25話 お風呂のち美少女
もっと早く投稿できるはずが、データミスって全て消えてしまって、撃ちなおしてしまう事態になったせいで、投稿が遅くなりましたよ。
済みません_(._.)_
今回は、次回予告にあった通り、海底楽園都市に来て初の特訓に、イベントを詰め込みましたよ!
今回も量が多くなってしまいましたよ!
昨夜の事件の事は、忽ちに都市中、更に関係者らの耳に広まり、警備隊や捜査隊が朝からバタバタと動き出す騒動になっていた。
そんな中―――選手ホテルの内右側のホテルの二階。中央の方にあるヒョウガの部屋では、事件など知る由もないからか、まだ暢気に眠っている。
すると、
コンコンと、ドアをノックする音がするも、反応は勿論ながら返ってこない。
その為、メイドは自ずと部屋へと入り込む。
「ご主人様、朝です。起きて下さい!」
と、エーゼルが起きるように促すと。
欠伸をしつつヒョウガが目を覚まし、すぐ隣で眠る全裸な幼女を起こす。
「おはよう」
「おはようなのじゃ」
「おはようございます・・・・・・って、ツッコミたいことがあるのですが、どうしてこの子を裸にして、隣りで寝ているのでしょうか? まさかその子にふしだらな事を・・・・・・。もしかしてロリコンさん? と言う人ですか。となると、私の事もそう言う目で見ていたんですね」
何事も無いように普通に挨拶をしてくる二人に、流されそうになってしまいそうな自分にツッコミを入れて、当たり前な疑問と、勝手な結論付けをされてしまい、自分も対象なのだとばかりに妄想をしてしまう。
「そうなのじゃよ! でももう既成事実もあるのじゃじゃ。だから、妾だけの物なのじゃ」
「ん・・・・・・!? 否、既成事実何て作った覚えは一度も無いぞ!?」
「分かりました。警備隊を呼びましょう?」
「否否、本当に違うからな」
リーフがでたらめを吹きかけ、彼の言うことを余所にし危うくなりそうだった為、強く否定した所、渋々理解かってもらえたようで。
「警備員さんで思い出したんですが、先程捜査隊の方が、大会の関係者に話を聞いていたんです。その理由は、昨夜運営委員会の方の一人が、関係者用ホテル近くで殺されたという事件があったそうです」
「ん・・・・・・!? こんな楽園でそんな恐ろしい事があったのか。大切な試合も始まってないのに・・・・・・犯人は絶対に許さないぞ!」」
「ヒョウガの言う通りなのじゃ。妾も犯人を見つけたらコテンパンにしてやるのじゃじゃ」
ふと、思い出したようにエーゼルは、昨夜起きた事件について話す。
それを聞いた二人は、思い思いの事を口にして。
「それよりも、お嬢様! 浴衣を着て下さい」
「分かったのじゃ」
と言うことで、リーフは脱ぎ棄てられた浴衣とパンツを拾い上げて、着替え始める。
そして数分を経て、幼女が着替え終えたところで、丁度良く部屋の中にパンとコンソメスープ。それと牛乳を選手ホテルの従業員が部屋の奥―――窓際にあるテーブルの上まで運び込む。
一人分かと思いきや、ちゃっかり二人分用意してあるではないか。
なので窓際の席に二人は見つめ合う容に座った。
その内に従業員の人が布団を畳む。
「んじゃあ食うぞ!」
「そうするのじゃ」
そう言って食べ始めて―――
パクッ、
「ん~ん、このクロワッサン、サクッとしていて、それに甘くて美味いぞ!」
サクッ、
「ん~ん、。サクサクしていて本当に美味しいのじゃ」
