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契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第一章 天使との契約
4/33

3話 天使との契約と少女の過去 (挿絵あり)

天キスの一章の大事なとこっろです

今、ヒョウガ達がいるのは、学園の中のBエリアにある競技場だ。


ヒョウガ達とライディスが戦闘準備を整えて、戦いを始めようかとしていた。


 ―――競技場の周りは、安全防御壁が透明ながらも設備されてる為、外に出れば傷は癒えて、無傷の状態にまで戻るのだ。但し心の傷は残ってしまう。


今は、殺気が漂うだけの空間が数分間も続いく。

何一言喋る事無く黙ったまま、その時が来るのを待つ。


先ず最初に、仕掛けたのはライディスだ。

―――彼女は、天に向かって呪文を唱えた。


闇沈空間(オスクリテンクスペース)


  呪文を唱えるや否、空が見る見るうちに闇に飲み込まれていく。

(やが)てはては、空は愚か、辺り一面までも暗闇一色に染まってしまい。


「何だ? その技? 魔法は」


「この闇を晴らせばいいのですの」


「ん・・・・・・? 否、待て! 相手の出方を見てから・・・・・って、おい! 人の話しを聞け」


ヒョウガが、止めようとした時にはもう遅く。


次の瞬間―――アーティナはライディスのゼロ距離に瞬間移動しており。


——何故こんな暗闇で動けるんだ?


と彼が抱いた疑問はすぐに晴れることに。


「どうしてこんな暗闇で動けるんだい?」


「それは簡単な事ですの。アタシの能力『射闇線光(いあんせんこう』を使っただけですの」


 彼女が分かるよう説明している。

その内に、閃光に導かれミューフィとサラがこちらへと辿り着いた。


 ―――アミリは他の五人と違い、遠距離用の武器の銃な為、遠距離攻撃の準備に取り掛かっていた。


「これでもくらいなさい。

        武装魔銃術<火炎弾(ファイヤー・ブレット>‼」


そして完了した所で、少女へと銃口を向け、引き金を引く。


―――バンバン。


彼女は燃え上がる炎の弾を放つ。


そして、一ミリたりともズレることなくライディスの元へと飛んで行く。


―――当たれば、致命傷は免れないのだが、運悪くかわそうとしてアーティナに直撃し。


「や、やっちゃったわね。今度こそ行くわよ!

               武装魔銃術<氷炎弾(フレームアイス・ブレット)>‼」


そう言って、もう一度少女へと銃口を向け、引き金を引く。


―――バンバン。


氷と炎の弾が一つとなった弾が、ライディスの元へと飛んで行く。


 (かわ)そうとするが間に合わず、左足目掛けててつく氷と焼き付けつ炎を真面まともに食らう。


「ぐおおおおあ~~」


「ハアハア、アタシの攻撃ですのよ! 

           武装魔剣奥義<光魔一剣(シャイニングバース)>」


眩い光が突如照らし付けられた。

それを直視したライディスは、当然ながら目を失眼させられてしまう。

その隙にアーティナが、光魔剣で少女の腹に斬撃をお見舞いする。

闇が晴れかけたおかげで、彼らも動き易くなった。


攻撃を食らったはずのライディスは、全然平気の様子だ。


「残念だけど、そんな攻撃効かないよ。次は僕から行くよ。

                    漆魔刀剣奥義<魔刃(デビルブレード)>」


発動した途端、周りの空気は一転。冷え始めた。


何時の間にか幾つもの魔物が出現してて。

 アーティナ、ミューフィ、サラ目掛けて全方向から襲って来そうになるはずなのだが―――


「俺たちの事を忘れてるんじゃねえぞ!」


「そうだね! やっと私たちの出番ね」


「んじゃあ、戦いますか」


ライディスが、三人にに気を取られてる隙に、ヒョウガとカナミが後ろに回り込む。

 

―――魔物達が彼女たちを襲おうとする寸前に、彼が風を起こして阻止し。


「中々やるね。出もこれはどうかな」


そう言うや否な、ライディスの体が闇に飲み込まれていく。


 「これで、三人どころか全員まとめて終わりだ。

                漆魔刀剣奥義<死闇毒切(モルテネステルブレイクり>ッ」


「俺の風で消してやるよ。能力<暴風>‼」


闇に飲み込まれた彼女からは、一匹の魔物が出て来た。

その魔物からは、毒気と禍々しさを漂わせていて、普通なら勝てない。

彼目掛けて襲い掛かろうとした魔物が、直前で吹き飛ぶ。  

そしてヒョウガは、四歩後ろに下がった。



―――中々やるね


とライディスがそう思っていると、次なる攻撃が発動し。


 「まだ攻撃は終わらねえぞ! 

