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契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第一章 天使との契約
5/33

4話 転入生と勉強会

今回は転入生登場です

翌朝、私が起きると、既に、ライディスさんの姿形が無くなっていたわ。


 「あれ? 置手紙があるわね、何々『又近い内に別の形で来ることになるから、宜しく! 後、アミリさんの恋を応援してあげるから、上手く行く様に』って、え!? 別の形ってまさか」


アミリがその手紙の内容が何を意味しているかに気付き。


「ん…? 何だ今のその手紙は?」


「な、何でもないわよ。ただの紙切れよ」


「そうか!」


起き上がって来たヒョウガは、少女の手に持つそれを尋ねると。

―――アミリが誤魔化すように紙をクシャクシャにして、ゴミ箱に捨てた。


―――ラ、ライディスさん、こっちの学園に来るのね。


と、アミリは嬉しそうにしていて。


     二週間後


「ねえ、ヒョウガ。私のクラスに転入生が来るんだって、それも今日」


「う~ん。そうなのか!」


そ、それって・・・・・」


「アミリちゃん知ってるの?」


今―――ヒョウガ達は学生寮から高等課棟までの道を歩いてる所で。


「し、知ってる訳無いでしょ」


「そうです。アミリが知ってる筈無いのです」


「そうだよなー。ウチら一年だもん」


 ―――ま、間違い無いわね。ライディスさん来るのね。でも、今更だけど何で私が隠してる訳なのよ?


と、アミリは確信するが、何故隠してるのか自分でも疑問に思う。


―――それからも転入生の話題で盛り上がってたが、別れの時が来て。


「じゃ、じゃあ又部屋でなんだからね」


「ああ、じゃあ又後でな」


 そう言ってアミリ達と別れ、階段を上がって行き―――ヒョウガとカナミは一緒に、アーティナと別れた。


カナミとヒョウガもそれぞれ分れて。

そして、教室に入って行く。


「おいおい、聞いたか。隣のクラスに転入生が来るんだとよ」


「男かな、女かな。それともオカマかな」(笑)


クラスでも又、転入生の話題で持ち切りだ。


「やあ、ヒョウガ。おはよう」


「ああ、おはよ、エイト」


「それにしても、何処もかしくも転入生の話題で大盛り上がりだね」


―――エイトは、転入生が襲撃者だった少女と仮説を立てた。

そして、ヒョウガに思ったことを言う。


「確かに学園中で話題になっているみたいだな」


「そうそう」


「そろそろ、HR始まる見たいだぞ」


先生が来たのを見てそう言う。


そして、一時時間目、二時間目、三時間目、四時間目と進んで行き、昼休みになり。


「んじゃあ、昼飯食うか」


「そうだね。今日は何作って来たんだい」


「ああ、今日は肉じゃがだだぞ」


弁当箱を開け、先ず摘まんだのは、肉じゃがだ。

とても食欲をそそる良い匂いが漂っていて。


「それじゃあ戴くよ」


「んじゃあ、食うか!」


そう言うと食べ始めた。


「ヒョウガ、肉じゃが貰うよ」


「んじゃあ、その代わりトルグラ貰うぞ!」


―――トルグラとは、野菜とお肉をを辛味で絡めて卵で包んだ一品。


そう言うとトレードし。


「ん・・・・・・流石ヒョウガだね。美味しいよこの肉じゃが」


 「ん・・・・・・このピリッとした辛さ癖になるぞ! エイトの処のルームメイトもまあまあだな」


「僕もいつもそう思って食べてるんだよ」


何時もの様にエイトは、ヒョウガの料理を褒めてると。

彼もエイトのルームメイトを褒め称えて。

そして間食すると、空の弁当箱を片付けて、お話しし始め。


三十分程話していて、トイレに行って帰って来ると丁度昼休みが終わるチャイムが鳴り。


―――五時間目は数学だ。


女の数学教師が、黒板の前で授業を始める号令をする。

 それが終わると、先生は黒板に公式を書き始めた。

少しして書き終えると、誰を当てようと名簿を見ていた。

その結果―――ヒョウガに。


黒板に書いてあるのは、整式の除法で、剰余の定理だ。

どう言うのかというと、整式p(x)をx-aで割ったときの余りはP(a)だ。

これが、剰余の定理らしい。

 又、a,bが定数で、a≠0の時、整式P(a)を一次式ax+bで割った時の余りは、P(b/a)に。これはP(x)=(ax+b)a(x)+Rにおいて、P(-b/a)=Rとなることよりわかる。