―――二人はまず初めに、クロワッサンを口に頬張ると、幸せそうな顔をし、
続いてヒョウガはメロンパンを掴み取り、リーフはクリームパンを掴む。
サクッ、
「ん~ん。メロンパンもサクサクしていて、甘くて美味いぞ!」
パクッ、
「妾が食べているクリームパンも凄く美味しいのじゃ」
と、またも幸せそうな顔をしてて食べる二人。
ゴクゴク、
「ん~ん。このコンソメスープも美味しいのじゃ」
「確かに美味いな。このスープ」
と二人はコンソメスープに下包みを打ち。
残りのパンも次々となくたって行き、牛乳もあっと言う間に完食して少しして、従業員の男性が空のバケットと空の容器を提げて全て持って行き―――。
それから少し寛いでから、部屋から持って来てあった歯ブラシで先にリーフが歯を綺麗に磨き、その後ヒョウガも洗面台で歯を綺麗に磨いて、嗽を済ませ、顔を洗う。そしてタオルで拭く。
素子からに十分ほど二人は話してから。
幼女は玄関の方へ向かい、
「それじゃあ、妾は行くのじゃ。また後でなのじゃじゃ」
「ああ、分かったぞ! んじゃあな」
そう告げるや否、リーフはドアを開けて、自分の部屋へと戻って行く。
幼女が立ち去ってから、彼は着替えをして、カナミ達の部屋に向う。
トントンとドアをノックし、ドアを開け放つ。
―――中に入ったところ皆着替えが済んでおり、部屋の中に設けられている椅子と窓際のある椅子にて寛いでいて。
彼に気付いて、そちらに集まってきて。
「ヒョウガも聞いたよね。事件の話」
「ああ、聞いたぞ!」
「―――そ、それにしても物騒な話よね。」
「確か殺された人って、何処かの運営委員会の人ですのよね?」
「もしかして、昨日ヒョウガ先輩が言っていた元学園長の仕業なのではないでしょうか?」
最初にカナミがそうヒョウガへ話を切り出すと、すぐさま彼は返事を返し、アミリが体を震われながら、その話に触れる。
そしてアーティナは、殺された男のことで聞いた情報を伝える終わった瞬間、ミューフィはハッとして、それから開陳する。
彼女のと言葉を聞いて、少し考え込んだヒョウガは、うんと頷いて―――。
「元学園長自ら手を下すとは思えないけど、そうだとすると、昨日の潜水艇内での騒動にも納得がいくぞ!」
「あれって確か、長身の男性乗組員さんがニセ爆弾を見つけたあれだよね」
「そうだ。あの乗組員が自作自演でやってたとすると、辻褄が合うぞ! 全員をわざわざ港に全員を下ろして、その隙に何処かに待機していた元学園長らを艇内に入れたんだ。違和感が有ったんだよな。あの乗組員には」
自分なりの推論を語る彼に、聞いていた彼女たちは忘れていた呼吸を思い出して、肺に酸素を送って。
「てことは、元学園長は何かの目的で仲間? に殺された男の暗殺を命じたって事ですの?」
「ああ、多分そうだろうな」
「そ、それが本当だったら私たちが狙われる事は無いって事よね」
ヒョウガの話を読み解くことが出来たアーティナは、自分が行きついた答えを口にしたところ、正解だったらしく。
アミリは、それを聞いてほっと胸を撫で下ろし。
―――そ、それにしても、ホントにそれだけのためにわざわざ来た訳じゃ無いわよね? でも何かあったら、私が・・・・・・力足らずかもだけど、ヒョウガ先輩は守ってあげるわよ、何としても!
と少女は、彼の顔を凝視して思い。
―――これで終わるとは思えないぞ! 必ず何か他にも狙いがある。もし矛先がこっちに向いたとしたら、必ず俺が仲間を守るぞ!