       武装二刃剣奥義<水流二刃切(アクアストリームシュナイデン)り>」


ヒョウガは、二つの剣を上に掲げや否や、剣先から文字通り―――奔流していく。

―――たかが水だと侮ってはいけない。

少女が避ける隙も与えられぬまま、右足を掠めてしまう。


「惜しいね。もう一寸だったよ」


「やっぱりか。掠めるぐらいか。まあ良いぞ! そろそろ良いぞ、カナミ‼」


隣に立つカナミに、ヒョウガは時が来たかのように指示を出す。


「任せてね。

   武装想像(グローイメージ)火焔狼(フレームウルフ>」


目を瞑って、彼女が想像したのは炎に包み込まれた狼だ。



 



挿絵(By みてみん)








「――何だ、その火焔を纏う狼は?」


「食らってみれば分かるよ!」


「そんな攻撃、漆魔刀剣に効く訳が……何!?」


ライディスが構えた剣ではなく、腹部へと潜り込んで行き―――体ごと燃やす。


―――これで終わりみたい。


とカナミが後ろを向いて油断してる。その刹那―――、


「げホげホ、ハアハア能力で作って置いた風船のお陰で、ふうふう。何とか防ぎきれたよ」


「可成り疲れてるようだしヤバそうだ。! 

    だから終わりにしてやるぞ! 武装二刃剣奥義<無限(アンリミテッド)七色レインブル>」


無限に続く七色の風が、少女の周りを包み込み、身動き不能にする。


そして、やっと解放されたライディスへ。

容赦のない一撃を、ヒョウガア放つ。


「武装二刀剣奥義<七色風切(レインブル・ウィンドブレイク)り>」


 ―――欠かさず剣を構えるが抑えきれず、それが七色風の鋭い刃となって振り下ろされた。


「ぐはっ、こ、ここまで強いとは……」


バタッ、


『後は、俺に任せておけ良い! 暴れるぜえ~。』


倒れたライディスに、漆魔は元の姿に戻り、其の儘体にりつく。


「おい、大丈夫か? ライディス、先の化け物が体の中に入って行ったけど」


 「ぐはははは、遂に、遂に人間の体を手に入れたぜえ~。さあ、楽しませてもらうぜえ~虐殺をな!」


突如として、狂喜し始めた少女に憑りついた魔物は、全員の前で殺人予告を出す。


——あれ? ライディスの姿が消えた!?