 で、黒板に書いてある問題は、Pを5とした時、5²+5=5+1=何。そしてR=5(1/2)=何? 5x=x⁵となる。x²=(2x-1)5x+1/72となる。5x=x⁴+xをx-3x+2は、x⁴+x=何? で、5x2-7x+6+ax+bは何? x²-3x+2=0である。それで次の公式が空白になっていた。


「では、アリマ君、ここの空白に当てはまる数を、答えてください」


 「ああ、5²+5=5+1=51で、、R=5(1/2)=1/72になる。5x=x⁴+xをx²-3x+2だから、x⁴+x=5になる。15x²-7x+6+ax+bは6、1でx=6だ。6=a+bで、5⁴+6=6x+bで6を4回掛けて6×4=24で24+6になって、30、もう一つは、30-6。だから24.因って、30x-24だろ!」


「正解ですね!」


流石ヒョウガだとエイトが先生に思う。


エイトや他の生徒達は、難しいなと思っている。

それだけやると、次の処である整式の除法の因数定理を学習した。

―――もう授業を聞かず、寝る生徒が出て来たモノの先生によって起こされ。

五時間目が終わり、放課になる。

放課が終わって六時間目の化学も、何事無く終わった。

その後もHRは何時も通りだ。


「んじゃあな、エイト」


「それじゃあね、ヒョウガ」


お別れを言うと、ヒョウガは部屋へと戻って行く。


    450号室 ヒョウガ達の部屋


「帰ったぞ!」


―――ヒョウガが部屋に入ると、そこにはルームメイトに加えてライディスまでいた。


「お、お帰りなさい。ま、間違えたわ帰って来ちゃったのね」


「お帰り、ヒョウガ」


「お邪魔してるよ!」


素直に挨拶しようとしたアミリは、思い出したように態度を変えて。


「んで、ライディスはどうしてこっちに転入して来たんだ?」


 「それはな、僕のお父さんが仕事辞めたんだ。それで、こっちで新しい仕事探すって事で今に至るんだ」


「そうなんですのね。ライディス、これから宜しく」


ヒョウガがライディスに質問を問い掛けると、納得のいく答えを彼女は返す。


「それより、このじゃがフライのコンソメ味食べましょう」


―――コンビニで買って来たお菓子を、袋から出す。


「故郷パイ食べるかい? これ美味しんだよな」


「俺、それ好きだぞ! アイスコーヒー味も入ってるぞ!?」


「わ、私も好きよ」


アミリは何の迷いも無く、紅茶味を選んだ。


この故郷パイはミックスで色んな味が入っているようだ。


「そう言えばさ、皆の誕生日って何時だい? 僕は十一月二日だよ」


「俺は八月十四日だぞ!」


「そ、そうなのね。私は六月十二日よ」


 他の四人も「私は十二月十一日」とカナミが言って、アーティナが「アタシは四月一日ですの」と答えた。ミューフィは「十二月二十一日です」と言って、サラは「二月二十九日だよ!」と答えた。