と彼もアミリのように守りたいものを守ると、心の中で誓い。
「話が難しかったけど、詰まり昨日の予想が的中したってこと―」
「確かにそうなるな。まあ、今俺達に出来る事は無いから、話は終わりにするぞ!」
イマイチ付いていけてないサラだったが、分かった事だけで分析し、昨夕の仮説が正しかったのだと喚くも、彼に無理矢理話を締めくくらせられて、今日これからの話になった。
「んじゃあ、午後から特訓をするぞ!」
「―――そうだね。確かに特訓はしないとだもんね! それじゃあさ、午後までぶらぶら街歩きしよっか」
「そ、それ良いわね!」
「アタシも賛成ですね!」
「ワタシもです」
「ウチも-」
心の整理をし終えた彼女らは、ヒョウガの提案を受け入れ、カナミが街歩きをしようと可否を問うと。
全員が賛成したので、善は急げと言うことで、準備を整え、選手ホテルを後にする。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昨日行かなかったお店やスポットを巡り、それから一際大きな服屋へと入って行く。
―――入るとあちらこちらを見ていたぞ。
「そ、その、ヒョウガ先輩。これに合うと思うかしら?」
とアミリが手に取ったのは、フード付きの紫のダッフルコートだ。
「ああ、凄く似合ってるぞ! すごく可愛いな‼」
「そ、それじゃあ、リーフと私、どっちが可愛いの?」
「何張り合ってるんだ? そんなのアミリに決まってるぞ!」
それを聞いたアミリは面映かったのだろう。
―――そっぽを向いてから。
「あ、ありがとう」
ぼそりと呟いて。
「そ、それじゃあ、これを・・・・・・」
彼女は値段に目をやり、思わず絶句してしまい。
その光景を目にした彼は、アミリから取り上げ。
「ど、どういうつもりよ?」
「ん・・・・・・!? どういうつもりってみての通りだぞ!」
「そ、そんなこと分かってるわよ! 何で買おうとしてるのよ!」
「そんなの決まってるぞ! こんな良いコート、他のお店にはないかもしれないぞ! それにコート持ってないって言ってただろ。だからプレゼントしてやるぞ!」
彼の言う通りだ。確かに艇内で言っていた。
話しは潜水艇で、東の港に向う艇内に戻る。
「ねえ、そう言えばさ、皆は冬物の上着持って来た? 私はベージュのカーディガンを持って来たんだけど」
「アタシも持って来たんですの! 何せ帰るころには十一月も終わり位ですもの。因みにあたしが持って来たのは、青のセーターですの」
「ワタシは紫のブラウスを持ってきました。これで寒さは大丈夫です」
「ウチは黒色のブレザージャケットだよー」
「俺はグリーンのジャケットだ」
カナミが行き成り冬服の話題を持ちかけると、それぞれが持って来た物を伝えて。
そんな中、ただ一人だけは文字通り―――蚊帳の外にホッぽり出される形になってしまい。
「わ、私は言えに冬物の服が無かったわよ!」
「それは大変ですの! 絶対に帰りは寒いですのよ!」
「ああ、確かにアーティナの言う通りだぞ! 誰かのを借りるか?」
―――そ、それはどうなのかしら? 誰かから借りるって。
と思ったアミリは。
「わ、悪いわよ! 私が借りたら誰かが寒い思いさせるんだし。 その人を風邪ひかせちゃうかもしれないでしょ?」
そう、借りたと仮説を立てた時の気遣いをし、借りないと言うので。
「でもな、アミリ。そんな気遣いしてると多分、自分が風邪ひくぞ!」
「ヒョウガの言う通りだよ!」
「自分の体を最優先すべきですの!」
「三人の言う通りです。トーハヴエーダが流行る時期ですので、気を付けないと」
「ウチもそう思うよー」
などと彼らが、自分の心配をしてと言うから。
「か、考えておくわよ!」
―――皆の心配のお陰もあって、止むを得ずそう決める。
そして現在に至る。
「し、仕方ないわね、お願いしてあげるわよ!」
「ん・・・・・・!? 了解」
と言ってヒョウガが会計に向い、その内にアミリは外へ出て行く。
少し経て、彼が店から店名であるア・ファラデーチェと書かれた紙袋をぶら下げていて。
カナミたちもアミリと一緒に待っていた。
「んじゃあ、これだけ置いて来るぞ! 此処で待っててくれ。すぐ戻って来るから」
