終幕 主人と悪魔
今晩は。章末は、何時も以上に早く書き終えれました。
今回は、学園襲撃事件の前が舞台です。
学園長は、何年か前にある事件を起こしていた。その事件が明るみに出るのを恐れた学園長は、何人もの関係のある先生と秘書と一緒に学園を去ったのである。
そして、これは学園にライディスが襲撃に来る前の話。
元学園長と何人かの先生は、南西南の奥にある森を散策していたのであった。
ずっと奥まで進むと、何か輝かしい石の様なモノを見つけたのであった。その石の様なモノを手に取って見てみると、謎が多そうなのだがどこか惹かれる所があったのであった。
「これを見てくれないかのう！」
「これは何ですかね」
元学園長、セロラン・リュードが仲間の一人に見せると、思った通りそう言った。
「儂にも分からん。だが、何かを訴えてるように見えるのう」
「何かやって見ますか」
「そんじゃあ、儂がやる。能力〈念力〉じゃのう」
すると、その石の様なものがリュードが念力で亀裂が入った。
其れからは中にいる何かが自分達の力で残りを壊して出て来た。
中から出て来たのは、頭に二本の角を生やして、人の二倍や三倍大きい奴、少し小さい奴。体が鍛えられた肉体を持っている奴。上半身裸の奴から、着衣を着てるものまでいる。その正体は悪魔である。
その中の一体が、リュードたちの目の前に現れた。咄嗟に警戒したが、まあまあ、と手で何もしないとアピールした。
「殺るつもりはない。俺達をこの封印石から解放したのはお前達か？」
「おお、そうじゃよ」
「それは誠に有り難い。良しこ奴らと契約しよ」
後ろで見ていた、悪魔の姫がそう言った。
「よし、そうしよう。姫が言うのですから。お前らと契約をしよう！」
「ま・・・・・・待つのじゃ。何でも言うことを聞いてくれるか」
「ああ、勿論だ」
「よし、其れなら契約をするかのう。他のものも良いかのう？」
それを聞いて、うんと頷いた。
「よし、契約成立だ！さあ、何でも言ってくれ、命の恩人で主人様よ」
「良いかのう。それでは、先ず力が見たいのう」
契約成立と皆が喜び命の恩人に感謝する。
一体の悪魔に、リュードは、力が見たいとそう言った。
「良かろう。おい、漆魔」
「何だぜえ～」
「あそこを歩いてる少女に使って来い」
「良いぜえ～」
そう言って漆魔は、少女の所に行って催眠術を掛けたのであった。
「あの、少女」
「知ってるのか⁉」
「うむ、元務めてたうちの学園の中等課の一年までいた生徒だ。名前は、確かライディスだった。同じ学校の時の少年に何度も振られていたのを聞いてる。良く愚痴っていたのう」
「それは丁度良い。あいつは愚痴から生まれた奴だからな。彼奴が担当だ」
漆魔は、良いぜえ～と言いたそうな顔をしていた。引き受けたようだ。
「それで、何処にある学園だ？」
「北の端の、崖を上った所にある北武装守護学園と言う所じゃのう」
「よし、今晩までに其処へ行くぞ。漆魔、俺、邪姫様の三体でな」
そう言う事で準備を整えるのであった。
「これは面白い事になりそうじゃのう。でも、余りリアルな犠牲は出さぬようにのう」
「それが指示なら、必ず主人様に従う」
「それともう一つ頼みたいのう。ある大会の資料を盗んで来て欲しいのう。」
「よし、そっちも、漆魔に任せよう」
闇死神が漆魔に以心伝心で伝えると在処を聞いた。
「どこにあるんだ。それは？」
「会議室じゃ。場所はのう」
そう言って、学園の可成り分かり易い地図で指さした。
それを見終えると、地図を手に強く握り締めた。
斯うして、夕日が沈むのを眺めながら漆魔、闇死神、邪姫、ライディスは北武装守護学園の方へと急いで向かったのであった。
次回から二章に突入です。
私事ですが、早くかなり盛り上がる、第三章と第四章が書きたいですので頑張ります。