―――お菓子が一段落した時には、すっかり陽が沈んでいた。

なので急いで片付けを済ます。


「じゃあ、僕は帰るよ!」


「ああ、じゃあな」


「またね! ライディス」


「ま、又来なさい。ライディスさん」


他の三人も、ライディスにお別れの挨拶をして、ライディスは本当に部屋を出て行く。


「なあ! そう言えば、ライディスのルームメイトってどんな奴らだろうな」


「面白い人達とだと、賑やかになるんじゃない。屹度ライディスも楽しめる人達だよね」


「ま、関わる事は無いだろうけどな」


ふとヒョウガは、ライディスのルームメイトに興味を持ち。

他の皆も気に掛け。


―――その頃ライディスはと言うと。


ライディスは自分の部屋に入った直後。


 「遅かったのじゃ。何処に行ってたのじゃ? 妾は遊び相手が居なくてつまらなかったのじゃじゃ」


「ご免よ! ヒョウガ達の所に居たんだよ。リーフ」


 「ヒョウガじゃと!? あの本気で戦わないで態度が悪くてDランクになったまんまじゃという。あの!?」


リーフと呼ばれた幼女は、ライディスから彼の名前が出てくると驚いた顔を見せる。

そして直ぐそしてに、嬉しそうな顔をしながら話し始め―――。


「それより他の皆は何してるんだい?」


 「えっと、コロネは夕飯の準備なのじゃ。ガウェールとエボットは、テレビを見てるのじゃ。ザクは、本を読んでるのじゃじゃ」


「へえ~そうなのか。晩ご飯は何だろうな」


そうライディスがが呟くと、それを聞き取った彼女はが嬉しさの余りはしゃぐ。


その理由は―――


「今日は、妾の大好物のハンバーグなのじゃ」


「そうなのか!」


「お風呂の湧いた音がしたのじゃ」


―――ピピって音がして、リーフが言う。


キッチンから遣って来たコロネので、リーフが他の皆を呼びに行く。


そして四人は、両手にハンバーグに、キャベツとトマトが乗った皿を机に運ぶ。

ガウェールとエボットは机を拭いたり、フライパンを洗ったりして。


「さっ、先に夕飯を食べますよ」


コロネが言うと、皆が席について食事の挨拶をする。


「どれどれ、ん…。このハンバーグ美味しいな」


「そうなのじゃよ。コロネの作る料理は最高なのじゃじゃ」


「そうですか」


ライディスに褒められ、おまけにリーフにも大袈裟に褒められてしまい。

コロネ、は少し頬を赤らめて照れ臭そうに言う。


「確かにな。これなら毎日食べても飽きない」


「嫌々、毎日食べたら飽きるやろ」


ガウェールが納得と言わんばかりに褒め上げるも、エボットがツッコミを入れて。


―――皆が食べ終えるとコロネは、


「リー、お風呂入ろうね」


「妾は別に良いのじゃ」


「否、俺と一緒に入ろうな、リーフちゃん。楽しい事しよう」


 「ガウェール先輩、そんなことしたら変態です。ロリコンですか? リーに卑猥な事するつもりですね。それか体全体を目で見て頭の中に焼き尽くすつもりですね。警備員隊呼びましょうか」


コロネの言葉を聞いて、リーフはリビングから出る。

扉の陰からガウェールへ警戒を向く。


「冗談だ、冗談! だから警戒の目を向けないでくれ。後、さっさと入って来な」


「それじゃあ、ガウェール先輩とエボット先輩、後片付け宜しく!」


言い終えると、二人は脱衣所に向う。

―――コロネ達が出てくると、次にライディスが入りに行く。

ライディスが出ると、エボット、ザク、ガウェールの順に入りに行った。

歯磨きも終わり皆が寝室でベットに就き寝ようとする。


「では、お休みなのじゃ!」


リーフが言うと、皆がお休みを言って眠りに就く。


斯うして、ライディスの転入初日が終わった。



 ―――その頃、ヒョウガ達はと言うと。


皆が寝静まった頃、


「ねえ! ヒョウガ。アミリちゃんへの誕生日プレゼントどうする?」


「ん…!? ああそうだったんだな。コソコソ」


「確かに、あの子喜びそう」


カナミが起きてたらしく、ヒョウガを起こしてヒソヒソ話をし始める。

内容は―――アミリへの誕生日プレゼントについてで。


―——俺は、もう上げるものは決まってるぞ!


