5話 期末試験
今回の話しは、テストの話しです。
―――とうとうやって来たテスト当日。
ヒョウガ達のクラスの様子とは言うと
「やべ~テストだ。赤点だと追試だよ」
「それヤバいよね」
前の席に座ってる男と、その友達らしき女子がテストと言う事もあって慌て気味の様子。
それに引き換えヒョウガはと言うと―――
「ん……!? 皆慌ててるな。まあ範囲は広いから仕様が無いか」
「冷静だね、ヒョウガ。僕も今回は自信があるんだよ」
「珍しいな。エイトがそんなに自信持つなんてな」
後ろの席に座るエイトが、いつもより自信有り気に言って来るではないか。
「今日最初のテストは何だったっけ?」
「それはな、化学だぞ!」
「そうだったかい。可成り覚えるのに手間が掛かったからね。最初で助かったよ」
最初のテストが化学だと言われ、一安心して胸を撫で下ろしたエイト。
―――カナミの処のクラスはと言うと、
「ついに来たね。テスト本番!」
「そうだな! 僕も途中参加だったけど、テストがあるんだな。全然ヤバいな」
「勉強してきたなら大丈夫だよ!」
どうやらカナミは、テスト直前にも拘わらず余裕そうだ。
それに対しライディスは、不満を漏らす。
「最初のテストは、古代文の歴史だね」
「そうだな! これには自信はるんだ。徹夜した所為で、クマが出来たし凄く眠いんだけどね」
「それなら良かった。でも寝不足はお肌に悪いよ」
「それは言えてるね」
カナミが言うと、ライディスは自信満々に言う。
それで寝不足を告げると、カナミがお肌に悪いと指摘した。
それに自らも賛同する。
―――アミリ達のクラスはと言うと、
「遂に来たね、テスト…」
「あ,あれだけやったんだから大丈夫よ!」
「そうだぜ」
いつも通りのテンションでローゼンが言うと、アミリが緊張してるチャリと、平常心を保ってる振りをするローゼンに言う。
するとチャリが、友達の言葉で、嘘のように震えが治まった。
そして何時も通りに戻って。
「最初のテストは、美術だっけ?」
「そ、そうよ」
「美術は、絵画も出るんだよね」
「そ、そうなの!?]
チャリが確認の為に聞くと、アミリがあってると言う。
そしてローゼンは、テストの内容に絵画があると告げると。
それを聞いた途端にアミリは驚いてしまい、その反応を見てチャリがこう言う。
「アミリ、絵画は駄目なんだよな」
「い、今に始まった訳じゃ無いんだからほっときなさいよ」
「でもさ、テストに響くんじゃない? 多少でも」
「・・・・・ッ」
何も返す言葉が無い。正論だからで。
―――まあ、そんな感じ。
―――ミューフィとサラのクラスはと言うと。
「頑張りましょうね、サラ」
「おー。頑張ろー! 追試は回避するよー」
ミューフィがヤル気満々に言うと、サラも同じくヤル気に満ち溢れた意気込みを言う。
ミューフィ達のクラスの最初のテストは、保健体育だ。
そして―――テスト前の勉強時間が始まった。
時間は約ニ十五分程。
この時間の使い方が、勝負の鍵を握っていると言っても過言ではない。
しっかりと皆が、勉強をしてるような様子で。
テスト勉強の時間が終わり、HRが始まり―――
HRルームは何所のクラスも十分前後で終わる。
放課もテスト勉強に更けている人が多い。
そんな中、もう諦める生徒も出始めて。
そして十分が経過し。
キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
とチャイムが鳴った。
―――ヒョウガのクラスの様子はと言うと。
解答用紙が配られて、問題用紙に必要事項を記入。
それからテストを始めようかとしていて。
テスト時間は六十分間だ。
問題を見るなり、ヒョウガはスラスラと答えを記入していく。
エイトの方は、
―――この化学式の解き方忘れたよ。確か、これがこうなって、これが解らない。これは・・・・・パスだね
難解問題の一問を、途中まで考えた彼だったが、遂にはギブアップをしてしまい。
他の処は、自分の覚えた通りに書く。
―――カナミのクラスはと言うと、
―――あ、これガッツリ勉強しておいた処だ。これは赤点回避だだね。
と、覚えてきた通りに出て来てくれたおかげで、カナミはでスラスラと答えを書いていく。
他の箇所もすんなりと書いていた。
ライディスの方は―――
偶に難しい顔をする場面もあったのだが、何の問題も無い様子。
―――よし、これでこの教科は赤点回避だ。
と、ライディスは見直しを済ましてそう思う。
―――アミリのクラスはと言うと、
―――も、問題の方は思ったよりも簡単ね。それよりこっちの問題は……
そう言って、絵のお題の物を見てみると。
―――う、うん。これは難易度高いわね。下手な私に喧嘩売ってる訳? オムライス何て描ける訳無いでしょ!