とカナミが思うと。

刹那にして至近距離に現れて、防御に入る隙も与えぬまま、


「先のとは威力が違うぜえ~。

         漆魔奥義<魔刃>」


幾つもの魔物が先より多く現れ、そして襲い狂う。


「げほっ、げホげホっう……」


ばたん、カナミは、真正面からその場に倒れ込む。


「カナミ先輩、大丈夫ですか?」


「よそ見する余裕があるようだな」


「よくも、よくもカナミ先輩を……絶対に許しません!」


次なるターゲットに、ミューフィを選んだ漆魔が現れた直後―――。

  恨みを込めた言葉を吐き捨て、彼女の武器である魔笛を口に咥えて音色を奏でると。

そこへ一羽の鳥が音色に誘われて舞い降りてきた。


「ほう、催眠鳥使いか。面白そうな相手だぜえ~楽しませて貰おうか」


  「あの魔物に一泡吹かせてあげましょう。

               催鳥魔術<天空(ヘブンズ)機関(ノーム>空に参りましょうか」



ミューフィがそういうと、鳥に無理矢理跨らされて天空へといざなう。


―――天空へ誘った悪魔を待ち受けていたのは、謎の発条(ぜんまい)が仕掛けられていただけ。


「何だ? この見るからに怪しい発条は!? まあ、こんな攻撃効かねえぜえ~」


「・・・・・」


漆魔が余裕そうにしているが、彼女はただ黙り込んで様子を窺う。

そしてタイミングを見計らって、独りでに発条が動き出す。

全体目掛けて鳥の嘴から放たれた機関弾が、悪魔の目前に迫る。


「そんな弾、軽く避けれるぜえ!」


「忘れてるようですね。ここはワタシが創った雲です。それにこの雲にも仕掛けがあります」


「何だと…!? 足が動かねえぜえ」


漆魔は、足元を見ると、魔物撃退雲が発生してしまい。


「クッそ~足が動かねえぜえ。来るな、来るんじゃねえ~グ…ゔおおぉ」


機関弾が、身動き不能な悪魔に向って、強烈な一撃を刺したと思う。

が―――しかし悪魔がこんなんでられると甘く見ていたことを、後で悔やむ。


「何てな、悪魔は再生できるんだからな」


「そ…そんな…再生するなんて無しです。でも終わりです」


「どういうつもりだ…雲が……消えた!?」


そう言うと、ミューフィは催眠鳥に飛び移り、雲を全て消し去ると。


漆魔は其の儘墜落して行く。


すとん。


その時ヒョウガは葛藤をしていた。


―――今の彼奴には、俺の攻撃はもう効かない。それに技も駄目だ。見ていて分かる。状況からしてライディスも救わないといけない。今の俺にはそんな力は無い。


とヒョウガは思う。更には、


―――他の仲間も体力の消耗が激しい! これ以上は無茶だ。どう足掻いても勝ち目はない。


彼女(バケモノは、まだまだ元気らしく、空から落ちたにも拘わらず、余り聞いて無い様子。


絶体絶命かと思われた。と、その時―――


  突如として彼の目の前に目映まばゆい光が現れ、その光が見る見るうちに人影へとなっていく。

  そして完全な形になると、そこにはいたのは一人の幼気いたいけな少女。見た目は、百三十二センチメートル位だろう。


 「君がヒョウガ君ですね。話は片付けてからにしましょう。さ、契約をしますね! 反論は認めないです!」


そう言うや否な、幼気いたいけな少女は彼の口元に、自分の口を近付けてると。


チュッ! 凄く柔らかい唇の感触がし、おまけに女の子独特の匂いが間近で漂う。


 「何するんだ! 良い匂いだぞって違う。駄目だ! 君みたいな、小さな女の子にキスさせれなんて。否、この場合分かってもらえるはずだぞ。でも警備員さんに通報されるレベルだ!」


「契約完了です。ご幣があるようですが、私は天使です」


「ああ、分かった? んじゃあ、本物の天使だっていうなら、その力借りるぞ」


ヒョウガの返答を聞いて天使は「勿論。その為に契約したんだもん」と嬉しそうに言葉を返す。


「て……天使だと!?」


「行きますね!」


「ああ、何時でも良いぞ!」


彼が言い終えるのと同時に、彼の周りを光が包み込んだ。


「く…‥眩しい。何だその力は」


「・・・・・・」


――あの魔物の問いかけを、俺は無視する。


「これでも食らえ! 

     天使奥義<閃光神斬(スパークッド・スラッシュり>」


―――閃光の神を降臨させた天使が、漆魔に抵抗の隙も与えずに真っ二つに切裂く。


「う……。だ、だがまだ再生が!? 嘘だろうぜえ~」


『天使の攻撃は悪魔には効果的なんです』


「そうだったのか!? 