と、ヒョウガは思った。


―――それから何も起こらないまま一週間。また一週間、更に一週間と過ぎて行く。

    

  三週間後の月曜日の話。


昼休みのアミリの教室。


「あ~来週からテストか!」


「そうだったっけ!? テスト……テンションダウン」


 「ま、まあ、授業聞いていれば大体行けるわよ。別に余裕だけど技術問題は当然出るわよ!」


  ―――私から見てみて右に座ってる蜂蜜色の髪が特徴的な少女、ローゼンと、其の隣に座ってる鶯色うぐいすいろの髪の少女、チャリよ。二人とも私の親友よ。


と、アミリは二人を紹介して。


「そ、それじゃあ、仕様が無いから、私の部屋で勉強会するわよ!」


  「良いよ、良いよ。私達の部屋で。あ! 確かに、アミリちゃんのいとしのヒョウガ先輩に、教えて貰えなくなるもんね」


「べ、別みヒョウガ先輩になんて教えて貰わなくたって・・・・・・でも今回だけは特別に良いわよ。聞いてきてあげる」


アミリは、頬を赤らめてしまう。


――へ、部屋に戻ってから聞いてみよう!


と、アミリは心の底でそう思う。


そして昼休みが終わり―――五時間目が始まった。

この時間の授業は、古代文だ。

古代文の授業では、この世界の古代に使われていた文学を学ぶ授業。


「先生、また太ったんじゃないか?」


「それ言っちゃ駄目だよ。小声でも」


「そ、そうよ。ああ見えて気にしてるんだから」


コソコソと不躾な事を言うチャリに、ローゼンとアミリが注意して。


―――それが聞こえていた太り過ぎの先生が、目を光らせてるように見える目で。


  「それ気にしてるんですよ。ダイエットしようとしてるんですがね、つい甘いものが止められないんですよ」


「でも、長続きしないんでしょ!」


怒るではなく、自らの口で話し始め―――。

生徒の一人が、三日坊主だから、その体系になっていると言われ。


「なら皆さんも一緒にいかがですかな。一緒に授業内容を変えて、外を走るのは!」


[[[ええええええ]]]


脱線して話し始める先生が、授業内容を変えるとまで言い出す。

それにはさすがの生徒達の声が轟く。

それ程嫌がる為、結局其の儘の体系をキープするようだ。


そんな事を三、四十分話している内に、授業は終わってしまう。

太り過ぎの先生が、済まない済まないと言って、休憩を取りに行く。

水分補給とトイレを済まして、先生が戻ってきた。


それから少しして、キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。


チャイムが鳴り、授業が再開された。


 「古代文学と近代文学との違いだがね。それは、使う文字です。古代文学には、古代文字を要いて表現していて、言葉に関しても古代言語を発していたが、近代文学は―――今教科書で書かれている文字や今使っている言語、小説などへと変わってきている」


 授業を必死で聞いている生徒が居る中―――ウトウトしている生徒、更に教科書を読んでる振りして、寝ている生徒もいる。


 「それじゃあ、この小説を個人で読んでもらおうですな。寝ていた生徒は、宿題を二倍にするよ」


個人で小説を読むことに。


寝ていた生徒へ仕置きとして先生は、宿題二倍を言い渡す。


―――寝ていた生徒の目が、死んだ魚のような眼をしていて。


そんな事お構いなしに、個人で小説を読む時間が始まった。


何の物音もしないが、偶にページをめくるだけで静かな空間が続き。


そんなこんなしている内に、授業は終わる五分前になってしまう。

なので、先生が小説の解説を始め―――。


 「この小説を書いた、エレクトロ・マイネーは、こちらの『禁断術を止めろ!』と言う作品も書いている人ですよ。テストには、この作品と、著者の名前を出すから」


 「それと、禁断術については、また今度の授業でしっかりやりますよ。後、今日やったことも張と復習しておいて下さいね!」

 