とアミリは、お題を見た瞬間速くも諦めモードに。
―――お、これ分かる問題だ。こっちはう~んと、あ、思い出した。ここ昨日の夜に勉強した問題だ。
分かる問題を先にやったチャリが、途中で思い出してそれを書いた。
―――オムライスの絵か!? 教科書に載ってたの覚えたから大丈夫。
チャリの方は、オムライスの絵も大丈夫らしく。
―――意外に難しくない? 美術だけは勉強する時間なかったんだった。
首を捻るローゼンは、最早絶望に瀕している。
―――が、
―――絵の奴が三つもある。これで点数稼ごう。絵は自信あるし
勇逸挽回出来そうな絵があったため、自信有り気に描き込む。
―――あ、この問題、授業で最近やった処だった。思い出せた
何とか思い出した答えを記入する。
赤点をぎりぎり回避出来るのだろうか。
―――ミューフィとサラのクラスはと言うと、
―――覚え易い処が出てくれて助かりました。少し難しい問題がありますがこれなら問題ないと思います
集中力を切らさないミューフィだが、一寸身が軽くなったようだ。
赤点回避出来ると、確実に思っているに違いない。
―――これは覚えておいた所だー。あ! こっちはややこしい問題だー。う~んと、解んないよー。勘で書いておこう
スラスラ解答を記入するサラだったが、途中で行き詰まってしまう。
恐ろしい事に彼女は、直感を頼ることにしてしまう。
そして六十分が終わり、最初のテストが終わった。
休憩時間も有意義に時間を使う。
そして十分が過ぎ、二時間目のテストが開始されて―――。
ヒョウガのクラスは、美術のテストだ。
簡単そうにヒョウガは、スラスラと解答を記入していき、絵の問題も手こずること無く難無く終わらす。
エイトの方も、スラスラとはいかないものの、少し考えれば出てくるという感じで、其処まで苦戦してない。
カナミのクラスは―――保健体育のテストだ。
時折悩む素振りを見せるカナミだったが、何とか空欄無く埋めた。
―――当たっていれば、間違いなく点数が良い。
ライディスは、悩みに悩んだ挙句に勘で書く事にして。
アミリのクラスは―――数学だ。
アミリは、少し考え込んでから、問題を最後まで解いていく。
うー~んと考えたチャリは、何度も計算式を書くも、面倒になって勘で書く。
ローゼンは、スラスラと解き明かしていく。
―――ミューフィとサラのクラスは家庭科だ。
ミューフィは、問題を読むなりふむふむと、と頷いて答えを記入していく。
サラは何度も問題文を読み返して、納得がいったようで、答えを記入していった。
そして六十分が経過すると、チャイムが鳴って二時間目が終わる。
―――その後も、放課、三時間目、放課、四時間目と昼放課、五時間目、放課、六時間目とテストは進んで行く。
次の日も一時間目がテストで、そしてテスト終了。
「はあ、やっと終わったね。どうだった?」
「わ、私は大丈夫だったわよ」
「私はちょっと自信あるんだよね」
「私は、数学は勘で答えたからな!」
―――テスト終わりのアミリの教室。
聞いてくるローゼンに、アミリは大丈夫と、自信満々に言う。
ローゼンは、一寸自信が無いと素直に言う。
そしてチャリは、勘で答えたと爆弾発言をする。
「あ、あれを勘で答えた訳!? それ大丈夫?」
「赤点じゃない」
「どうしよう」
サラの肩を掴むなりアミリが言うと、ローゼンもそう告げた。
それを聞いてチャリは、今になって焦ってしまう。
「他の教科はどうなのかな? 私は、美術の空欄の処以外大丈夫だったよ。そうだ! アリミちゃん絵画どうだった?」
「き、聞かないでよ。ホント意味わからないわよ。何でオムライス何て描かせるのよ」
「私は、教科書に載ってるの覚えたよ」
当たり前のようにローゼンが、アミリに苦手な絵画について手応えを聞くと。
お題の一つのオムライスの愚痴る。そこでさり気なくチャリが、教科書のを暗記したと言う。
「で、でも大丈夫よ。他の処は張と書いたんだから」