     んじゃあ、止めを刺すぞ! 天使奥義<天裁(エンジェッジ)(ウィング)>」


巨大な天使の翼が、悪魔へと裁きとなって振り下ろされた。

 ―――勝負ありだった。

ライディスの体は酷い事になってるも、漆魔本体の方が酷く、血塗れで、瀕死状態なので。


「ゔ、てーな。何て強さだ……て……天使使い…‥げホげホ。次はお前を殺してやるぜえ」


それだけ言い捨てると、血を吐いて、ふら付きながら、空へと飛んで逃げてて行く。


―――漆魔は、安全防御壁を通り抜けることが出来る悪魔なのだ。


見えなくなってから、ライディスを連れてバリア空間から出る。

すると、見る見るうちに傷が無傷の状態へと戻って行く。



―――僕は夢を見た。最初にヒョウガ達に出会った時のことを。



これはまだライディスが小等課の時の話。


 ―――私は、お父さんの仕事の都合で引っ越してばかり。その所為でロクに友達が出来ない。


ライディスは、父の仕事の都合で引っ越してばかりの生活を送っていた。


その所為で何時も独りで過ごしてた。


 ―――次の引っ越し先は、お父さんの仕事がし易いようだった。私の方は、転校してすぐは、友達ができるか不安が募っていたんだ。


「今日から新しくこのクラスの一員になる、ジャス・ライディスさんです」


 ジャス・ライディスです。好きな食べ物は、グラタンです。これから宜しくお願いします」


「では、ライディスさんの席は一番後ろのヒョウガ君の隣です!」


と言って、先生はヒョウガを指して、次に隣の席を指す。


—— 私は其の儘席に着こうとした時、


「俺の名前はアリマ・ヒョウガ。仲良くしようぜ、ライディス」


「えっ!?」


 「ほら、行き成り親し過ぎよ、ヒョウガ。私の名前はフヅキ・カナミ。カナミで良いよ! 仲良くしようね」


  思ったより普通に仲良くなれた。彼女は考え過ぎていたのだ。だって何回も引っ越しを繰り返しているから。


それから沢山話すようになり、一緒にいるのが珍しくなくい。


そして二年後のある日、事件は起こる。


「きゃああ~」


 ョウガが学園の庭を散歩していると、よく聞きなれた悲鳴が聞こえて来たのに気付く。


「あんたさ、年下のくせに、年上の私達に口答えするの⁉ ブスが出しゃばるなよ、ムカつく奴」


「おい、そこのチンピラ。ライディスから離れろ! 手を出したら絶対に許さねえからな」


「ヒョウガ…」


「何だてめえは、年上に向かての礼儀ってもんがなってねえな」


「ハネルさんが出なくても勝てますよ」


チンピラに絡まれてる、ライディスを見つけたヒョウガは止めに入り。


 ると、ハネルと呼ばれた男が(もた)れていた壁から離れると、ヒョウガの前に立ち塞がる。


「俺がやる」


そう言って、競技場へ全員で向かう。


準備を整えると、向かい合い。


「どこからでも掛かってこい」


「調子に乗りやがって。武装三刀剣奥義…てどこ行った」


「後ろだぞ」


「何時の間に!?」


ハネルが振り向くと、そこにはヒョウガが居た。


「これでも食らえ。能力<鎌鼬(かまいたち)>」


そして、次の瞬間には、ハネルの背中に鎌鼬をお見舞いする。


そして終わった。


「よくもハネルさんをやったな」


「止めとけ。俺が勝てないんだ。これ以上は言わなくても分かるよな」


「「覚えておけよ! 次は負けないからな」」


ハネルは、勝てないと惨敗を喫して仲間と共に逃げて行く。


「ありがとう、ヒョウガ、否、王子様!」


「大丈夫か! ライディス」


――― 私は初めて恋に落ちてしまう。


それから二日後、思い切って彼に告白した。返事は、


「私と、その……付き合ってください」


「ん…‥? ああ、悪いがご免。そう言うの面倒臭いから」


キッパリと断られた。その後、何度も諦めず告白するも、答えは全部駄目で。


 ――そして私は、中等課二年になって直ぐにお父さんの仕事の都合で引っ越してしまう。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