「あ、うん。分かった」
「も、戻ってきたらお昼ご飯にするんだからね」
「ん・・・・・・!? 分かったぞ!」
ヒョウガが紙袋を見せながら伝えると、カナミが承諾し、アミリがお腹が空いてるからと急かす。
なので彼は、くるっと踵を返して、急ぎ足で選手ホテルへと向かう。
今日は昨日と違い、やけに人出が少ない。
あると言えば、警備隊の巡回や捜査隊の人達が事件について調べたりしている位い。
恐らくは―――昨晩の事件が起因だろう。
そして歩くことに、三十分。選手ホテルに辿り着くと。
フロントを抜け、エレベーターで二階に上がり、カナミたちの部屋に向う。
―――部屋に入り、アミリの荷物の所へそっと置く。
それが済み、先程別れたお店の前まで引き返す。
計一時間ちょい経て、ア・ファラデーチェの前に辿り着き―――。
「それじゃあ、ご飯にしようですの!」
「何にしましょう」
「そうだね。ドリアやグラタンは昨日食べたし、パンは朝食べたもんね」
ヒョウガの到着を確認するや否、昼ご飯の話になり、
其々悩む。
「んじゃあ、もうラーメンで良いか?」
「ラーメンか。確かに少し冷え込むから好いね!」
「ウチもラーメン食べたいよー」
彼が皆に可否を問うと、カナミとサラが賛成し。
―――他の三人も、賛成だと言う風に頷いたので、決定し、早速ラーメン屋を探しているも、見つからない。
仕方なく反対側を探していると、漸く見つけた。
「んじゃあ、入るぞ!」
と言って、店内に入り込む。
そして案内されたのは、両方共が木製の椅子の席で。
席に着くと、早速置かれていたメニューに目を通す。
「んじゃあ、俺は醤油ラーメンにするぞ!」
「それじゃあ、私は豚骨ラーメンにしようかな」
「う~ん、そ、それじゃあ、私は味噌ラーメンにするわね!」
「では、アタシは塩ラーメンにするですの!」
「それでしたら、ワタシは葱ラーメンにします」
「う~ん、じゃあ、ウチはトマトラーメンにするよー」
そそれぞれが注文するものが決まったようで、丁度水を持って来たウェートレスが注文を伺う。
そしてラーメンをそれぞれ頼む。
そして待つこと何十分か経て、次々と運ばれてきて。
頼んだものが目の前に置かれ―――。
そしてそれぞれが食べ始める。
「ふう~ふう~。ズズズズ。ん~ん。やっぱラーメンと言えば、醤油ラーメンだ。凄く美味いぞ!」
「ふう~ふう~。ズズズズ。ズズズズ。ん~ん。美味しい。豚骨は良いね!」
「ふう~ふう~。ん~ん。観、味噌がよく麺と絡まっていて、コクが出ていて美味しいわよ!」
「普通の塩ラーメンですけど、美味しいですの!」
「此方の葱ラーメンも、ネギがたっぷりと入っていて、とても美味しいです」
「トマトラーメンもトマトの酸味が麺に合ってとても美味しいよー」
それぞれが食べた率直な感想を述べると。
ゴクゴク、
「ん~ん。醬油のスープが上手いぞ!」
ゴクゴク、
「ん~ん。豚骨のスープも美味しい」
ゴクゴク、
「ん~ん。観、味噌にコクがあって、甘くて美味しいね」
「ん~ん、サッパリしていて美味しいですの!」
「葱がスープととても相性が良くて、凄く美味しいです」
「ウチのとトマトのスープも美味しいよー」
とそれぞれがスープに下包みを打ち。
そして残りを食べて行き―――あっと言う間になくなってしまい。水を飲んでから口拭いて、レジに向い、そこで会計を済ます。
それから、ずっと真っ直ぐに行った所にあるスタジアム近くにある特訓場へと向かう。
―――さてと、今日はどれぐらいの人が特訓してるんだって・・・・・・て言わなくても分かるか。
と、辿り着いて直ぐ中を覗き込んで、ヒョウガはそう心の中で思う。
入り口を潜り抜け、中へ入り込むや、早速特訓の準備に入る。
「んじゃあ、始めるぞ!」
と準備が完了した彼女たちに合図を送ると。
「では、行きます」
「ああ、何時でも良いぞ!」
―――これからやる特訓は一対一らしく。
ミューフィが挨拶をすると、彼はそう返す。
「催鳥魔術<炎隼>‼」
ミューフィが魔笛を吹くと、炎を纏う隼を呼び出し、ヒョウガへと襲い掛かられる。
がしかし―――、
「そんな攻撃じゃ駄目だ。能力<旋風>‼」