手にに持っていた本を見せて、テストに必ずる一つを教えてくれる。

そして最後には、次回の授業の内容もチラッと触れて。


そして、授業終了のチャイムが鳴った。


 「それじゃあ、今日はここまでだよ。宿題を一人一人に配りに行く。配られた人から終わりにして良いから」」


予告通り―――眠っていた生徒には二倍になったプリントが配られていく。


全員分を配り終えると、荷物を持って職員室に帰って行った。


「ガーン。宿題が増えたぜ」


「仕様が無いよ。寝てたんだもんね」


「そ、そうよ。自業自得よ! 恨むなら自分を恨みなさい」


チャリの机には、アミリやローゼンの二倍のプリントが乗っている。

―――誰として、助けるつもりはないようだ。

それも当たり前の話。


話しながら帰りの準備を済ませ、十分が経った頃、HRが開始された。

 

 内容は―――先生の連絡で、来週からテストだから、気を引き締まってとか、授業変更の知らせ、テストの範囲表が配られただけ。


「では、これでお終わりだ。さよなら」


[[[[さよなら]]]]


先生が言うと、サヨナラを返して先生は教室を出て行く。


「テスト範囲多いね」


「ホントだぜ。こんなに広いのか!?」


 「そ、そりゃそうね。じゃあ、さっき言ってた勉強会の件聞いてきてあげる。じゃあねよ」


「じゃあね。アミリちゃん」


「またな」


それだけ言うと、二人と別れて、部屋に戻る。


              ♢  ♢  ♢  ♢


 450号室 ヒョウガ達の部屋


今、ヒョウガとアミリの二人きりの状態。


―――ヒョウガはソファーに座っていて、少女は立っていて。


他のカナミ達は何処かに出掛けてる様だ。


「ん…‥!? 何か聞きたいことがあるのか?」


「べ、別に無くも無いわよ。た、唯」


彼の顔を窺うアミリに気付くと、ヒョウガはさり気無く聞く。


―――予想通りの反応が少女から返って来る。


「こ、今週の土曜だけど、その空いてるわけ?」


何為どうせ、テスト勉強だろ! 良いぞ、別に」


「え? 付き合ってくれるの?」


―――アミリは意外だったな


と心の中で思った。


「んで誰が来るんだ?」


 「しょ、仕様が無いわね。特別に教えてあげても良いわよ。わ、私のクラスメイトの友達。ミューフィとサラも一緒にやるの」


そう言って、ソファーに座る彼の隣に腰かけ。


「い、良いでしょ。別に直ぐ傍に座ったって!」


「ああ、全然良いぞ。それよりもおやつ要るか?」


「た、食べるわよ」


ヒョウガはその言葉を聞くと、冷蔵庫の方へ向う。

少女もソファーから降り、食卓へと移動する。


「プリンとケーキ、どっちが良いんだ?」


「そ、そんなの選べる訳無いわよ。で、でもどっちかと言うと、ケーキ」


「ん、分かった。んじゃあ、ホイ」


と言って、彼が渡したのは苺がたっぷり入ったチーズケーキだ。