そして現在。


                バトル施設 出口



「まず、私の名前を付けてください。ヒョウガ君」


「ああ、そうだな。何にするか。ん~とじゃあ、シナモンにするか」


ヒョウガは、出口の近くにいるカナミ達と少し離れたところで、天使に名前を付ける。


「ねえ、何独り言行ってるの?」


「カナミ、なんて…そうか」


 「もう~何回も言ってるじゃん天使だって。シナモンは、天使の中じゃ下の方だけど、正真正銘の天使だもん!」


「否、疑っちゃいねえけど、実感が湧かねえぞ。それより、先の魔物は何だ?」


天使――シナモンは、何時の間にか喋り方が馴れ馴れしくなっており。


 それを気にしていないヒョウガは、彼女が言っていることを全て信じることにすると、先の戦った相手のことを聞く。

シナモンは、淡白とOKすると、もう一度口を開いて話し始め。


 「それで、先戦った人型の魔物は、漆魔。十悪率いる悪徳罪業団の十悪の一体、愚痴から生み出されたんだ。私達天使は、唯一十悪に対抗できるんだもんね」


 「ん…!? てことは、あんな強い奴が他にも九体いるのか。先が思いやられる。否、来ないでくれりゃあ良いんだけどな。後、俺だけじゃねえか」


―――話が終わると、ライディスの直ぐ傍に行って、カナミが離れて行く。


すると、ライディスは目を覚ました。


 「は? 一体僕はここで何を? あれ、ヒョウガ。向こうにはカナミも、でもなんで?」


「それはこっちが聞きてえぞ。んじゃあ、どこまで覚えてるんだ?」


「え~とな」


 彼女は思い出してから皆に詳しい経緯を伝えて、それによって元学園長が悪魔と手を組んだことが明らかになって。


 「それより、もう学園の門閉まってるぞ。ライディス、今晩は俺たちの部屋に泊まってけ。安心しろ! 皆。元に戻ったから」


 「戻った? まあいいや。良いのかい!? でも、ヒョウガのルームメイトが嫌がるんじゃないか?」


「ホ、ホントに戻ったわよね。それなら、別に私は嫌何て言わないわよ」


アミリはライディスを泊めることに賛成した様だ。

他の皆も、うんと頷いて決定した。


「んじゃあ、部屋戻るぞ!」


そう言って、ヒョウガ達の部屋に戻って行く。



             450号室 ヒョウガ達の部屋


「うんじゃあ、皆、寝るぞ!」


「そうだね。お休み」


「お、お休みなさい」


「お休みですの」


 ヒョウガ達が部屋に戻ると、直ぐに寝る準備をして、ベットに横になった。そして電気を消す。


三十分位が経過した頃、


「ねえ、アミリちゃん、起きてる?」


「な、何よ一体。起きてるわよ」


「アミリちゃんて、ヒョウガのこと好きなんでしょ」


 「ふぇ!? ええ?? わ、解んないわよ。でも、ヒョウガ先輩と一緒にいると、何故か心臓がドキドキして胸がギュっと締め付けられるのよ! それに苦しくなるの。後、先も、ヒョウガ先輩の事考えてたら眠れなかったのよ。何でか知らないけど」


アミリの寝台は、一番奥でカナミの隣り。


―――アミリちゃんて、自分の感情に鈍感ね。


 と、カナミが思っていると、床で寝ていたライディスがアミリの隣に静かにやってきて言い放つ。


「それか断言しよう。完全に恋だよ! 百パーセントそう」


「私もそう思うよ。二人合わせて二百パーセント!」


「え…そ、そんな。わ、私が、ヒョウガ先輩にこ、恋しちゃってるの」


―――ど、どうしよう、どうすれば…。


とアミリが考えてると、アーティナとミューフィがやってきて助太刀してくれて。


「ふ、二人共起きてたのね。それと、何時から聞いてたのよ?」


「最初っからですの、アミリ。アタシが手伝ってあげるですの」


「ワタシもです。出来る事全部協力します」


「え!? て、手伝ってくれるの!? しょ、仕様がないわね、良いわよ」


ライディスとカナミも頷く。


そして、もう一人は。


「はああ~。何か楽しそうな話してる。ウチも手伝ってあげる」


「あ、ありがとう」


―――誰も聞き取れない位の音量で感謝を伝えると。


「い、今更なんだけど、何で分かったのよ、ヒョウガ先輩が好きってこと?」


  「だって! ヒョウガを見る目が恋する乙女みたいな目になってる時がよくあるし。後、多分誰でも分かるんじゃない。本人以外わね」


「そ、そんな分かり易いっていうのね」


「じゃあ、今度こそお休み!」


そう言って今度こそ眠りに就く。


打明けた事によって、アミリの心は少し軽くなっており。


斯うして、知るもの全員での協力関係が始まりを告げた。









次回は、転入生登場。


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