遊び道具を幾つも持っていて。


「海に入る前に準備体操をしましょう」


「良いじゃんか。ここまで来て!」


「ですが、海のけがの元ですのでしましょう」


「チぇ~」


  ミューフィが、準備体操をしようと言うが嫌がるサラ。何とか押し通すミューフィに、不満げな様子だが仕方なく了承してくれた。


準備体操を始めて、体が良い感じに解れた所では終了する。


「今度こそ泳ごうですの」


「じゃあ、先ず向こうの水平線まで競争だー」


「じゃ、じゃあ私はここで待っといて上げるわよ」


——ぜ、絶対無理。あんな所まで何て死ぬわよ!


と、アミリは水平線の方を見てそう思う。


サラの提案に、面白そうだと他の子は思っていて。


「皆、先に行ってて良いぞ。なあ、アミリ。一寸向こう行くぞ!」


「な、何でよ。別に良いわよ」


(まわ)(くど)いのは止めだ、止め! 泳げないんだろ。なら、俺が教えてやるぞ」


「べ、別に泳げなんか、泳げなんかあるわよ。あ、有難う・・・・・・」


皆に先に先にやっててと言ったヒョウガは、アミリに泳ぎ方を教えてやると言う。


  アミリの小さな声で感謝を伝えると、ヒョウガは「まだ教えて無いけどああ、どう致しましてだぞ」と言う。


余り人の居ない所に行った。


「どうやって教えて欲しいんだ? 手を引っ張ってやる? それか、体を支える?」


「カ、体を支える? そ、そんなの恥ずかしいわよ! じゃ、じゃあ手を引っ張りなさいよ!」


「ま、そうだろうな。じゃ、早速入るぞ!」


と言って海に入った。


「は、離さないでよね。ヒョ、ヒョウガ先輩! も、もし離したら絶対許さないんだから」


「ああ、絶対放さねえぞ! 先ず息継ぎからやって見ろ」


「ブクブク、ハ~ブクブクハ~」


「もっとバタつかせろ!」


バシャバシャっと、アミリは勢いよくバタ足して。


「良し、良い感じだ! 次は悪いけど、やっぱり体を支えさせて貰うぞ」


「な、何よ。しょ、仕様が無いわね。良いわよ」


アミリは顔を真っ赤に赤らめながら承諾した。


ヒョウガに、お腹と胸を支えられてる状態になっている。


「んじゃあ、クロールの練習からだぞ」


「わ、分かったわよ」


 鼻で良きをしながら、バタ足をして、左右を交互に動かしって、水を掻いで、少ししてから息継ぎをし。


「一応だけどあれもやるか! 平泳ぎの練習もするぞ」


「ま、まだ放さないの? わ、分かったわよ」


蹼虫のように足でそてぞれ掻き、両手を同時に開く。

其の儘繰り返す。


「上手くなったぞ! じゃあ、一人で泳いで見ろ」


「い、良いわよ。やってあげる」


  バシャバシャブクブクハ~ブクブク、ハ~バタ足と息継ぎ良し、次は、クロールとスーハー、スーハー、バシャバシャと左右の手を交互に動かしてと、水を搔いてと、ハーで顔を傾けて息継ぎをし。


その次に、平泳ぎをした。お見事習得した。


「良くやったぞ! アミリ」


「お、泳げるようになったのは、そ、そのヒョウガ先輩の御陰だから、本当に有難う」


「やけに素直だな、アミリ。どう致しまして。まあ、そう言うアミリも可愛いから良いぞ」


「ホ、本気にするわよ」


  泳ぎ切った、アミリの所に行ったヒョウガは、アミリを良くやったと褒めた。それで直にお礼を言うと、キュンっと来る言葉をヒョウガに言われ。


皆の居場所を探す事にした、ヒョウガとアミリは少し歩いてると、皆が居る一角を発見した。


「お昼御飯にしよ。皆」


「も、もうそんな時間だったのね」


「嬉しそうですの! 何かあったんですの?」


「何かあったの? アミリちゃん」


仕方なく、アミリはみんなの耳元で小さく囁き。


「其れは良かったですの!」


「アミリ、屹度上手くと思います」


「ミューフィちゃんの言う通りだね。絶対上手く行くよ」


「やったじゃん。アミリ」


アーティナ、ミューフィ、カナミ、サラがそれぞれ思いを伝え。


「アーティナ、其れからみんな、何食べる?」


「じゃあ、僕は・・・・・・」


「貴方も行くのよ」


「で、何が良い?」


  その返事として、ヒョウガは、焼きそば。アミリも同じ焼きそば。カナミが炒飯。アーティナとミューフィがカレー。サラがラーメンを頼んだ。


今、皆が居るのはグライシーと言われる海の家だ。


少し待つこと、アーティナの両親が二つと一つづつ運んできた。


「はい、炒飯二つ持って来たよ」


と言って、カナミとアーティナの父の所に置く。


次に運んできたのは、焼きそばを二つとカレーを一つ運んで来た。


「はい、焼きそば二つね」


「おお、有難う!」


「あ、有難う」


お礼を言う二人に、気にしないでと言うように言う。


「さ、カレーだよ」


「有難うですの。お父さん」


  最後にアーティナの父がカレー二つ持って来て、一つはミューフィの処へもう一つは妻の処へと置いた。

 アーティナの父が漸く食べ始めた頃には、カナミやサラは食べ終わっていた。おまけに、先に持って来てたので冷めていた。


「ねえ、アミリちゃん。焼きそば美味しい?」


「そ、そりゃあ美味しいに決まってるわよ! 久し振りなんだから」


「じゃあ、ヒョウガは?」


「久しぶりに食べたから美味しいぞ!」


―――ああそう言えば、昨日のお昼に焼きそば食ったな。


とヒョウガは心中で思った。


 実はアミリも、


―――き、昨日のお昼食べたんだったわ。なのに今日のお昼も焼きそばにしちゃったわね。


と思っていて。


実は二人とも思っていることが似ているようだ。お似合い。


じーっと見つめる視線に気付いたアーティナは、


「一口上げるですの」


「じゃあ貰うね!」


——図々しいな。まあ何時もの事だけどな。


と、ヒョウガはカナミに思った。


そして、皆が食べ終わると、アーティナの両親と別れて、其の儘ビーチサイドに向い。

そして、一時間程の間、今度こそ遊ぶ。


先ず、ビーチボールをする。


「えい!」


「ホイ!」


「ここで一気にエや~」


「つ、強すぎるわよ」


チームは、ヒョウガ、アミリ、アーティナで一チーム、カナミ、ミューフィ、サラのように分け。


 最初は、が投げて、カナミが投げて、アーティナが返してきて、サラが行き良い速投げてきて、相手のサイドに落ちた。その次にいい勝負になったが、結果は、ヒョウガのチームが勝つ。


その次に、定番の水遊び。


「えい」


バシャッ


「やったですの。お返しですの」


バシャッ


「アミリちゃん。えい」


バシャッ


「や、遣ったわね。お返しよ」


バシャッ


そうやって皆楽しそうに水の掛け合いをしたして遊んだ。その後は、持って来た遊び道具で遊ぶ。


そして、モミナ家の別荘へと戻ることになり。


「それじゃあ、戻るですの」


「え~まだ遊んで居たいよ~」


「サラ、我儘(わがまま)は駄目です。まだ当分こちらにいるようなので、また遊べます」


ミューフィの言う事を渋々聞き入れて、今度こそ戻って行く。






次回は、モミナ家の別荘初日の後半と、ハイキングの話しの予定です。

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