ケーキを美味しそうに食べるアミリを見て、ヒョウガは口を緩めて微笑む。


「な、何ニヤニヤしてるのよ。そ、そんなに私が可愛いの!?」


「ん‥…!? ああ、そりゃあ可愛いぞ」


「―――あ、ありがとう」


お世辞かもしれないが少女は、その言葉を聞いて嬉しそうにそう返す。



―――その頃部屋の入り口付近では。


「ねえねえ、どんな感じ?」


「えっとですね。二人とも仲睦まじい様ですの」


「それ本当!?」


「冗談ですの!」


こっそりと四人が、部屋の様子を窺う。


犯罪的な匂いがすると思ったのも束の間、冗談だと知らされて何だと納得する。


「ん……!? 皆そこで何してんだ?」


ふと、ヒョウガが振り返ると、バレたかと観念したように出て来たが、


「「只今」」


「只今ですの」


「ヒョウガ先輩、只今帰りました」


素知らぬ顔でリビングへと入って行く。


  「今日の料理当番は、アーティナとアミリだぞ。張と俺が手伝ってやるぞ。作るものは、コロッケだぞ」


「分かったですの」


「わ、分かったわよ」


既にコロッケの材料は昨日買って置いたようで、ヒョウガは野菜室から食材を取り出す。


キッチンの上に必要な材料を用意して。

エプロンに着替えた二人は、彼と共に始めようとしていると。


「まず、小麦粉とパン粉を適量ボウルに入れる」


「こ、こうね」


「次に、サラダ油も適量入れる」


アミリが、自信を持てたのか、自分は何も言わず成功して。


次に刻みニンニクも適量入れた。


 「次は、牛乳を大さじ二杯入れるんだぞ。醬油は大さじ一杯。麵つゆ、みりん、砂糖、料理酒其々大さじ一杯づつだ」


その指示に従って進めていく。


「ア、アーティナ先輩、玉葱切りなさいよね。1/2に」


「分かったですの」


そう言うと―――まな板の上で玉葱をきっちり1/2に切った。


そして調理開始。


「んじゃあ、先ず一に、じゃがいも(大)を半分に切って、竹串がすっと通るまで茹でるんだ」


「こ、こうね」


アミリは包丁でじゃが芋を半分に切って用意して於いた竹串を使って()で。


「次は二に、フライパンでごま油を熱し、みじん切りした玉ねぎを飴色になるまで炒めてくれ」


アーティナが指示に従って炒め。


 その後、三でヒョウガは、アミリにそこに豚ひき肉&桃刻みにんにくを入れて更に炒めるように指示をした。 そして上手く行く。


四に、お肉の色が変わってきたらを入れて煮るようにヒョウガは、アーティナに指示を出す。

その後、水分が飛んだら一旦お皿に出しておく。

 

 ——五、一で茹でたじゃが芋をボウルに入れて潰し、そこに牛乳を入れて混ぜるんだぞとアミリに指示を出す。六に、じゃが芋と牛乳が混ざったら、六でお皿に取ったお肉を入れて更に混ぜ合わせるんだぞとアーティナに指示を出した。俺が塩コショウを少し入れた。