透かさずヒョウガは、その技に向け、渦のように巻き上がる風で吹き飛ばす。
「流石です。ヒョウガ先輩!」
「ん・・・・・・!? まあな」
少女に褒められて、彼は当然のように言う。
次はアミリの番のようで、ミューフィと入れ替わりに、彼の方へと向かい。
「い、行くわよ!」
「ああ、何時でも良いぞ!」
アミリのセリフを聞き、ヒョウガはそう返すと。
彼に銃口を向けて、引き金を引く。
バンバン、
「武装魔銃術<究極の虹色弾>!」
「その技はまだ食らったこと無いな。神力、風神!」
アミリは全ての魔力を使って虹色の弾を創り出して、一ミリたりともズレることなく彼の元へと飛んで行くも―――。
ヒョウガは風神を、目の前に出現させた直後。彼の中へと消えて行き…。
ヒョウガの体中を、風の覇気が包み込み、飛んで来た弾を風で薙ぎってしまい。
「な、何て技よ⁉ 強過ぎるわよ!」
「ん……! まあ、そうなんだろうな」
彼は其の儘の状態で、次にアーティナの番となって。
「行くですの!」
「ああ、分かったぞ!」
と言うや否、ヒョウガの後ろに瞬間移動したアーティナは、技を発動。
「武装魔術<光耀一剣」>!」
彼女の魔剣が輝き始めて、彼に斬りかかるが―――
「能力<旋風>‼」
ヒョウガが渦のように巻き上がる風でアーティナごと吹き飛ばす。
「風神の力って凄いですの!」
「そうだろ!」
感心したように呟くアーティナに、彼はそう偉そうに返す。
それから風神の力を解除してから。
次はカナミの番になり―――。
「それじゃあ、行くね!」
「ああ、勿論、何時でも良いぞ!」
とヒョウガが言うと、少し時間をを経て。
「武装想像<猛獣麒麟>!」
「行くぞ! シナモン、天使の力借りるぞ!」
「うん」
とシナモンの了承を得た直後、 カナミが準備を完了させると、誰もが知るであろう空想上の生き物とされている麒麟を出現させる。
それに合わせて彼も、天使を出現させ、それを輝く天使の光に変え、襲い掛かって来た麒麟を吹き飛ばす。
そして、消してしまう。
「あの昨日見た天使って本当に凄いんだね!」
「そのルビ振りのせいで、怒ってるみたいだ。シナモン! まあ、そうだぞ」
カナミが昨夕に見た天使の強さを知り、彼が尤もな事を言う。
次はサラの番となって、
「何時でも良いよー」
「んじゃあ、行くぞ!」
とヒョウガが言うと。
「天使光輝奥義<天界の四重羽落とし>‼」
シナモンが天界へと飛んで行くと、巨大な羽をサラへと落とす。
「妖精、何とかしてー」
―――はい、マスター、分かりました。
と言った次の瞬間。サラの目の前に真っ白な妖精が出現して。
「あれを何とかしてー」
「出来るかどうか分かりませんが、了解です。<ソルーム・ミータ・シテ―ト>!」
妖精が呪文を唱えると、未知数の鍵が突如出現して、技に鍵をかけて封じ込めようとしたが、どうも駄目で、身動きも封じ込めれず、其の儘爆ぜる事も出来ず、攻撃を食らってしまう。
勿論のこと妖精は消えてしまい。
「ぐおおおぁ~。痛い痛い痛い痛いよー。流石ヒョウガ先輩だよー」
「そうだな」
攻撃を食らってしまった彼女は、体中からっ流血してしまい。
直ぐ様、自らの意思で姿を現した妖精が、治療を行い、特訓を再開する。
それから一、二時間ほど特訓は続き―――。
特訓が終わるくらいには、全員がへとへとに疲れ切った様子で、集まってきて。
「ハアハア、今日の特訓はこれで終わりだ!」
「ハアハア、そうだね!」
「ハアハア、そ、そうね!」
「ハアハア、疲れたですの! もうこれ以上は戦えないですの」
「ワタシも同じです」
「ウチも同じだよー」
それぞれが、苦しさのあまり肩で息をする。
「んじゃあ、ホテルに戻るぞ!」
「賛成ですの!」
「私も同じ」
ヒョウガがそう言うと、アーティナとカナミが賛成し、他の三人も同じく賛成したので、ホテルへと戻って行く。
ホテルに戻るや、すぐさま部屋へと戻って行き…。
「凄く汗かいたし、お風呂入るか!」
そう言って、お風呂へ向かう。
暖簾を潜って、中に入ると誰も居らず。
―――やっぱりこの時間は誰もいないか。
と全部を脱ぎ終えたヒョウガは、其の儘タオル片手に入って行く。
入ったら、先ずシャワーで体を濡らし、ボディーソープをタオルに着けて洗い、お湯で流す。