「それなら安心だね」
アミリが、無い胸を張ってそう言う。
それを聞いたローゼンが、嬉しそうに言った。
―――ミューフィとサラのクラスは。
「サラ、どうでした?」
「保健体育、数学、生物基礎は自信ある。後の教科はヤバかったよー」
「そうですか。私は、まあまあ出来た気がします」
サラの近くに遣って来たミューフィが、テストの出来を聞く。
三教科には自信があるようだったが、他の教科は危ないと告白。
彼女は、サラと違って全教科に少なからず自信があるらしく。
―――ヒョウガの処は、
「やっと終わったな。エイト」
「そうだね」
「どうだったんだ? 今回は」
「そうだね、まあまあの出来かな」
後ろを向いたヒョウガは、エイトに話し掛けて。
テストの出来を聞かれ、まあまあだと答えた。
「そういうヒョウガはどうだい?」
「今回も良かったぞ」
「流石だね」
エイトが聞き返すと、信があると言うので―――流石と褒めて。
―――カナミの処は、
「やっと終わったね。ライディス」
「そうだな。凄く疲れたよ」
「私も。テストの方どうだった? 私は少なからず赤点回避は出来た」
「僕も赤点回避は出来たと思うよ」
ライディスは、隣の席から話し掛けてきたカナミに、心境を伝える。
そしてテストの方は、最低ラインである赤点は魔逃れたと言う。
「部屋戻ったらゆっくり休もう」
「それは良いね」
―――今は早く戻ってリラックスしたい様子だ。
そして長かったテストは、終わったかに見えた。
* * * * *
四日後、採点が完了した職員室。
「アゼン先生のクラスの生徒は追試の生徒が居ましたか?」
「ええ、私のクラスには、七人ほど、その中でも最も悪かったのは、チャリだな。一番酷かった教科は、数学ですな。あれは余りにも可成り酷かった」
アゼンと、呼ばれてた男の数学教師で、アミリ達の担任の先生がに女性教師が追試者の有無を尋ねて来る。
両手で七を表してアゼンが教えてから、一番酷い生徒の名前を口にした。
「美術のテストは、平均以上でしたよ。それよりも、ローゼンさんですね。絵は良かったんですが、後の所は酷過ぎましたから」
「そのメンバーの名前中でなら、その名前に出てきてない、サラさんですよ。保健体育、数学。生物基礎は良かったんですよ。その代わり他の教科は、絶望的ですがね」
太り過ぎの男性古代文の教師が、話に割り込んできて。
まだ出て無い少女を手を口にし、どれほど酷かったかを伝えると。
「まあ、まあ、その中で一番頑張っていたと伝わっていたのは、ローゼンさんですね。彼女は、美術以外は、平均より少し高めでしたし」
「あの三人組の中では、ローゼンが優秀ってことだな! テストの成績から見て」
アゼンは、ローゼンを一番優秀と称えて。
「それに比べて、アミリさんは優秀だな。成績的に良かったし」
太り過ぎの先生が、成績は良いと言う。
が―――しかし、
「ですが、アミリさんは美術の絵に関しては酷過ぎますよ。オムライスを描く問題の所とか、絵を描く問は!」
「見せて貰えますかな」
と言って、アゼンは見せて貰う。
「うん。これは酷い絵だな。本人には悪いがな」
「他の作品名とか、操作とかの問題は完璧でしたが・・・・・・」
「ああ、本当ですな。ここは凄いですよ」
太り過ぎの先生が、アゼンと美術の女教師に、他の問題の所は凄いとアピールをする。
「よっこいしょっと。それじゃあ、私は行って来るな」
「では、任せますね」
「では、任せますか」
立ち上がったアゼンは、ズボンを叩くと追試生徒を集めた―――自分の教室に向おうとする。
なので美術の女教師と、太り過ぎの古代文の先生が、そう言って手を振りながら見送り。
アミリ達、1-c組の教室。今は、追試の人の集い場だ。
そして教室の中には、サラ、チャリ、ローゼンの姿が見られた。
アゼンは、教卓の後ろに立って、その教卓に手を突いてこう言う。