 七、混ざったらコロッケの形を作っていき、小麦粉→溶き卵→パン粉の順番で衣をつけてるとアミリとアーティナに言って、実行してもらう。見事に上手く出来た。


 ——八に、フライパンに薄く(底が隠れるくらい)サラダ油を入れて、九のコロッケを両面焦げ目がつくまで焼いていくんだぞと指示をする。 九に、焦げ目がついたら完成だ。


「おお、上手にできたじゃねえか」


「も、勿論よ。ヒョウガ先輩が教えてくれたんだから」


「そうですの。美味しそうですの」


「それじゃあ、カナミ、サラ、ミューフィを呼んでくるぞ」


「ヒョウガ、机の上拭いておいたよ」


机の上をカナミが、台布巾で綺麗に拭く。


「ミューフィとサラを呼んでくるぞ」


そう言うと、ヒョウガは寝室の方へ向かう。


「おい、ミューフィとサラ、晩ご飯だぞ!」


「はい、分かりました」


「ウチも、分かったよー」


彼が、晩ご飯を知らせると、サラは、すぐさまにリビングへと向かい。

ミューフィはそこまで急がないスピードで向かう。


「んじゃあ戴くぞ!」


「「戴きます」」


「い、戴きます」


「戴きますですの」


「戴くよー」


席に着いたのを確認した俺は、戴きますの挨拶をした。それに続いて皆も挨拶する。


パクッ、


「ん~ん。このコロッケ美味しいね」


「そ、そうでしょ。私とアーティナ先輩で作ったんだから」


「ホントだー。凄く美味しいよー」


カナミがコロッケを褒めると、アミリが自信満々に言った。

そして、サラも美味しいと絶賛するようで。


 「ああ、ホントだな。俺は教えただけだから、ここまで美味しく出来るとは中々のものだぞ」


「あ、ありがとう……」


「ありがとうですの」


彼に褒められて、素直にアミリとアーティナがお礼を言う。


残りのコロッケも間食して、他に机に乗っていたサラダなども間食し。


「はあ~お腹一杯ですの」


「じゃあ、今日の皿洗いの当番私だから皆持って来てね」


「は、はいこれ、宜しくよ」


そう言って皆が、カナミの前に空の食器を置いたり、流し場に置きに行く。

サラが、机を綺麗に拭いた。

それが終わると、台布巾を洗ってきつく絞って、洗い場の近くに置く。


歯磨きを済ませると、皆が寝る準備に取り掛かり―――。


「んじゃあ、そろそろ電気消すぞ」


「うん、分かった」


「い、良いわよ」


それを言うと電気を消す。


「お休みなさいですの」


「お休みなさい」


「お、お休みなさい」


「お休みー」


 ―――他のヒョウガとカナミも「ああ、お休み」とヒョウガが言って、「じゃあお休み、皆」とカナミが言う。


皆が寝た時刻は、十時半過ぎ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


  土曜日の午後


トントンと、450号室のドアをノックする音がした。


「「お邪魔します」」


と言って、ヒョウガ達の部屋にローゼンと、チャリが入って来て。


「い、入らっしゃい」


アミリが、二人に声を掛けた。


「そんじゃあ、始めるぞ」


  ―――リビングルームにある机の上に、教科書やノートを広げて、アミリ、ローゼン、チャリ、ミューフィ、サラ、俺で座布団に座っている。


「んじゃまあ、まず何から教えて欲しいんな?」


「そ、その生物を教えなさいよ」


「私も生物は苦手なんだ」


「それ私も」


―――てなわけで、先ずは生物を教わることに。


「まず、ここの、タンパク質の合成の語句のRNA,転写、スプライシング、翻訳、セントラルドグマの意味は必ず出るぞ」


「そこが出るんだ」


「出るね」


「ま、まあ当たり前ね」


必勝の為に彼は、出る個所の一つを教えた。

教えて貰った個所をノートに書き込む。


「次に、恐らく出る人のホルモンの内、成長ホルモンの他にある二つは何だ?」


「分からないです」


「わ、分かんないわよ」


「答えは、甲状腺刺激ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンだ。ここ覚えるんだぞ」


―――答えを聞いてそうなのかと頷く。


 「後、免疫の処の先天的生体防御と後天的生体防御の仕組みについては出るぞ。先天的生体防御は、異物の侵入を阻止。御殿的生体制御だと、体液性免疫と細胞性免疫は出る」


「は~い、覚える」


他にも生物基礎に出る詳しい所を教えて貰う。


「次は数学を教えて。理数系は特に苦手なの」


「ああ、分かった。まず何処が分からないんだ?」


「じ、実数の処よ!」


 「良いぞ。代入する計算からな。一つ目はな、xとyの対称式だ。因数分解の処でも習っただろ。対称式は、xyとx+yに分解していくことが出来るんだぞ。二つ目は、ⅹⁿ+1/xⁿという形だぞ 。x+1/x の値から,x²+1/x²などの位を求めていくんだぞ。んで、解くヒントとして、何乗が求められるか注目するんだぞ」


それを聞いて―――ふむふむと理解したかのように頷く。


次に分らないとと指したのは、二次不等式の解と係数と言う処だ。


 「ここは単純に、解から二次不等式を作って係数比較すれば良いんだぞ。ここの例題は、連立方程式を作る方法と係数を比較する方法の二つで示すんだぞ。授業じゃ難しくしてるけどな」


「そうだったんですか」


「ここ覚えれば少しは楽かなー」


ヒョウガの説明を聞いて、四人共納得した。


「後は、ここを解くときは、この形式を使えば簡単に覚えれるぞ」


「あ、ありがとうよ」


「凄く分かり易いね。これなら先生変わって欲しい」


「先生の授業のより全然良い」


―――彼の教え方は分かり易く、四人共先生以上に上手いと太鼓判を押す。


(うして勉強会は終わりを迎える。


残り二日。


必死に勉強をし、そして、遂にテスト前日。


この日も死に物狂いで勉強をして、そして本番を迎える。





















次回は、テストと追試の話しを予定してます。

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