それから髪をお湯で濡らし、シャンプーでしっかりと髪を擦ってから洗い流す。そして次にリンス―で髪を洗い流すと、温泉に浸かる。
「はあ、気持ち良いぞ!」
湯船に浸かった彼は、気持ちよさそうんしていた。
その時―――ガラガラっとドアが開いた。
そこに居たのは、そこに居る筈の無い幼女―――リーフが布製のタオル一枚で入って来た。
―――肝心なのはそこではない。何故男湯に入ってきているかと言うことではないだろうか。
「ヒョウガ。部屋に居なかったから心配したのじゃ。だから来ちゃったのじゃじゃ」
「来ちゃったじゃ無いぞ! 駄目だろう、入って来ちゃ。俺だったからまだしも、誰かほかの奴がいたらどうするつもりだったんだ? 大変なことになっていたぞ!」
リーフの言い分を聞き、ヒョウガは叱り付ける。
すると、
グスグス、だって…・・・だって心配だったのじゃ。昨日会った事件があったから、ヒョウガに何かあったんじゃないかとと思ってたのじゃじゃ」
それを聞くや否、入り口に佇む幼女へと駆け寄り―――。
「何だ、そうだったのか。心配かけて悪かったな。一言声を掛けとくべきだった。でも大丈夫だぞ。大切なもの、守りたいものがあるから、死んでも死にきれないぞ! だから、安心しろ!」
「グスグス、分かったなのじゃ」
「んじゃあ、体と髪の毛を確りと洗うんだぞ!」
とヒョウガが指示を仰ぐと、直ぐにリーフは洗い場で体を洗いに行き―――その間に彼は湯船に入り直す。
何分かして、幼女も隣りに入ってきてから。
「はあ、気持ち良いのじゃ」
「だな。温泉て良いよな」
「妾もそう思うのじゃ」
首までつかり、ふにゃけた様子のまま二人は言葉を交わす。
―――それから少しして、露天風呂に入りるために、外に出た。
足で温度の確認した彼に続いて、リーフも入って行き―――タオルを濡らさないようにし、湯船に浸かる。
ふう―、ここからの景色は最高だぞ!」
「おお、ホントなのじゃ!」
遠くの建物から差し上る光に照らしだされたそれは、文字通り―――幻想的な景色と言って問題は無いだろう。
「海底楽園都市の技術は凄いよな。こんな露天風呂なんか作るんだから!」
「妾もそう思うのじゃ。妾たちの所はっこんなの無いじゃから、新鮮? な感じがするのじゃ」
露天風呂の創設者の凄さに、驚きを超えて呆れすら感じ始めて。
そんな事を考えながら暢気に話をしていると。
ガラガラっと―――ドアが開け放たれ、お風呂場の中へと他の学園の男子生徒が続々と入ってきてしまい。
「ん・・・・・・!? これは不味いぞ!」
「如何するのじゃ? このままじゃ危ないのじゃ。何とかしないと・・・・・・」
「あそこにある茂みに隠れておいてくれ!」
と言うヒョウガの指示に従い、リーフはそっと誰も見られぬようそっと立ち上がり、ぽたぽたと垂れた水滴をお構いなしと言う風に、茂みの中へと身を潜め、やり過ごすことに。
―――寒いのじゃ。
と幼女は彼に視線を送り合図を送ると、それを察したのか―――熱風をリーフの方へ起こし、これで寒さの方も大丈夫の様だ。
その直後、露天風呂の方へと何処かの生徒がやって来て。
「今日は空いてるな」
「良かった良かった。昨日みたいな窮屈じゃなくて。あれ? そこに居るのは、北の学園代表チームにいた確か、アリマ・ヒョウガさんではないか?」
「ん・・・・・・!? それは間違いなく俺だ」
「やっぱりそうだ。あの決勝戦の映像見たけど、凄くカッコよかったな。ふつうあれで逆転はあり得ない」
「そう言われると照れるな」
「これだと噂も本当かな?」
「噂?」
肯定した彼を見た一人の男は、思い大井の事を口にして。それを聞いたヒョウガは照れ臭そうなそぶりをせると、その男の隣にいた金髪の男が意味深そうにそう尋ねて来るので、彼は追鸚鵡返しをしてしまう。
「メイドから聞いたんだけど、何でも幼女を全裸にして、酷い事をするようなロリコンで最低やろうっていう噂さ」
「色々と誤解されかねない…いや、もうそうなってるか」
―――さてはエーゼルだな。確かに普通の人だとそう思いかねないが、はあ、俺がそんな最低クズ野郎に思われるとか勘弁して呉れよ。 誰か誤解だと解いて欲しいぞ!