「追試の奴全員来たな。来週追試があるから、お前ら張と勉強してくるんだぞ! もしそれで駄目だった奴は、成績にも響くからくれぐれも頑張れよ!」
「「「ええ~」」」
そう漏らす生徒が何人もいた。
それを聞いた生徒の中には、嫌な顔をする者も少なくない。
「まあ、何はともあれ、全員合格しろよ。先生は其れが本音だ。厳しく言うがな」
その言葉に、皆はやる気を出す。
それだけ言い終えると、アゼンは、解散と言うと皆を部屋へと戻らせて。
450号室 ヒョウガ達の部屋
「そ、それじゃあ始めるわよ」
そう言って、サラ、チャリ、ローゼンが、テーブルに向かい合って勉強を始めようとして。
「ま、まず、ローゼンの美術の作品名の覚え方はこうよ」
とアミリが、自分の教科書を見せて他の子がふむふむと頷く。
何故なら、とても分かり易く説明してあって、覚えやすくて見えやすいから。
「サ、サラとチャリには、私のノート貸してあげるわよ。これを見れば教科書よりは分かり易いわよ」
「ありがとうー。アミリ」
「センキュー」
アミリが二人にノートを渡すと、二人はお礼を言う。
その後、ノートを読んでいた。
すると―――少しずつ理解していく。
次に、アミリがピックアップした所を覚えた。
「これで、追試は合格だー」
「そうだね」
「目指すは、絶対合格な」
―――と言って部屋に戻ると、忘れない内に復習を繰り返し。
それから何度も何度も繰り返し一週間やると、遂に本番を迎える。
一週間後追試の日がやって来た。
三人の顔は笑顔だ。
それもその筈、テストの内容が分かり易いほどに教えて貰った個所だから。
三人共、テスト開始のチャイムが鳴ると、スラスラと書き始めて、早く終わった。
ここで、ローゼンが抜け。
次の教科も、チャイムが鳴って指示が終わるとササッと書き始めて見る見るうちに解答用紙が埋まって行く。
顔には不安にない笑顔が続いていて。
次の教科もスラスラと問題を解いていく。
ここで、チャリが抜ける。
最後に、サラが、すらすら問題を解いて行って、全ての教科を攻略したと思っていた。
追試が終わって三人だけでなく他の生徒も疲れた表情をしているて。
職員室での話。
「皆頑張ってましたね」
「その様だったな。チャリ、ローゼン、サラが特に自信に満ち溢れていた様だったな」
「それは期待できそうですよ。他の生徒はどうですかね?」
「ああ、まだ分からん」
美術教師の先生が、アゼンの所に近寄ってきて聞いて来ると、アゼンが状態を教えて行けるんではと言う。
隣の席の太り過ぎの古代文の先生が期待の二文字を口にして、後ろに、他の生徒の方を尋ねる。
「それじゃあ、採点してみますかね」
「手伝いましょうか?」
「俺も手伝いますよ。どうですかね?」
二人の手伝いたい気持ちが伝わって来たので、うんと頷いて手伝ってもらう事に。
そして、採点をすること、一、二時間。
「凄い。サラさん全部合格ですね!」
「僕の方で採点したローゼンのだが、全問正解だ‼」
「僕の方で、先採点したチャリさんのですが、ほぼ満点に近かったですよ。どんな勉強法を⁉」
美術の女教師、アゼン、太り過ぎの古代文の先生は、テストの出来に凄くびっくりする。
「他の生徒はどうですかね?」
太り過ぎの古代文の先生が聞いて来ると、
「こちらの方は、皆合格でしたよ」
「僕の方も同じだな」
斯うして不合格者が出ずに済んだ。
結果発表の日。
「お、おめでとうよ」
「ありがとう、アミリ。アミリのお陰で合格できた。それも二問ミスしただけで、九十一点だったー」
「センキューだぜ、自分でも驚いたぜ。まさか、八十九点だったなんてだぜ。次も宜しく、アミリ」
「アミリちゃんの御陰で百点取れたんだよ」
三人から名前を呼ばれるほど感謝されて、照れ臭そうな顔をするアミリ。
他の生徒もなんとか合格して、成績に響いた生徒は出ずに済んだ。
三人の先生達もそれを見てにっこりと笑う。
「良くやったな」
と、アゼン先生は呟いく。
次回は、第一章の章末です。