と彼は、この場に居ない誰かへと届くはずもない言葉を、嘆き掛ける。
―――そろそろ熱風の効果が切れそうなのじゃ。そしたら限界が直ぐに来ちゃうのじゃじゃ。
そのリーフの思いが伝わったのか、ヒョウガは一緒にいた人たちと共に、中のお風呂へと消えていき、誰も入ってこない事の確認が済むと、そっと温泉に浸かり直してから。
気持ちよさそうに浸かってから、中の様子を窺い、ヒョウガだけなのを確認すると、中へ戻る。
―――中に入ると、靄がかかっていたものの、辛うじて肉眼でどこに何があるのか判別できるほどで。
「妾ももう一度入るのじゃ」
そう言うや、彼の隣に浸かり―――、
「何とかなったのじゃ」
「はあ、まだこれからだぞ!」
「それは危ないのじゃ」
「んじゃあ、もう少ししてから髪と体洗って出るぞ!」
一安心したリーフへと、現実を伝えるヒョウガ。
本当に思いもしなかったのか、幼女は慌ただしくしているので、彼はそう言うと。
少しの間使って、そして髪と体を洗い、脱衣所に出る。
そして体を綺麗に拭き終え、浴衣に着替えた後、リーフの髪をドライヤーとブラシを使って乾かす。
それ後、誰もいないここを念入りに確認し、そして部屋へと戻った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――部屋に戻る途中でリーフと別れた俺は、戻った所、純白のドレスに身を包めた少女が俺の部屋の前に佇んでいたぞ。
その少女は、艶やかな黒髪を持つ美少女で。
「戻ってこられたのですね。」
ヒョウガの居る方を見て、少女は柔らかな声音で、話し掛けて来て。
「ん・・・・・・!? どちら様だ?」
「ワタシとしたことが済みませんね。ホント。私は―――カルナ・ミアと申します。それで要件なんですが・・・・・・」
「―――カルナ。お前、運営委員会の奴だろ? 昨晩殺された男と同じ所で、んで要件ていうのが、犯人基仲間が強いがために、自分たちの力では手も、足も出せないとかじゃないか?」
「話が速くてとても助かります。彼の話だと、どうやら海底楽園都市内に、゛悪しきものが潜んでいる”ようで。そいつらがアンドレアを殺したんです」
―――ヒョウガは、少女の言おうとしていたことを言い当てて、その少女―――カルナは両手を後ろ手に組んだまま、ニコニコして言ってから。
その様に付け加えて、思いを口にし。
「多分、元学園長が係わってる気がするぞ!」
「元学園長……!? アンドレアがその名前を言ってました。それで話は戻ります。私と今日良くしてもらえません?」
少女は彼の言った名前に心当たりがある様な素振りを見せ、そう口にすると、直ぐに話を戻させ、協力を申し出る。
そして少しの時間考え込んだ後、一つの答えを出す。
「断るぞ! 何せあって数分しかたっていない。信用の仕様が無い。だからもっとお互いを知って信頼関係を築く必要があるぞ!」
キッパリと断りを入れたヒョウガだったものの、途中からは―――前向きに考えていく姿勢らしく。
「それなら仕方有りませんね。では、ご友人になりません? ヒョウガ? 貴方の事に興味を持ちましたから」
「ああ、勿論良いぞ! 色々教えてやるからな。んでだけど、今の時点でどこまで知ってるんだ?」
―――その言葉を聞いたカルナは諦めたように肩を竦めた。が、その代わりに友好関係を結ぼうと、無邪気な笑みを浮かべて頼んでいた。
そう来るだろうと予測していた彼は、差し出された手を取り、握手を交わす。
その直後今迄の感じからして、もしやと思い、そう尋ねると。
「ワタシが聞ってるのは、ヒョウガはロリコンで、幼女に全裸にして寝かせせて、酷い事をすると言う最低クズ野郎と言うことだけです」
「良いか? 確り聞いておくんだぞ! 俺はロリコンでも、幼女手を出す最低クズ野郎でもないんだぞ! 誤解だ。誤解!」
「分かりました。信じます。私ってば、よく誤解しちゃいやすいんですよね。済みません」
「分かればいいんだ!」
何処から聞いたのか―――否、もうほとんどの人に間違った情報が文字通り―――流出してしまったに違いない。
その金ネタに、溜め息交じりの吐息をこぼし、ヒョウガは感情をむき出しにして、誤解を解いてもらうと。
柔らかな声音で信じると言ってくれ、天然な一面を暴露する。
そして許して貰おうと謝ったところ、淡白と許しを得れて。
「では、今日はこれで失礼しますね」
と言って少女は、彼に向って一礼したので、ヒョウガは「ああ、じゃあな」と別れの言葉をかけ、カルナはクルリと踵を返して、関係者用のホテルへと戻って行く。
―――そして、部屋へと戻ろうとしたら。
「今の黒髪の美少女は誰だったんですの?」
「ま、まさかとは思うけど、告白されたんじゃないでしょうね?」
「え? そうなの!? ヒョウガ」
一連の光景を目撃していたカナミ達が、見知らぬ少女の事を問い質す。
するとヒョウガは、皆に耳を傾けるように仕向けるや、ごにょごにょと話しだして、そして伝え終ると。
「まさかあの美少女が、運営委員会の人だったとは思いませんでした」
「大事なのそこじゃないよー。そのカルナさんていう人の言ってることが確かなら、これで終わるとは思わないよー」
「確かにそうだね!」
カルナが運営委員会に属していることを、驚いた顔で口にするミューフィへ、鋭いツッコミをサラが挟む。
そして言われた事の惨劇性を口にし、フラグを立ててしまう。
「だが、先ずは明日のことが優先だぞ!」
先のことを危惧するのではなく、今の事に集中しろと言われ、カナミ達はただ頷く。
そんな事をしている内に夕食の時間になり、部屋に戻って行くと、選手ホテルの従業員が料理を運んで来て―――。
先ず先付けで、松茸の和え物、焼き豆腐、鮒の甘露煮、茄子。次に椀物で、海老の沢煮。そして造りは鰤、鮫、鱧。台物は、セレーモル牛の鉄板焼き、ブロッコリー、南瓜ヒラタ、クルジェット、バター。その次に温物で、手造り豆腐、湯葉、苦汁が机の上へと運ばれてきた。
そして、次に鯛サラダ、シーザードレッシング、煮物は鱚の銀煮、昆布、竹の子。勿論ご飯も釜に沢山入っていて、そして汁物として鯛のお吸い物。そしてデザートにロールケーキも運び込まれてきて。
机に全てを並べると。
「んじゃあ、食うか」
そう言うと、手前にある刺身から順に食べて行き―――見る見るうちに無くなって行く。
―――ん~ん。どれもこれも美味いぞ!
そうあれやこれを食べて思い。
それから残りのご飯と、お吸い物を食べて行って、ご飯が無くなると、釜から又取り出して、食べていく。
「フ~もうお腹一杯だぞ!」
何とか全部食べ切った彼は、そう零す。
「それでは、片付けさせて頂きます」
「ん・・・・・・!? ああ、ありがとう」
―――偶然終わった時にやって来た男のスタッフは、次々とお盆の上にからの容器を載せて行き―――全て終わると、机を拭く。
それから、布団を敷いてくれて、今度こそそのスタッフは部屋から立ち去った。
そして少し椅子に座って寛いでから、洗面所に向い。ヒョウガは歯を綺麗に磨いて、嗽をして。顔を洗いタオルで拭く。
それからカナミ達の部屋へ挨拶に向い。
コンコンと、ドアをノックしてから、ドアノブに手を掛けてから、ドアを開け。
「んじゃあ、俺は寝るわ!」
「うん。お休み」
「お、お休みなさいよ!」
「お休みなさいですの!」
「お休みなさい」
「お休みだよー」
彼がお休みの挨拶をすると、彼女たちがお休みを返す。
そして彼は寝る準備をして、横になり、何分かして眠りに就く。
カナミたちも何十分か経ってから、寝る準備をして横になり、眠りに就く。
斯うして二日目は終わりを迎えた。
次回は量少なめになりそうですよ!
今度はデータミスしないよう気を付けて、早めの投稿を心がけますよ!




